かつて東京・国立競技場で誓った“笑顔の天下”を目指してひた走るアイドルグループ、ももいろクローバーZ。百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、高城れにの4人は、結成14周年を経た今も、相変わらず息の合った掛け合いを見せる。
結成当時は10代だった彼女たちも、今や全員が20代後半になった。“年齢の変化”を感じながら活動を続けるグループの現在地、それぞれの本音を聞いた。
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■結成14周年 “年齢の変化”を感じる瞬間は?
公開中の映画『ももいろクローバーZ ~アイドルの向こう側~〈特別上映版〉』は、20代後半となった彼女たちの現在地に迫ったドキュメンタリー作品。ライブやその舞台裏を記録した貴重映像のほか、普段あまり語ることのなかった人生観や将来像などについて、メンバー個々のインタビューや4人での座談会、さらに本広克行監督、ももクロのチーフマネージャー・川上アキラ氏など、関係者たちへのインタビューも収録している。
――ドキュメンタリー映画では、佐々木さんが3人に対して「誰が見てもアイドルだなって思う」と発言していました。改めて、それぞれが思うお互いのアイドルらしさは?
佐々木:かわいくブリブリしたアイドルらしさではないと思いますけど、いつでも明るくて元気なところは、ももクロらしいアイドルらしさだと思います。元気さや明るさ、楽しさとか、常に感じさせてくれるメンバーはアイドルらしいです。
百田:楽屋の感じは、結成当時からみんな変わらなくて。ステージとなると、また違うかな。
高城:そうだね。みんなが心の底からライブを大事にしているし、楽しんでいるのは変わらない。一緒にライブをしていても、メンバーと目が合うと「アイドルだ」と思いますし、みんな「誰がどう見てもアイドルだな」と思います。
百田:ライブ会場で自分が歌っていないパートでモニターを見ると、歌っているメンバーがアップになるんです。そのときモニター越しに目が合うと「うわ、めちゃくちゃかわいい」とか「わあ、アイドルだ」と感じます。
佐々木:ももクロだ、って思う(笑)。
玉井:(笑)。あと、メンバー個人で言えば、れにちゃんは誰にでも話し掛けちゃうところですね。アイドルらしいかは、分からないけど(笑)。人懐っこさは、生まれ持ったアイドルらしさだなって思います。
――活動は15年目に。ライブで歴代の楽曲を披露するとき、自分たちの“年齢の変化”を感じる瞬間は?
佐々木:学生時代を連想させる単語が入っている曲が、昔は多かったんです。「教室」とか「宿題」とか、「放課後」とか。リリースした当時は中学生だったので、そのときに自分が通っていた中学の教室を思い出すし、十数年前の話なので「年を取ったなぁ」と思います(笑)。リアルじゃなくなっちゃった、そういう単語が。
玉井:昔は「みんな頑張ろう。元気出していこう」という曲も多かったよね。最近は「そんなに頑張らなくてもいいよ」って。
高城:「ゆっくり行こうね」みたいな(笑)。
玉井:(笑)。自分のペースで、みたいな歌詞を見ると、大人になったなと思います。
高城:昔の音源を聴き直すと、あーりん(佐々木)は小学6年生の時期もあったので、ただただ声が「すごい子どもだな」って。
佐々木:昔の音源を4人バージョンで撮り直した曲もありますし、聴き比べると声の変化が分かると思います。自分たちの音源を聴き直すことはあまりないんですけど、ライブのリハーサルで昔の音源が流れると「ああ、幼い!」って懐かしくなっちゃいます。
百田:今の方が、歌っていても踊っていても、余裕があるかなと思います。昔は「わけも分からず、ただがむしゃらに」というパフォーマンスで、たくさんの方に見ていただけていた部分もあると思いますけど、「もっと歌詞の意味を理解して」とか「もっと丁寧にお届けする」というのは、今の方ができているかなと思います。
■会話の内容も寝方も結成当時と“変わってない”
――映画の座談会では「昔と変わってきたと感じること」を語り合っていました。
反対に、結成当時から互いに“変わってない”と思う部分は?
玉井:基本的に何も変わってない(笑)。
高城:絶対変わってない(笑)。10年前に楽屋で話していた内容と、今、話している内容がいっさい変わっていないと思います。
玉井:大人になって楽屋も静かになったかなと思っていましたけど、うるささはどうやら変わっていないらしくて。
佐々木:久々に会ったメイクさんとか、スタッフさんに言われる(笑)。
百田:今日、移動中の車内や楽屋で3人が寝ていたんですよ。そのときの寝顔が本当に変わってなかった。からみ合う寝方も(笑)。
佐々木:変わっていないどころか、悪化してるかもね。
高城:悪化してる(笑)。
百田:大胆なからみ方というか、よくそれで「スヤスヤ寝られるね」っていう体勢で寝てました。
高城:テトリスみたいな感じだったよね。
百田:あーちゃん(佐々木)とれにちゃんはそうで、玉さん(玉井)は、これも変わってないんですけど、手足が長いのにすごいちっちゃく寝るんですよ。コンパクトに。丸まって寝ていて、変わらないなと思いました。
――グループの将来について、映画では玉井さんが「(やりたいことが)まだまだある。この世にはやり尽くせないことがいろいろある」とコメントしていました。結成14周年を経て、実現したいことは?
百田:衣装とかセットリストとか、すべてをみんなで考えるライブをやりたいです。最近は、演出や曲を決める打ち合わせへ参加するようになったんですけど、あーちゃん(佐々木)が個人でグループ(浪江女子発組合)をプロデュースしていたり、それぞれがいろいろなところで活躍しているので、経験を生かして、自分たちだけで作るメンバープロデュースの公演をグループでやってみたいです。
高城:コロナ禍の自粛期間中からYouTubeチャンネルが活発になって、海外のファンの方が増えたんです。以前は、海外の方向けのファンクラブもありましたし、もう少し世の中の状況が落ち着いたら、海外ツアーもやりたいなと思います。
玉井:えっと、やりたいことあるって私が言ったんですよね。…あるんです(笑)。
百田:玉井さんが言ってた(笑)。
玉井:私が言ったんですよね。私が言ったので、あるはずなんですけど…。
百田:バーベキューとかじゃない? そっち系だった可能性あるよね、たぶん(笑)。
玉井:それもやりたい! メンバー4人だけでご飯へ行ったことがないんです。求めていた答えとは違うと思いますけど(笑)。プライベートで4人だけで会うってなかったよね。
百田:なかったから、1回さ、お会計のときに「誰が出す?」みたいにやりたい(笑)。
佐々木:やりたい!
高城:(支払い役になるようメンバーから指を差されて)え、何でよ!? 芸歴が一番長いあーちゃんでしょ(笑)。ずるいんですよ、本当に。いっつもこのくだりをやるんです!
百田:…っていうね、会話になるんですよ。絶対。
高城:だから、変わってないね(笑)。
佐々木:(笑)。あと、新国立競技場でのライブもやってみたい。国立競技場でのライブをやらせていただいたことはありますけど、新国立競技場でステージに立ってみたい思いはみんな持っていますし、モノノフさん(ファンの愛称)も「そうなったらいいな」と思ってくれていると思うので、実現してみたいです。
(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:上野留加)
映画『ももいろクローバーZ ~アイドルの向こう側~〈特別上映版〉』は全国公開中。
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