アニメ映画『かがみの孤城』の追加声優キャストとして、俳優の北村匠海、女優の宮崎あおい、声優の高山みなみ、梶裕貴らの出演が発表された。
【写真】當真あみ、映画『かがみの孤城』主人公・こころの声優抜てきに感激
直木賞作家・辻村深月による2018年本屋大賞受賞、累計発行部数130万部突破のベストセラー小説を劇場アニメ化する本作は、青春期独特の繊細な感情や感性をリアルに描く、ファンタジーミステリー。
主人公は、学校での居場所をなくし、家に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然、部屋の鏡が光り始め、吸い込まれるように鏡をくぐり抜けると、城のような不思議な建物と見ず知らずの中学生6人が集められていて―。こころとともに「鏡の中の世界」に招かれたのは、リオン、アキ、スバル、フウカ、マサムネ、ウレシノの6人。主人公こころ役は當真あみが務める。
今回解禁されたのは、北村匠海、宮崎あおいをはじめ、吉柳咲良、板垣李光人、横溝菜帆、高山みなみ、梶裕貴、麻生久美子の8名。
サッカーが得意で、誰にでもフラットに接する爽やかな少年リオン役には北村匠海。しっかり者で、皆のお姉さん的な存在のアキ役に、『天気の子』(2019)でヒロインの弟・天野凪役で声優を務めた吉柳咲良。飄々(ひょうひょう)とした、どこか浮世離れした雰囲気の少年スバル役には、声優初挑戦となる板垣李光人。幼少時から生活の全てをピアノに費やす眼鏡女子フウカ役に、ドラマ「義母と娘のブルース」(TBS)で主人公の娘役を演じ演技力が評判を呼んだ横溝菜帆。皮肉屋でゲーム好きなマサムネ役に、「名探偵コナン」や「忍たま乱太郎」など国民的アニメのキャラクターを数多く担う高山みなみ。恋愛気質で惚れっぽく、マイペースなウレシノ役に、「進撃の巨人」「七つの大罪」「僕のヒーローアカデミア」など数多くの人気キャラクターを演じる梶裕貴。
そして、こころの母役には麻生久美子。
北村は「細かな心情、アニメーションならではの呼吸感、空気感。台本を読み進めるのがすごく楽しくて、それでいて彼らの気持ちがすごくよくわかる。そんな作品でした」とアフレコ収録を終えた感想をコメント。宮崎は「子どもたちの見ている世界を今より少し広げてあげられる様な作品になるのではないかと思っています」と本作への期待を込めた。
高山は「子供から大人に何をどうやって求めるのか、大人は子供に何をすることができるのか。この作品が、良い会話のきっかけにしていただけると幸いです」とコメント。梶は「7人の子供たちを演じる様々な役者陣の中で、しっかりと“声優としての存在意義”を感じていただけるよう、緊張感と責任感を持ってアフレコに臨みました」と話している。
アニメ映画『かがみの孤城』は、12月23日公開。
コメント全文は以下の通り。
<コメント>
■リオン役:北村匠海
声優という仕事は本当に職人技だなと、やるたびに思います。今回初めに監督から、「上手さを求めている訳ではない」と言われて肩がふっと軽くなったのを覚えています。
■アキ役:吉柳咲良
アキ役を演じさせていただきました、吉柳咲良です。初めて原作を読んだ時、「こんな孤城に私も出会いたい」と思いながら、苦しさと悔しさで何度も泣きながらページをめくったのを覚えています。私が演じさせていただいたアキちゃんは、登場する中学生の中でもお姉さん的な存在で、明るい人物です。ですがとても大きくて重いものを抱えているキャラクターでもあります。こんなに大切な役を任せていただけたことをとても嬉しく思いますし、彼女の苦しみや心の葛藤に寄り添い、声をのせて届ける責任を、全うできたと思っています。
たくさんの方々の心の救いになるような、大切なことを教えてもらえるような作品だと思います。届けられたものが誰かの心を少しでも救えていますように。
■スバル役:板垣李光人
今回こうして豪華なスタッフ、キャストの皆さまが描く長編アニメーション作品に声優として参加させていただくことになり大変光栄に思います。そしていつも号泣案件な作品を届けてくださる原監督、そして事務所の先輩でありいつかご一緒したいと思っていた北村匠海さんと作品をつくれたことが個人的にはとても嬉しいです。
原作も拝見しましたが一見ファンタジックな要素が強い作品かと思いきや、各所に散りばめられた伏線が見事に回収されてゆくミステリーとサスペンス的要素、中学生が持つ思春期特有の人間関係における機微が繊細に描かれており、「辻村先生…」と感嘆するばかりでした。
僕が演じますスバルという役は他の子と比べるとどこか落ち着きがあり掴みどころのない雰囲気の子です。映像作品とは違い声を主軸に芝居をするため、しっかりと微細なニュアンスを表現しつつスバルらしさを出していく点にはとても頭を悩ませました。7人の少年少女たちの運命、そして彼らを取り巻く人々がどう重要な歯車として関わってくるのか、ぜひ劇場でお楽しみいただければと思います。
■フウカ役:横溝菜帆
「かがみの孤城」は、大好きな作品なので、以前から繰り返し読んでいました。フウカちゃんの声を担当させていただくことが決まった時は、本当に驚いたと同時に、とても嬉しかったです。声のお仕事は何度か経験がありますが、この作品では息遣いなどの表現がとくに難しかったです。自分の声がフウカちゃんの声となったのを聞いた時は感動しました。
この作品は、個性的な子供たち7人が、それぞれが置かれた境遇で悩みを抱えながらも、困難をどのように乗り越え、支え合いながら成長していくかが見どころだと思います。大人から子供まで、幅広い世代の方々にお届けできたら嬉しいです!
■マサムネ役:高山みなみ
最初にいただいた設定資料でマサムネの表情画を見て、彼の事をもっとよく知りたくなり、台本を読む前に原作を…と、久しぶりにハードカバーの本を手にしました。
このお話はファンタジーの中に壮絶なリアルが含まれていて、身が固くなる瞬間もありました。そして振り返れば、学生でいた時間は短かく、とても濃密だったのだと感じました。子供から大人に何をどうやって求めるのか、大人は子供に何をすることができるのか。この作品が、良い会話のきっかけにしていただけると幸いです。
■ウレシノ役:梶裕貴
『かがみの孤城』は、誰もが経験したであろう中学生時代の不器用で繊細な思いが呼び起こされる物語。リアルな痛みと温もりが共存している作品です。特に学生の皆さんにとっては、今だからこそ届くメッセージが沢山詰まっているのではないかと。7人の子供たちを演じる様々な役者陣の中で、しっかりと声優としての“声優としての存在意義”を感じていただけるよう、緊張感と責任感を持ってアフレコに臨みました。いちファンである辻村深月先生、そして原恵一監督作品に携わることができ幸せでした。新たにアニメーション映画として誕生した本作を、ぜひ劇場でご覧いただけたら嬉しいです。
■こころの母役:麻生久美子
『百日紅~Miss HOKUSAI~』以来、久しぶりに大ファンの原恵一監督の作品に参加できて、とても光栄です。
私が演じたのは主人公こころの母親役でしたが、私も子を持つ母親なので、演じていて、色々考えさせられることが多かったです。惹き込まれるストーリーに、現代の子ども達の問題も扱われており、多くの方に観ていただきたい作品になっています。
■喜多嶋先生役:宮崎あおい
初めてご一緒させていただいた作品では、個性的でチャーミングな女の子の役でしたが、今回は子ども達を優しく包み込む先生を演じさせていただきました。原監督の、一切迷いの無い演出に身を委ねている時間はとても心地よかったです。子どもたちの見ている世界を今より少し広げてあげられる様な作品になるのではないかと思っています。