2021年放送のテレビアニメ『Sonny Boy(サニーボーイ)』が、第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞。それを記念し、BS朝日にて23年1月1日23時より全話一挙放送が決定した。

併せて、夏目真悟監督、市川蒼、大西沙織悠木碧、小林千晃によるコメントも届いた。

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 本作は、『ワンパンマン』『四畳半タイムマシンブルース』などの夏目真悟が監督・脚本を務め、マッドハウスとタッグを組んで贈る、青春SFサバイバル群像劇。漫画家の江口寿史がキャラクター原案を手掛け、銀杏BOYZが初めてアニメ主題歌を担当した。

 誰もいない空っぽの教室、退屈な日々。それはいつもと変わらない夏休みのはずだった。突如、異次元を漂流し始めた学校と、そこに取り残され、超能力に目覚めた36人の少年少女。
理不尽に満ちた世界でのサバイバル生活が始まりを告げる。

 夏目真悟監督は賞の受賞について、「この受賞はとても嬉しかったです、まっさらな状態からお話を作って映像にしてと、大変でしたけどやってきたことが報われて、改めて『Sonny Boy』を作って本当に良かったなと思えました」とコメント。

 視聴者へ向けて、「『Sonny Boy』は他にない個性を持っているオリジナルアニメらしいアニメだと思います。少年少女の漂流という普遍的な側から、難解な内容、攻めた演出が絡んできて一見複雑そうに見えますが、描きたいことは至ってシンプルです。彼らの漂流を通じて、琴線に触れる何か、を感じとってくれたら嬉しいです」とアピールした。

 長良役の市原は、「素敵な作品の一助となれたこと、改めて心から嬉しく思います」とメッセージを。
一挙放送に際し、「『Sonny Boy』は観る人、観る場所、観る時間、それぞれで感じ方が変化する作品だと思っています。あの時感じた空気や感情はあの時だけのもので、今の自分が受け取る『Sonny Boy』はまた違ったものになるのでは…と、僕自身も一挙放送が楽しみです」と語った。

 希役の大西も「私は夏目真悟監督とお話しさせていただくととても不思議な気持ちになります。監督の口から言葉として出力されているものは、頭で考えたり想像している情報のほんの一部にすぎないのだろうなと…! 『Sonny Boy』はそんな監督の秘められた部分が少し覗けるような、そんなアニメーションだと私は思います」とコメント。

 瑞穂役の悠木は「アフレコ中、長良役の市川くんが『誰かのアルバムを見ながら、思い出話を聞いているみたいな作品だ』と言っていたのが印象的だったんです」と振り返り、「圧倒的に新しい映像表現なのに、なんか“わかる”感覚にこの一挙放送で溺れて貰えたら嬉しいです」とメッセージを寄せた。

 朝風役の小林も「『Sonny Boy』は独特の世界観且つ先の読めない展開なので、当時アフレコする際も朝風たちと同様に色んな意味で心が落ち着かなかったことを覚えています。
僕は本作を見終えたとき『地元の好きだった風景』を思い出したのですが、見た人によって違う鑑賞の余韻をもたらしてくれるはずなので、色んな人の感想も聞いてみたいですね」と語った。

 オリジナルテレビアニメ『Sonny Boy』は、BS朝日にて2023年1月1日23時より全話一挙放送。

 ※監督、キャストのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■夏目真悟(監督)

この受賞はとても嬉しかったです、まっさらな状態からお話を作って映像にしてと、大変でしたけどやってきたことが報われて、改めて『Sonny Boy』を作って本当に良かったなと思えました。さらに受賞を記念してBS朝日さんで全話一挙放送をしていただけるなんて! 一挙放送もなかなか無いのに、しかも元日に!!  関係者の皆様本当にありがとうございます! 『Sonny Boy』は愛されていると感じつつ、是非みなさんに見ていただきたいです!初見の方はもちろん、1度見ていただいた方も! 『Sonny Boy』は他にない個性を持っているオリジナルアニメらしいアニメだと思います。少年少女の漂流という普遍的な側から、難解な内容、攻めた演出が絡んできて一見複雑そうに見えますが、描きたいことは至ってシンプルです。
彼らの漂流を通じて、琴線に触れる何か、を感じとってくれたら嬉しいです。

■市原蒼(長良役)

第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞おめでとうございます! 素敵な作品の一助となれたこと、改めて心から嬉しく思います。『Sonny Boy』は観る人、観る場所、観る時間、それぞれで感じ方が変化する作品だと思っています。あの時感じた空気や感情はあの時だけのもので、今の自分が受け取る『Sonny Boy』はまた違ったものになるのでは…と、僕自身も一挙放送が楽しみです。皆様も2023年の初『Sonny Boy』を是非お楽しみください!

■大西沙織(希役)

『Sonny Boy』が文化庁メディア芸術祭アニメーション部門にて優秀賞を受賞したということで、おめでとうございます…!! 希役として作品に参加させて頂いた身としても、とても嬉しく思います。私は夏目真悟監督とお話しさせていただくととても不思議な気持ちになります。
監督の口から言葉として出力されているものは、頭で考えたり想像している情報のほんの一部にすぎないのだろうなと…! 『Sonny Boy』はそんな監督の秘められた部分が少し覗けるような、そんなアニメーションだと私は思います。アフレコをしていてもなかなか先がよめなかった世界を、一挙放送で是非体感して下さい!! 楽しんでくださいね~!

■悠木碧(瑞穂役)

この度は受賞おめでとうございます! アフレコ中、長良役の市川くんが「誰かのアルバムを見ながら、思い出話を聞いているみたいな作品だ」と言っていたのが印象的だったんです。アルバムを見せてもらうと、自分がいなかったその人の記憶を知れるわけですが、あの時に感じる相手を知れたことによる仄暗い喜びって適当な言葉がないなと思っていて。『Sonny Boy』はあの感覚が、アニメーションで表現されているんだ、と腑に落ちたんです。それが受賞して、一挙放送される…つまりこの感じ、みんな共感できるんだ!って嬉しくなりました。圧倒的に新しい映像表現なのに、なんか“わかる”感覚にこの一挙放送で溺れて貰えたら嬉しいです。


■小林千晃(朝風役)

第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション優秀賞の受賞おめでとうございます! 『Sonny Boy』は独特の世界観且つ先の読めない展開なので、当時アフレコする際も朝風たちと同様に色んな意味で心が落ち着かなかったことを覚えています。ですが監督の思い描いているゴールを見たいという一心で沢山の人がもがき続けたからこそ、他では見れない素晴らしい個性を持った作品が出来上がったのだと思います。僕は本作を見終えたとき「地元の好きだった風景」を思い出したのですが、見た人によって違う鑑賞の余韻をもたらしてくれるはずなので、色んな人の感想も聞いてみたいですね。これを機にもっと多くの方が『Sonny Boy』に触れ、愛してくださると嬉しいです。