川口春奈主演の金曜ドラマ『9ボーダー』(TBS系/毎週金曜22時)。19歳、29歳、39歳と、各年代のラストイヤー=“9ボーダー”真っ只中の3姉妹を描くヒューマンラブストーリーとなる本作は、物語の主軸となる“ボーダー世代3姉妹”、次女の大庭七苗(川口春奈)、長女の成澤六月(木南晴夏)、三女・大庭八海(畑芽育)がモヤり、焦りながら、自分の生きる道を模索していく姿を描く。
【写真】木南晴夏演じる六月との関係はどうなる?
――明るく優しい新米会計士・松嶋朔を演じるために、大切にしているルーティンはありますか?
井之脇:今回演じた朔という役は、僕の普段の性格と比べると明るくて元気なところがあるので、メイク中に周りの方と会話をしながら徐々にテンションを上げて朔モードにしてから現場に入るようにしています。
――ご自身にまつわる撮影現場のエピソードで印象深かったことは?
井之脇:第1話と第3話でマジックを披露したのですが、その練習が個人的に大変でした。マジックはどうしても一発で上手くできず、第1話は本番だけでなく念のためテスト撮影からカメラを回していたんですけど、いちばん上手くいったのが実はテスト撮影の時なんです。なおかつ屋外での撮影で風が強かったので、一瞬のタイミングのためにスタッフのみなさんが毛布で風を遮って協力してくださったことが印象に残っていますね。
――会計事務所の所長である六月役で共演されている木南さんの印象と、知られざるエピソードがあれば教えてください。
井之脇:木南さんが演じている六月って派手さのある女性だと思うんですけど、力まずにスッと馴染むように役に入られているんですよね。いい意味でお芝居をしている感がないのがすごいなと。オンとオフの切り替えはあると思うのですが、肩ひじ張っていないというか。カメラが回っていない時も変わらずにフラットでお話しやすいですし、ちゃんと普通の感覚を持っていらっしゃるところが素敵だなと思っています。
僕は料理をするのが好きで、その中でも低温調理器を使った料理が得意なんです。
――コウタロウ役の松下洸平さんからも「男同士で互いに助け合っていきたい」というお話がありました。男性陣ならではの裏話は何かありますでしょうか?
井之脇:木戸くんとは一緒にお風呂に入るシーンがあったので男同士の裸の付き合いで色々な会話ができたのが嬉しかったですね。松下さんとはこれから撮影現場でお会いできるのが楽しみなのですが、以前、飲食店でたまたまお会いしたことがあったんです。そこは歌えるお店で、松下さんはしっとり系の歌をずっと歌っていたのが印象的で…。でも先日、『9ボーダー』チームで松下さんのライブを観に行った時は、ハツラツとした歌を歌われていたのでなんだか安心しました(笑)。
――新たな一歩を踏み出した手応えを感じたエピソードはありますか?
井之脇:18歳の時に初めて自分で映画を撮りまして、ちょうど“9ボーダー”に当たる19歳の頃にその作品が「カンヌ国際映画祭」に招待されたんです。自分で飛行機や宿の手配をしたりと、初めてづくしの中で向かった現地で、同世代の監督と交わした言葉や共有した時間は刺激的で忘れられない出来事でした。僕の中でかけがえのないものとして今も心の支えになっているので、その経験が表現者としても大きな一歩でした。
――覚悟を決める前に必ずやることがあれば教えてください。
井之脇:何かを決める前に、目を閉じてゆっくり深呼吸をして「無」になることを大事にしています。例えば試験前や緊張する撮影前などによく行っているんですけど、集中するという意識に近いですね。
――役を演じる中で共感を覚えるのはどんなところでしょうか?
井之脇:朔という人柄が醸し出す「好きな人に笑っていてほしい」という部分には僕自身とても共感できました。恋愛だけではなく、友達など大切だと思う人に対しておこがましくない感じで寄り添う距離感はいいですよね。バッティングセンターのシーンで六月に打ち方を教える時、直接肩に触れるよりも、少し触れてしまってドキッとしてしまうところもかわいいですよね。
――視聴者のみなさんに向けて朔ならではのメッセージをお願いします。
井之脇:六月との展開も気になるところですが、好きな人には笑っていてほしい、穏やかな時間を一緒に過ごしてほしいと思う朔に共感しやすいと思います。恋愛面以外にも、新米会計士として仕事に悩む様子も描かれているので、彼が成長する姿をぜひ見守っていただけたら嬉しいです。
金曜ドラマ『9ボーダー』は、TBS系にて毎週金曜22時放送。