第87回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞した映画『ベイマックス』の新シリーズ『ベイマックス!』がディズニープラスで配信中だ。ベイマックスが人々を“ケア”する姿が再び描かれる本作だが、なぜ観客はベイマックスから目が離せないのか? 彼はどうしてあんなにかわいいのか、そしてなぜ彼はあんなにもおかしく、笑いを生むのか? ベイマックスの魅力を、本国声優のコメントとともに紐解いていきたい。



【動画】ベイマックスが“人助け”の冒険へ 『ベイマックス!』予告編

■ 日本人は愛さずにはいられない!? 「炊飯器」と「鈴」から生まれたベイマックス

 東京とサンフランシスコからインスピレーションを得た架空都市サンフランソウキョウを舞台に、優しすぎるケア・ロボットのベイマックスと少年ヒロの絆を描いた感動アドベンチャー『ベイマックス』。第87回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞、日本でも興行収入90億円を突破する大ヒットを記録し大きな話題となった。本作はそんなベイマックスの新たな冒険を描く。

 謎の事故で兄を失い深く傷ついた天才少年ヒロの前に現れたのが、兄によって生み出されたケア・ロボットのベイマックス。白くふわふわの大きな体と丸い瞳が愛らしいが、その手をこすり合わせるとAEDになり、その瞳で心とカラダの健康状態をスキャンでき、1万通りの治療法がプログラミングされ、傷ついた人のSOSをキャッチできる優れた能力を持つハイテクすぎるロボットである。

 ベイマックスのその白く丸い大きな体は、「炊飯器」からインスピレーションを受けており、丸みを帯びたシンプルなデザインや、内部にはハイテクが隠されているなど、炊飯器の優れた要素をベイマックスも持ち合わせている。日本人の家庭になくてはならない家電の1つである炊飯器がインスピレーションとなり生み出されたベイマックスに、親近感を持たない人はいるだろうか?さらにベイマックスの丸い瞳は、東京・新宿にある花園神社の「鈴」がモデルになっており、ベイマックスの変化のない表情にも愛らしさを感じてしまうのは、馴染みのある物から生まれた顔だからかもしれない。

■ 本国声優スコット・アドシット、ベイマックスの“ユーモア”を分析

 ベイマックスの魅力はそのふわふわの体だけではない。大きな体を持て余した歩き方からは目を逸らせず、聞き取りやすいロボットボイスで冷静に正しく話す姿は、真面目に純粋に人々を助けようとしているだけなのに、なぜかクスッとさせられる。

 そんなベイマックスの持つユーモアについて、映画『ベイマックス』、テレビシリーズ「ベイマックス ザ・シリーズ」に続き、新たな冒険を描いた本作でもベイマックスの声を本国で演じているスコット・アドシットは「ベイマックスをおかしいと思う時は、ベイマックスが何かをやったからではなくて、それは親切にしたベイマックスに対して、人々がどう反応するかだと思う」と分析する。

 ベイマックスは目の前の人を笑わそうとしているわけではなく、「ベイマックスが誰かを一生懸命助けようとしたら、助けられる人々は、ベイマックスに対しておかしな反応をするかもしれない。走って逃げたり、無視したり、当惑するかもしれない。
ベイマックスのユーモアは、ベイマックスに対する人々の反応から来ると思います」とスコットが語るように、ベイマックスが助けようと手を差し伸べ、そしてそれへの人々のリアクションを含む一連が、笑いを生んでいるのだ。

 ベイマックスが助けたいと思っていても、街の人々は助けられたいとは思っていない人もいれば、突然のベイマックスの登場に戸惑う人も。長年ベイマックスというキャラクターと向き合い演じてきたスコットが「それはベイマックスの素晴らしい面です。彼はおかしくなろうとする必要はない。ベイマックスはただベイマックスでいればいい」と言う通り、純粋に人を助けるためにサンフランソウキョウの街に繰り出すベイマックス、そして彼に対する人々のリアクションも含めて、そこに“ユーモア”が生まれるのだ。

 そんな、ベイマックスがただベイマックスでいて、サンフランソウキョウの人々と面白おかしく触れあいながら“お助けヒーロー”として奮闘する。これを見たら、さらにベイマックスが大好きになること間違いなしだ。

 ドラマシリーズ『ベイマックス!』(6エピソード)はディズニープラスで独占配信中。

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