現在84歳の山本晋也監督の30年ぶりとなる最新作映画が始動し、制作支援のためのクラウドファンディングが8月5日7時から始まった。併せて山本監督の動画コメントも公開された。



【動画】現在84歳の山本晋也監督からのメッセージ

 エイズ、ハンセン病、原発放射能問題…。常に社会問題に向き合ってきた山本晋也監督が新たに選んだテーマは新型コロナウイルス問題。本作は、コロナを患ったといううわさを立てられた一軒家を舞台に集落から孤立し、差別を受ける家族が社会に立ち向かうヒューマンエンターテイメントだ。脚本は、今年『夜明けまでバス停で』でキネマ旬報ベスト・テン日本映画脚本賞などを受賞した梶原阿貴。撮影は今秋から開始される。

 2020年春。とある地方の村で60年以上暮らす永野家に、東京の大学に通う孫娘が帰省する。孫娘が持ち込んだコロナウイルスが家族に感染したといううわさが村中で広まったことから、一家全員が隔離生活を送ることになる。閉塞(へいそく)空間の中でストレスは極限に達し、そのうちおのおのの秘密やうそが露呈する。村八分にされた永野家は地域住民から受ける差別にどう立ち向かうのか―。

 動画で山本監督は「何十年かぶりに映画を撮ることになりまして、どういう脚本にしようか、どういう内容にしようか、いろいろ迷ったのですがコロナのパンデミックをテーマにしないわけにはいかないと思いました。(コロナは)したたかに生きてますよね。
第9波とか、第10波とかどんどん増えていっても死なないんだから。田舎の町ののんびりした農家家族にコロナがポンと入ってきたらどうなるのか。誰でも気にはなると思うのです。そういう映画を作るのですが、僕のテーマである“清く正しく厭(いや)らしく”。これをテーマにして映画にします。おもしろいですよ」とコメントしている。

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