現在、ドラマ「もう一度君に、プロポーズ」に出演中の和久井映見。「そもそも竹野内豊X和久井映見主演って、いつの時代?」とか、「和久井映見が“お母さん”役じゃなく、ヒロイン?」という驚きはあったけれど、このところ、TBSは高い年齢層をターゲットとしたドラマを増やしているのだろうか。

4月期スタートのゴールデンタイム&深夜枠の連続ドラマに異変!?
実際、ご本人がこのキャスティングについて、「何かの間違いかと思った」と発言したことも、話題になっていた。

ともあれ、和久井映見の不思議なところは、嫌いだと言う人をほとんど見たことがないこと。

それどころか、バナナマン日村などは、長年「理想の女性」と言い続けているし、声にしなくとも和久井映見が好きな男性は、いまだにけっこういるだろう。

なぜなのか。やわらかな雰囲気・包容力を感じるやわらかな声を挙げる人が多いかもしれない。真面目で地味で奥ゆかしく、どことなく寂しげで、はかなげで、ちょっと不憫な印象があるところも、ポイントかもしれない。

そもそも和久井映見といえば、いまだに忘れられないという人が多いのが、サントリーの「モルツ」CM(1993年)。「うまいんだなっ、これが」のセリフが「可愛い」と大評判になり、流行語にもなった。 また、一時期は、元夫・萩原聖人と共演した「夏子の酒」や、唐沢寿明岸谷五朗らと共演した「妹よ」(ともに1994年)、知的障害者という難役を演じた「ピュア」(1996年)などと、立て続けに主演を務めていた。

また、近年では、「ちりとてちん」のちょっとおとぼけで楽観的であったかい「お母ちゃん」役の好演ぶりが印象的だった。

でも、ちょっと衝撃的だったのは、2009年に「みなさんのおかげでした」で日村が「和久井映見がずっと好き」と発言した際、その影響から、和久井映見の名前がYahoo!検索ワードで二位になっていたこと。

「あれ、みんな知らないの……?」と驚き、時の流れを感じてしまったけれど、そこで痛感したのは、良い演技をしても、雰囲気のある女優さんでも、好感度が低くなくとも、「アンチがいない」ということは、その分忘れ去られることもあるという事実。


そういえば、今回のドラマ「もう一度君に、プロポーズ」では、竹野内豊から二度目のプロポーズを受ける記憶喪失の妻を演じている和久井映見。地味なドラマながら、世間にももう一度彼女の魅力を思い出して、「バナナマン日村」化する人があらわれるかも……?(文:田幸和歌子
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