宮沢りえ、亡きプロデューサー・河村光庸さんに感謝　魂受け継ぎ「演じ切ることができた」
映画『月』公開記念舞台あいさつに登壇した宮沢りえ 画像（1枚）

　俳優の宮沢りえが14日、都内で開催された映画『月』公開記念舞台あいさつに出席。宮沢は出演の決めてとして、本作の撮影が始まる直前に亡くなったプロデューサー・河村光庸さんの存在を挙げ「背中を押され続けて、演じ切ることができたなと思っています」と感謝の思いを語った。



【写真】映画『月』公開記念舞台あいさつに出席した宮沢りえ、オダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみ

　本作は、実際の障害者殺傷事件をモチーフにした辺見庸による小説『月』の実写化。深い森の奥にある重度障害者施設を舞台に、新しく働くことになった堂島洋子（宮沢）、彼女を「師匠」と呼ぶ夫の昌平（オダギリジョー）、施設職員の同僚で作家を目指す陽子（二階堂ふみ）、絵の好きな⻘年さとくん（磯村勇斗）らが織りなすドラマを描く。この日は磯村、二階堂、オダギリ、石井裕也監督も出席した。

　完成や劇場公開も危ぶまれたという本作で主演を務めた宮沢は、出演を決めた背景について「この映画を企画・プロデュースされていた河村さんが、撮影の直前にお亡くなりになられたんです。その河村さんと最初にお会いした時に、この映画についての熱意をうかがって」と回想した。

　「殺伐としたこの今の世の中。日本だけではなくて、地球上でいろんなことが起きていて、生きていくためにどうしても私自身、保身に走る自分に対してもどかしさがあります」「河村さんのお話を聞いた時に、この作品を通してそのもどかしさを乗り越えたいっていう気持ちが、すごく強く湧いて」と、出演に踏み切った決意を語った。

　また「内容的には賛否両論ある作品になるだろうなと思いましたけれども、ここから逃げたくないという気持ちが本当に強く湧いたので参加させていただいたんです」としたうえで「撮影中、河村さんという核がいなくなったあと、監督・キャスト・スタッフはやっぱり混乱しました。でも、河村さんの魂を受け継いで絶対に作品にしたいっていう、不思議な熱気に満ちていて。すごく背中を押され続けて、演じ切ることができたなと思っています」と河村プロデューサーへの感謝を語っていた。

　映画『月』は公開中。

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