櫻坂46が21日~22日、東京・国立代々木競技場第一体育館で「渡邉理佐 卒業コンサート」を開催した。欅坂46時代からグループ改名を経て約7年。
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欅坂46時代から櫻坂46までの歴史で、初めて行われたメンバーの卒業コンサート。開演を告げる「Overture」に続き、コンサートは彼女のセンター曲「無言の宇宙」で幕を開けた。パフォーマンス中、メインステージ背後のスクリーンには、欅坂46のデビュー当時から現在までの彼女の軌跡をたどるVTRが流れていた。
MCを挟み、「Nobody’s fault」「最終の地下鉄に乗って」に続く「それが愛なのね」のイントロでは、二期生の増本綺良が「理佐さん、愛してる!」とステージで叫び、曲中では渡邉が笑顔を振りまいた。
「流れ弾」に続くMCでは二期生たちが渡邉との思い出を語り、コンサートは中盤戦へ。スクリーンに“欅の木”が映る中で渡邉が1人、緑色のスポットライトが灯るメインステージの上段から登場した。
一期生たちで披露したのは、欅坂46時代の楽曲の数々。スクリーンに映る“欅の木”が四季折々に変化した「二人セゾン」、ユニット曲の「僕たちの戦争」「青空が違う」に続き、「制服と太陽」では一期生たちが曲の終盤で抱きしめ合い、渡邉の歌い出しからスタートした「世界には愛しかない」では、彼女と同じく、4thシングル「五月雨よ」の活動をもっての卒業を発表した原田葵も後半のポエトリーリーディングを担当した。
渡邉が専属モデルを務める女性ファッション誌「non-no」(集英社)の先輩である女優・新木優子や、グループの冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京/毎週日曜24時35分)でMCを務める土田晃之とハライチ・澤部佑からのメッセージVTRが流れ、コンサートは終盤戦に。
渡邉がブランコに乗って登場した「ブルームーンキス」の曲中では、彼女と抱き合った二期生の森田ひかるが「あ、こんなに好き」の歌詞の部分を「理佐さん、大好き!」に変えて笑顔を浮かべ、「偶然の答え」「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」を立て続けに披露した。
MC後、「五月雨よ」に続く「思ったよりも寂しくない」では、自撮り棒を手にした渡邉が花道を練り歩き、メンバー1人1人と笑顔で肩を寄せ合う。
会場は暗転し、客席からはアンコールを待つ拍手の音が響く。壮大なBGMと共に真っ白なドレス姿でメインステージに再び登場した渡邉は、客席へ向けて深く一礼。ステージ前方へと歩みを進め、1人きりのステージで目をうるませ、声を震わせながら卒業への思いを語った。
約7年間の活動で「うれしいことや楽しいこともたくさん経験しましたが、つらいなと思ったりとか、苦しいなって思うこともたくさん経験させていただきました」と振り返った渡邉は、声を詰まらせながら「ああもう、逃げたいなって思うときもたくさんあったんですけども、そんなときにもう1回前を向いて、背中を押してくれたのは、こうして会いに来てくださる皆さんの存在が、本当に本当に大きかったです」とファンへの感謝を伝えた。
卒業発表からコンサートまでの半年間は「思い出を振り返れば振り返るほど、これまでの活動だったりとかがすごくすごく、キラキラと輝いていたので、離れたくないなって。それぐらいグループのことが本当に本当に大好きだったんだなっていうのを改めて感じました」と語り、「一緒に頑張ってきてくれた一期生のみんなだったりとか、たくましく成長してくれた二期生たちの姿を見て、もう私は安心して卒業できるなと思って」と卒業決断の背景を吐露した。
自身のラストステージを迎えて「こんな自慢したくなるようなグループにいられたことが、本当に本当に誇りだし、これからの私が新しく羽ばたく…ほかの道に進んでも、櫻坂にいたんだぞって胸を張って言えるような気がします」とつぶやき、「たくさんの愛おしい時間だったり瞬間を、皆さんと一緒に共有できたことを本当に本当に心からうれしく思いますし、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも櫻坂46と、そして、渡邉理佐の応援をよろしくお願いします」と笑顔でスピーチを締めくくった。
渡邉の元へ駆け付けた一期生たちも、それぞれの思いを明かす。「ステージ上では泣かないって決めていたので…」と吐露した齋藤冬優花は、目をうるませながら渡邉に対して「(グループの軸として)立ち続けてくれて、救われたメンバーもたくさんいたと思うし、ファンの方も。
笑顔で語る尾関梨香は「自分に尽くす時間っていうのがきっと少なかったと思うので、これから先は、本当に本当にもう、自分のことだけ考えてもいいっていうくらい、世界一周してもいいっていうくらい、好きなことを理佐らしくやっていってほしいなって私は思います」とねぎらい、小林由依は改名後に互いに「責任感を持ってやる役目が多かった」と振り返り、「理佐の存在があるからこそ私も救われたというか、同じ気持ちの人がいるっていう強さがすごくありがたくて。それがこれからはなくなっちゃうのがすごく寂しいですけど、これからも私も私らしく、理佐も理佐らしく、お互いの場所で頑張っていけたら」と、声を詰まらせながら伝えた。
アンコールとなり、渡邉と菅井は「青空とMARRYメドレー」をパフォーマンス。笑顔で寄り添いながら花道を練り歩いた2人は、「割れたスマホ」「波打ち際を走らないか?」「ここにない足跡」「青空が違う」を次々と披露した。
メインステージで二期生を含むメンバーと合流し、客席の真っ赤なサイリウムの光を受けながら披露したのは欅坂46時代の楽曲「太陽は見上げる人を選ばない」。コンサートの最後を締めくくった欅坂46時代から歌い継ぐ「危なっかしい計画」では、曲の最後でメインステージに集結したメンバー全員が「渡邉理佐」と描かれたタオルを高々と掲げた。
グループが観客への感謝を伝えたあと、ステージに1人残った渡邉はトロッコで客席の外周を行脚。客席全体を見つめながら「ありがとう」と何度も伝え、戻ってきたメインステージには1人1人、一輪のひまわりを手にしたメンバーたちが待っていた。
渡邉へひまわりを手渡しながら、メンバーは思いの丈をつぶやく。声を詰まらせていた二期生の遠藤光莉は「私がいっぱいいっぱいだったときに『大丈夫?』と聞いてくれて…。『大丈夫じゃないのに、大丈夫って言わなくていいんだよ』と言ってくれて、今も頑張れてます」と感謝を述べ、二期生の武元唯衣は「何度も何度も心を救ってくれてありがとうございました。
一期生の土生瑞穗は「つらいときは助けてくれてありがとうございました。そして、たくさんの、たくさんの笑顔を届けてくれたありがとうございました」と声を震わせながら伝え、涙を浮かべた菅井は「どんなときも味方でいてくれて、本当に助けられました。これからも、もっともっと幸せになってね。そして、ずっと友達でいてね。おめでとう」と、グループを共に支えてきた仲間へのエールを送った。
最後、両腕にひまわりを抱えた渡邉は「約7年間、たくさんたくさん支えていただき、本当にありがとうございます。皆さんのおかげで今日、この日を迎えることができたと思っています。本当に本当にありがとうございます。皆さん、大好きです。また会いましょう!」と話し、笑顔のままステージをあとにした。
渡邉は本公演をもって櫻坂46としての活動を終了。
櫻坂46「渡邉理佐 卒業コンサート」最終日のセットリストは、以下の通り。
Overture
M1:無言の宇宙
M2:Nobody’s fault
M3:最終の地下鉄に乗って
M4:それが愛なのね
M5:流れ弾
M6:二人セゾン
M7:僕たちの戦争
M8:青空が違う
M9:制服と太陽
M10:世界には愛しかない
M11:ブルームーンキス
M12:偶然の答え
M13:なぜ 恋をして来なかったんだろう?
M14:五月雨よ
M15:思ったよりも寂しくない
M16:Buddies
M17:僕のジレンマ
EN1:青空とMARRYメドレー
割れたスマホ~波打ち際を走らないか?~ここにない足跡~青空が違う
EN2:太陽は見上げる人を選ばない
EN3:危なっかしい計画