清らかさと凛とした表情をあわせ持ち、映画・ドラマにと引っ張りだこの活躍を続けている浜辺美波。岩本ナオによる同名漫画をアニメ化した映画『金の国 水の国』では、内面から輝く“おっとり王女”のサーラに命を吹き込んでいる。
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■サーラとナランバヤルの関係は「理想的な恋」
商業国家で水以外なんでも手に入る<金の国>の王女サーラ(声:浜辺)と、豊かな水と緑に恵まれる<水の国>の建築士ナランバヤル(声:賀来賢人)を主人公とした本作。2人は100年断絶している敵国同士の身でありながら、国の思惑に巻き込まれ“偽りの夫婦”を演じることになり、やがて彼らの“やさしい嘘”が国の未来をも変えていく様子をつづる。
オファー時の心境を振り返った浜辺は、「原作を読んでとても感動したので、そのすばらしさを台無しにできないなと。プレッシャーで硬くなっていました」と打ち明け、「これまで声のお仕事をやらせていただいた中でも、サーラは一番セリフの多い役どころになりました。現場で音響監督さんに『何回やってもいいんだよ』とこちらに寄り添ったディレクションをしていただいたことで、焦らずに何度もチャレンジすることができました。何度もトライしながらいいものを作っていくという、初心に立ち戻ることができた気がしています」と感謝しきり。
原作に感動したという浜辺だが、サーラとナランバヤルの育む絆にも大いに心を動かされたという。「お互いを思いやっていて、リスペクトし合っているところがとてもすてきだなと思います。恋愛感情が芽生えても、その思いを相手に押し付けたりもせず、お互いの幸せをひたすら願っているという2人。本当に理想的で、やさしい恋愛だと思いました」とにっこり。
■浜辺美波の目指す、美しさとは?
渡邉こと乃監督は「浜辺さんの声はまるでα波が出ているかのようなやさしいニュアンスがぴったりでした」とコメント。その言葉通り、観客をも魅了するような温かさと癒し力でサーラを演じきった浜辺だが、サーラの心の動きに共感する点もあったと話す。
「サーラは、おとなしい王女様。でもナランバヤルや国など、自分が守りたいと思ったもののためには、そこに向けて全力を注ぐことができる。サーラのそういった一面には、とても共感ができました。私も、自分をよく見せるために頑張るということがあまり得意ではないのですが、作品があったり、共演者の方がいたりすると気合が入りますし、頑張ろうという気持ちが湧いてきます」とサーラに愛情を傾けながら、力強く語る。
「何事も平和が一番」といつも笑顔を絶やさず穏やかなサーラを見ていると、“こういう人物こそ、真に美しい人だ”と実感できる。浜辺の目指す“美しい人”とは、どのようなものだろうか?
浜辺は「人の意見をきちんと受け入れることができて、さらに自分の意見も付け加えられる人。自分の意見をうまく言えて、話し合いに臨める人はカッコいいと思います。そういったときにやさしさやユーモアのある言葉遣いを選べる人、その労力を惜しまない人は、本当にすてきだなと思います。
■おうち時間と外、理想の割合は「9対1」
まっすぐに、ひたむきに女優道に邁進し、世代を代表する存在となった浜辺。2022年はドラマ『ドクターホワイト』や『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』など、たくさんのベテラン勢と共演する機会にも恵まれた。浜辺は「まだまだ道は長いな、これからもっと頑張っていかなくちゃと刺激をたくさんもらった1年」と充実感を吐露。
「『オリバーな犬』の現場は、記憶がないくらい緊張していた」と苦笑いしながら、「(監督・脚本・出演の)オダギリジョーさんは、誰もがついていきたい監督だと思えるような迫力がありました。それでいてみんなとおしゃべりをしてコミュニケーションも欠かさない。すごかったです」と惚れ惚れとしながら、「『ドクターホワイト』でご一緒した柄本佑さんは、『シン・仮面ライダー』でも共演させていただいて。佑さんはユーモアがあって、どんな物事もわかりやすく、面白くお話してくださいます。
また「下半期は、例年と比べるとまとまったお休みをもらうことができた」のだとか。浜辺は「何もしないまったりとした休日を過ごして、自分と向き合う時間もあった」そうだが、家で多くの時間を過ごしたことで、改めて「家をきれいに保つことが、心の平安につながると思った」という。「朝起きたときに、部屋がきれいか、そうじゃないかで、その日の幸福度も変わるなと思って。私は、お父さんに似て掃除好きなんだなということにも気づきました。ワンちゃんもいるので、こまめに掃除もしたいです。大好きな友達もたくさんいるけれど、家でボーッと過ごす時間はとても落ち着きますし、私にとってはその時間がとても大事なんだなと思いました。おうち時間と外で過ごす時間の割合としては、9対1か、8対2くらいが理想的。大きい数字がおうち時間です」と笑顔を弾けさせていた。
いよいよ迎えた2023年は、神木隆之介が主演を務めるNHK連続テレビ小説『らんまん』(4月~放送予定)、庵野秀明が監督・脚本を務める『シン・仮面ライダー』でヒロインを務める。浜辺は「朝ドラのスケジュールは大変だと思いますが、笑顔を忘れずに、心と身体の健康に気をつけて撮影に臨みたいです。『らんまん』というタイトルに見合う心持ちで、1年を過ごしたいです」と気合を入れつつ、一方の「『シン・仮面ライダー』は、物語を引っ張っていくような役どころでもあります。
映画『金の国 水の国』は、1月27日より全国公開。