アニメブームの流れに乗り、人気職業の1つになった声優。かつては「売れない俳優がやるもの」という風潮もあったが、現在はその地位が確固たるものとなった。
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■阿澄佳奈
『ひだまりスケッチ』のゆの、『WORKING!!』の種島ぽぷら、『DOGDAYS』シリーズのユキカゼ・パトネーゼなどで知られる阿澄佳奈。彼女は短大を卒業後、幼稚園1年間保育士として勤務していた過去を持つ。
大学時代から声優になりたかったという阿澄だが、資格を取得したこともあり、未練を持ちつつも保育士として働いていた。しかしやはり夢への思いは消えず、保育士を辞めて本格的に声優を目指したそう。
退職後は派遣や事務職のアルバイトで食いつなぎながら声優としての腕を磨き、2004年から事務所に所属。阿澄佳奈として本格的な活動をスタートさせた。
■三石琴乃
『美少女戦士セーラームーン』の主人公・月野うさぎ、『新世紀エヴァンゲリオン』の葛城ミサト、『少女革命ウテナ』有栖川樹璃など、有名アニメに多数出演している三石琴乃。
三石は声優になる前、東京都豊島区池袋のサンシャイン60でエレベーターガールとして勤務していたことを明かしている。その後、就職して東京都庁に出向。
そして1989年に『エースをねらえ!ファイナルステージ』でデビュー。複数作品の出演を経て『美少女戦士セーラームーン』の月野うさぎ役に抜てきされ、知名度を高めた。
■林原めぐみ
声優でありながら歌手としても活動し、「声優アーティスト」の先駆けとして現在も高い人気を誇る林原めぐみ。『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ、『らんま1/2』の早乙女らんまなど有名アニメに多数出演しているうえに、歌手としてもレコード会社と専属契約を結び、ヒットソングを連発した。その活躍ぶりは目覚ましく、彼女に憧れて活動を始めた現役声優も多い。
林原は高校卒業後に看護学校へ入学し、看護師の勉強を始める。さらに日本ナレーション演技研究所のオーディションにも合格し、声優と看護師を同時に学ぶ二足のわらじ生活を始めた。
3年間かなり厳しい生活に耐えた林原は無事に看護師の資格を取得。さらに声優としても、声優養成所在籍中に『めぞん一刻』に出演し、キャリアをスタートさせた。
『サザエさん』アナゴさん、『ガルパン』武部沙織の“中の人”の前職にも驚き!
■若本規夫
『サザエさん』のアナゴさんや『ドラゴンボールZ』のセル、『美味しんぼ』の岡星精一、さらには『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)などでナレーションを務める若本規夫。
日本の声優界を長年けん引してきた若本は、早稲田大学を卒業後、警察官として勤務していた過去を持つ。
その後別の職を経て、新聞で見かけたアテレコ声優養成所の広告を見たことをきっかけにオーディションを受け、合格。数多くの作品に出演し、テレビのナレーションも担当するようになる。その独特な声と表現力は「若本節」と称され、親しまれている。
■茅野愛衣
『ガールズアンドパンツァー』の武部沙織、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の本間芽衣子役などを演じた茅野愛衣。声優はもちろん、歌手としても活動する声優アーティストだ。
茅野は高校時代に「手に職をつけたい」「母と同じ職に就きたい」という理由で美容系の専門学校に通い、卒業後美容エステサロンに就職し、勤務している。深夜に帰宅してテレビをつけたところアニメが流れていて見るようになり、『ARIA The ANIMATION』と出会ったことをきっかけに、声優の道に進むことを決意した。
その後美容の仕事をしながら養成所に通い、2010年に声優デビュー。それからわずか1年で、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
■井上和彦
『美味しんぼ』の山岡士郎、『サイボーグ009』の島村ジョーに加え、外国映画の吹き替え、音響監督、アフレコ監督など多方面で活躍する井上和彦。
日本を代表する声優の1人といわれる井上だが、学生時代は全く声優や役者の仕事に興味がなく、プロボウラーを目指してボウリング場に就職する。ところが半年で人間不信に陥り、退職することに。
引きこもり生活を経てテレビ局で大道具として勤務した後、ボウリング場時代の同僚から誘われ声優の養成所「テレビタレントセンター」のオーディションを受けて合格。養成所では永井一郎の指導を受け、声優としての力を磨いた。