俳優の宮沢氷⿂が、アニメ映画『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』の主⼈公である暦を⼀⼈⼆役で演じることが発表された。宮沢は本作が“声優初挑戦”となる。
【写真】初めての声優に挑戦する宮沢氷⿂のアフレコ風景
原作は、2016年6月刊行され、累計発行部数30万部を突破した乙野四方字(おとのよもじ)による小説。“並行世界”を行き来できる世界の同じ名前のふたりの少年が、それぞれの世界でひとりの少女と恋に落ちるラブストーリーだ。2作品は前後編でもサイドストーリーでもなく、それぞれの物語が独立しているが、2作読むとふたつの世界が絡み合い交差して、お互いがお互いの世界を支え合っていることに気づく、斬新な設定が隠されておりTikTokで話題に。
『僕愛』『君愛』の世界での主⼈公である暦を⼀⼈⼆役で演じるのは、本作が“声優初挑戦”となる宮沢氷⿂。初主演映画『his』で数々の映画賞を受賞、映画『騙し絵の⽛』や現在放送中のNHK連続テレビ⼩説『ちむどんどん』をはじめ多くの話題作への出演や、『MENʼS NON‐NO』の専属モデルとしても活躍。また、今年3⽉に開催された第45回⽇本アカデミー賞では新⼈俳優賞を受賞した。その宮沢が今回アニメ声優初挑戦するのは、2つの世界にいる同じ名前の暦という少年の役。
宮沢は「原作も脚本も気づけば何度も読み返すほど⾯⽩かった」と本作の魅⼒を話し、初挑戦のアフレコを終えてみて「まず、最初に驚いたのは、映像に合わせてセリフを⾔うことの難しさです。普段、アニメを観ているときにはその難しさや⼤変さに全く気づかなかったので、声優さんの凄さを改めて知った気がします」と語った。
『僕が愛したすべての君へ』で暦と恋仲になるヒロイン・和⾳を演じるのは橋本愛。映画『桐島、部活やめるってよ』や『リトルフォレスト』シリーズ、NHK連続テレビ⼩説『あまちゃん』、NHK⼤河ドラマ『⻄郷どん』、『⻘天を衝け』などに出演する実⼒派⼥優。
⼀⽅『君を愛したひとりの僕へ』で暦と恋仲になるヒロイン・栞を演じるのは蒔⽥彩珠。『万引き家族』、『朝が来る』などで頭⾓を表し、NHK連続テレビ⼩説『おかえりモネ』や、ドラマ『妻、⼩学⽣になる。』などで存在感を放つ若⼿演技派⼥優。2度⽬の声優挑戦となった蒔⽥だが、「また違う作品をやってみたいと思っていたのでとてもうれしかったです。その時は⼩学⽣役だったので、⼤⼈の役もやってみたいという気持ちもあって、アフレコが始まるのを楽しみにしていました。暦役の宮沢さんと掛け合いができたので、感情の⼊れ⽅などは⾃然に調節することができました」と語った。
アニメ映画『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』は、10月7日より2作同日公開。
宮沢氷⿂、橋本愛、蒔⽥彩珠からのコメント全文は以下の通り
◆⾼崎 暦・⽇⾼ 暦 役/宮沢氷⿂
Q.原作や脚本を読んで、魅⼒を感じたところを教えてください。
パラレルワールドをテーマにした物語に惹かれました。僕も、⾃分が⾃分じゃない世界線や違うワールドにいる⾃分とどんな⾵に交わるのかとか、⾃分が今⽣きている毎⽇がすべてなのかと考えることが普段から結構多くて。
Q.「僕愛」「君愛」それぞれの暦の印象を教えてください。
⼈は育った環境によって、性格や考え⽅も変わってきます。どちらも暦ではあるので、ベースは変わらないのですが、別の道を選び、違う⼈⽣を送る⼆⼈の暦の演じ⽅、表現の仕⽅はすごく悩みましたが、すばらしい画と台本、この⼆つを信じて、演じました。演じ分けたというよりも、物語の流れに⾝を任せていれば、⾃然に変化が出てくることに気づき、作り込むよりも、⼀つ⼀つのシーンを⼤事に丁寧に演じることを⼼がけました。物語の流れに任せることで、⾃然と⼆⼈の暦にたどり着くという不思議な感覚がありました。
Q.アフレコはいかがでしたか? 難しかった点、⼯夫した点などを教えてください。
声優は初めてでしたが、まず、最初に驚いたのは、映像に合わせてセリフを⾔うことの難しさです。普段、アニメを観ているときにはその難しさや⼤変さに全く気づかなかったので、声優さんの凄さを改めて知った気がします。
あとは、台本をめくるときに⾳を⽴てないように、最後のページの最後の⾏を覚えてめくるとか、めくった先のページの1⾏⽬を覚えておいて、台本を⾒なくてもしゃべれるようにするとか、そういう⼯夫はできるようになりました。
◆瀧川和⾳ 役/橋本愛
Q.オファーを受けた時とアフレコを終えた今で、気持ち変化はありましたか?
初めてではないのですが、アニメーション映画の声のお仕事をずっとやりたかったので、「夢が叶った!」という気持ちになりました。本当にありがたい、と思うと同時に、緊張もかなりしましたし、⾊んな世界の和⾳の⼼を理解して、体に⼊れる作業は新鮮でした。収録が始まり、監督やスタッフのみなさんから「すごく素敵だね」とおっしゃっていただき、本当に救われました。何より、私⾃⾝が楽しく演じられたことが⼀番うれしかったです。
Q.具体的に準備をしたことはありましたか?
物語にはいろいろな世界の和⾳が登場するので、どの時間軸でどの和⾳を描いているのかを整理するところから始めました。役作りの軸は普段と変わらずでしたが、無意識下の意識のような深い部分で、全ての和⾳が繋がっているということは、常に頭の中に据え置いてアフレコに臨みました。
Q.アフレコの難しかった点、⼯夫した点など教えてください。
監督、スタッフのみなさんが、⻑い時間をかけて作り続けてきた作品なので、みなさんの中にある和⾳の声のイメージと、私が和⾳の魂や精神を反映して演じた声とのイメージがすれ違うこともあり、擦り合わせることがとても難しかったです。その過程で、「もっと理系の⼥性みたいな感じ」とか「ちょっと硬い感じ」などの⽅向性に関しては、その声に辿り着くためのロジックがなかなか⾒つけられなくて、苦戦しました。改めて、声のお仕事をされている⽅々って本当にすごいなと、尊敬の気持ちがより⼀層強くなりました。
◆佐藤 栞 役/蒔⽥彩珠
Q.オファーを受けた時の率直なお気持ちをお聞かせください。
以前、声優のお仕事をさせていただいたときに、また違う作品をやってみたいと思っていたのでとてもうれしかったです。その時は⼩学⽣役だったので、⼤⼈の役もやってみたいという気持ちもあって、アフレコが始まるのを楽しみにしていました。
Q.アフレコと原作や脚本から感じる「栞」印象の違いはありましたか?
声を⼊れるまでは妹のような感じで暦くんに⽢えている印象があったのですが、実際に演じてみると、暦くんに⼼配かけないように⾃分の中で気持ちを抑えて、明るく振る舞っているところも感じられ、寂しさやつらさが伝わってきました。
Q.アフレコで難しかった点、⼯夫した点などを教えてください。
暦役の宮沢さんと掛け合いができたので、感情の⼊れ⽅などは⾃然に調節することができました。とてもやりやすくてありがたかったです。先にいただいた映像を観ながら、家で何度も何度も練習して、気合を⼊れてアフレコに挑みました。
Q.監督から「栞」の演じ⽅についてリクエストはありましたか︖
監督の指⽰は的確ですごくわかりやすかったです。お芝居はいいけれど⼝が合っていない、表情が変わったときにはどのように声に変化をつければいいのかなど、観る⼈に伝わるようにどう演じるのが良いのか、丁寧にアドバイスしていただきました。