シリーズ累計880万部突破の人気ジャズ漫画をアニメ化した映画『BLUE GIANT』の音楽担当に、グラミー賞受賞歴を持つ世界的ピアニスト、上原ひろみが発表。さらに、劇中の演奏を担当するサックス・馬場智章、ピアノ・上原ひろみ、ドラム・石若駿の演奏が見れる特報と最新ビジュアルも併せて公開された。
【動画】迫力の演奏が聴ける『BLUE GIANT』特報
原作漫画は、世界一のジャズプレーヤーを志す少年の物語。ジャズに心を打たれサックスを始めた宮本大は、高校卒業と同時に仙台から上京し、同世代の仲間の玉田俊二と沢辺雪祈と共に全身全霊をかけ演奏に打ち込む日々を送る。2013年から「ビッグコミック」(小学館)にて連載がスタートし、「マンガ大賞2016」で3位に選出、第62回「小学館漫画賞(一般向け部門)」を受賞。さらに第20回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞」を受賞した。
主人公・大のサックスを演奏するのは、馬場智章。国内外の有力奏者を集めたオーディションで世界中のプレーヤーの中から満場一致で選ばれた馬場は、力強い演奏が聴く人すべてを圧倒する大のサックスを、音で演じる。
大とは高校で同級生だった玉田のドラム演奏はmillennium paradeのドラマーとしても活躍する石若駿が担当。石若はジャズのみならず様々なジャンルで活躍するいま最も引く手あまたなドラマーの一人であり、楽器未経験ながら大の情熱に突き動かされバンドに熱中する玉田の表現を託し上原が指名した。
大が東京で出会うピアニスト・雪祈の演奏は上原ひろみが担当。10代にして、情熱を内に秘めたクールな雪祈のピアノをどう表現するのか、世界的ピアニストの音の演技にも注目だ。また、上原は大たちが結成するトリオ“JASS”のオリジナル楽曲も本作のために書き下ろしたとのこと。
上原は「自分の頭の中に鳴っていたその音を、本当に再現できる日が来るなんて…」と、原作に触れたときの感動を振り返りながら「ありったけの情熱を込めて」と意気込みを露わにした。
大のサックスを担当する馬場は「大として演奏をするにつれ、彼の音楽への情熱や貪欲さがどんどん音になって表れるような気がしました」と、収録の感想を語る。
大の姿に感化されドラムに挑戦する高校時代からの友人・玉田の音を奏でる石若は、ドラム初心者のぎこちなさを演じることの難しさに触れた上で、「試行錯誤しながら楽しく臨むことができました」とコメント。
原作者の石塚真一は、上原の参加に「この上ない幸運です」と喜びを表現し、3人へ「カッケー音をありがとうございます!!」と改めて感謝の言葉を綴った。
アニメ映画『BLUE GIANT』は、2023年2月17日より全国公開。
※コメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■石塚真一(原作)
ジャズ界きってのピアニストの上原ひろみさんが音楽担当になってくれたことは、この上ない幸運です。サックスの馬場智章さん、ドラムの石若駿さんという真摯な若手プレーヤー達と共に試行錯誤を重ねて映画『BLUE GIANT』の音を紡いでくれました。迫力の音楽です。音について伝えたいことはまだまだありますが、ここはグッとこらえ、皆さんが映画で楽しんでいただけたらと思います。上原さん、馬場さん、石若さん、カッケー音をありがとうございます!! 皆さん、劇場でジャズが待ってます! ご期待ください。
■上原ひろみ(音楽/ピアノ演奏)
初めて『BLUE GIANT』を読んだ時、「音が聴こえてくる」と感じました。自分の頭の中に鳴っていたその音を、本当に再現できる日が来るなんて…。
物語を支える劇伴も担当させていただけて、感無量です。『BLUE GIANT』には、夢と情熱が詰まっています。監督も、この映画に携わるスタッフも、原作チームも夢と情熱で溢れる人たちでいっぱいです。この漫画の音を鳴らしたい、という自分の夢を乗せられればと。ありったけの情熱を込めて。
■馬場智章(サックス演奏)
“その人が生み出す音はその人そのものを表す”と感じながら僕は日頃から音楽に取り組んでおりますが、今回初めて自分自身としてではなく別の人間として音楽制作に取り組みました。大の持つ音は“きっとまだ上手くはないけれど何故か人を惹きつける”そんな想像をしながら大を自分に宿して、大として演奏をするにつれ、彼の音楽への情熱や貪欲さがどんどん音になって表れるような気がしました。今回大が結成したバンド“JASS”を上原ひろみ、石若駿という最高のメンバーと担当することができ、とても良い音楽に仕上がったと思います。ぜひ劇場の特大スピーカーでJASSの音を全身で浴びてください。
■石若駿(ドラム演奏)
皆様はじめましてドラマーの石若駿と申します。ジャズを題材としたこの『BLUE GIANT』という作品に携わることができてとても嬉しく思います。ドラムの玉田の音とモーションを担当することになりますが、玉田は音楽経験がないところからドラムをスタートします。
初心者のぎこちないドラミングを演ずるのがとにかく難しくもあり、試行錯誤しながら楽しく臨むことができました。玉田のまったくの初心者からだんだん上手になっていく様にも注目いただければと思います。また彼の心情の動きも私なりに音に注入させていただきました。全体の音楽を担当され、雪祈役の、上原ひろみさんと宮本大役の馬場智章さんとのトリオもとても感動的な音に仕上がりました。この映画を観てジャズという音楽の実際のライブにも聴きにいらしていただければ本当に嬉しいですが、まずは『BLUE GIANT』を何度もじっくり楽しんでいただければと思います! お楽しみに!
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