岩城滉一が主演する映画『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』より、新場面写真が解禁された。

【写真】岩城滉一がバランスボールやプールに挑戦! ギャップあふれる場面写真

 本作は、人生の最期のページを意識し始めた71歳の主人公が、一歩を踏み出してさまざまな人と交流し新たな挑戦を始め、自分の第二の青春を送ろうとする、久万真路監督のオリジナル脚本で描く希望の物語。



 岩城滉一が、1997年に公開された『なにわ忠臣蔵』以来、約26年ぶりに映画で主演を務める。岩城が演じるのは、ごく普通に暮らし定年を迎えた71歳になる福山健二。認知症だった愛妻をみとり、刻々と近づく人生の最期を意識し始めていたが、自身の物忘れに不安を覚え始め、市のコミュニティークラブへ参加することを決意。さらには、ずっと苦手だった水泳に挑戦するなど、新たな一歩を踏み出していく。

 共演には、岩城演じる健二を置いて亡くなってしまう愛妻・福山佳代役に宮崎美子。そして健二が通う水泳教室の講師・岸本香里役を高月彩良が演じている。
さらに健二をいろいろなところに引っ張っていく社交的な友人・橋本勉役の田山涼成をはじめ、淵上泰史、西尾まり、三浦誠己、貫地谷しほりら実力派の面々も出演し、温かな人間賛歌の日々を演じた。

 岩城滉一は、舘ひろしらと共に組んでいたことで知られるバイクチーム「クールス」時代、突然街中でカメラマンから声をかけられ、撮影された写真が雑誌に掲載されたことで映画会社からスカウトされ、1975年『新幹線大爆破』でデビュー。同年『爆発!暴走族』で主演デビューし、以降アクション、トレンディードラマなどその時代に合わせた役柄を演じてきた。演技以外でもバイクレースやカーレースにも参戦するなど、女性のみならず男性からも憧れの「硬派でかっこいい男」を体現してきた。そんな岩城も70歳を超え、「今の自分の代表作になるような作品をやりたい」と考えていたそうだ。

 今回岩城が演じる福山健二も、妻に先立たれて一人暮らし生活の中で物覚えに不安を感じ、周囲の人や離れて暮らす家族に迷惑をかけることを申し訳なく思っている人物だ。
そうした<老い>や<衰え>を覚える男性は、岩城のこれまでのパブリックイメージとは真逆のようにも思える。しかしながら、岩城自身は「年齢に合った役を演じたい」という思いがあったそうで、「僕も瞬発力も衰えたし、目も近視や老眼で見えづらい。健二に共感するところはたくさんあります」と健二と自分の共通点を語る。

 健二は、コミュニケーション能力が高い人物ではない。体調に不安も覚えるようになってきたが、誰かに助けを求めるにも遠慮がちで不器用な人物だ。しかしながら実は共通していたのが“妻への愛”だ。


 岩城は妻・結城アンナさんとともにメディア露出の機会も多く、二人が共演したジャワカレーのCMを今も覚えている人も多いはず。愛妻家としてのイメージも強い。プロデューサーがオファーのきっかけとなったのも、アンナさんのSNSで掲載されていた夫婦で写る写真での岩城の優しい笑顔だった。

 そして、本作への出演の背中を押したのは、愛妻の一声。「『ファミリー映画が合うんじゃない?』と昔から女房が言っていたんです。家でのイメージと違う、普段演じる強面なイメージの役柄には違和感があったみたい。
家では女房は僕が怒ったところをあまり見たことがないし、娘に対してもただ甘いだけの父親なんですよね。健二は、家族が見たら“まんま”な役。だから今回の出演を喜んでくれました」

 そんな岩城だからこそ“妻亡き後の生活”を描いた本作では健二の人間像を巡って、監督と多くの話し合いが行われた。岩城の提案もあり、妻の佳代を演じる宮崎美子とのシーンが印象的に挿入され、愛し寄り添ってきた妻に先立たれるということのつらさやそこから進んでいくことの難しさと尊さが本作の根幹を形作っていった。「僕は妻がいなくなるなんて想像もしたくない。生きていかれないと思う。
でも、自分だったらこうなるんじゃないかというイメージの中で演じましたけど、健二よりも僕の方が愛妻家だと思います!(笑)」

 「銀座が大好き!」などの一見破天荒な発言もあるが、それも妻や家族への深い愛情や信頼関係があってこそ。ワイルドでダンディーなイメージだった岩城滉一の新しい一面。先日73歳を迎えた等身大の“人間・岩城滉一”に触れる作品となっている。

 映画『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』は、5月10日より全国公開。