織田裕二が主演を務めるドラマ『北方謙三 水滸伝』(WOWOW)が、2026年に放送・配信されることが決定。あわせて、織田演じる宋江の初ビジュアルが解禁された。



【写真】織田裕二も驚きの大スケール『北方謙三 水滸伝』場面写真

 本作は、シリーズ累計発行部数1160万部を突破し、壮大なスケールと緻密な人間描写で圧倒的支持を誇る、巨匠・北方謙三の『水滸伝』を、日本ドラマ史上、規格外のスケールで完全映像化。腐敗した世を憂い、法に背いてでも正義を貫こうとする“はみ出し者たち”の叛逆の物語を、現代にも通じる「理不尽な権力に抗う意志」と「仲間との絆」を軸に、壮大な群像劇として描く。物語の主人公となるのは、正義を信じ、信頼で人を動かす稀代のリーダー・宋江(そうこう)

 今回公開されたのは、織田裕二演じる宋江が筆を執り、“世直し”を誓う書『替天行道(たいてんぎょうどう)』を書き記す劇中シーン。この四文字は「天に代わって正義を行う」という意味を持ち、作中では、理不尽な世に追い詰められた者たちにとって、志を掲げる旗であり、希望の光となる。全国に散らばっていた仲間たちは、この書を読み、心を震わせ、決起していく。物語が大きく動き出す“始まりの火”とも言えるこのシーンは、本作を語るうえで欠かすことのできない象徴的な場面だ。

 公開されたビジュアルでは、筆を握る宋江の眼差しが、内に秘めた覚悟と静かな熱を宿している。たった1枚のカットから、物語全体の熱が伝わってくる渾身のビジュアルに仕上がっている。

 主人公・宋江は、表向きは戸籍係として働く下級役人。しかし、腐敗した世を憂い、自ら筆を執って『替天行道』という世直しの書を記したことで、運命が動き出す。剣の達人でも、軍略に秀でた知将でもない。それでも多くの者が彼のもとに集い、命を懸けて共に戦う――それは、彼が持つ“徳”の力ゆえだ。
どんな人間も見捨てず、信じ、包み込む。宋江の生き様こそが、梁山泊という志の集団の“核”なのである。

 そんな世の中に“光を灯すカリスマ”リーダーを演じる織田は、宋江を演じるにあたり、「最も気をつけているのは、彼はどこにでもいる普通の人だということ」と語る。「精神的に強いわけでもない。悩んだり、弱味を曝け出したり…。人に寄り添う。宋江という男は、ただ人に寄り添う。今はこれだけをキーワードに戦い、演じております」と気持ちをつづった。

 織田と撮影現場で会い、会話をした原作の北方謙三は、「かなり入れ込んでいた。燃えていた。どんな宋江が見られるのか、楽しみだ」と期待を寄せている。

 ドラマ『北方謙三 水滸伝』は、WOWOWにて2026年放送・配信。


※織田裕二、北方謙三のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■主演・織田裕二

昨年12月から撮影を開始した。
凍てつく寒さ…

洞窟、
過酷な環境下での長時間に渡る撮影の中、あるシーンで突然空から降ってきた様にアイデアが湧いた。実はこのシーンをどう演じれば良いのか、直前まで考えあぐねていた。この昼も夜も分からない寒ーい洞窟での撮影は一生忘れることはないだろう。

雪山、また別の洞窟、山、川、湖と…
一体、何十県行っただろう。
車、新幹線、飛行機に乗り南へ北へ。

この作品は半年が経過してもまだ終わらない(笑)
8ヵ月かかる予定だという。

これまで40年近く役者をやってきたが、このスケールでの撮影はなかった。
どれだけ力を入れているのか、
毎度毎度、山奥に建てられる撮影隊のテントや車輌、スタッフの多さに驚かされる。
メイク、結髪、衣装を身につけるまでにかなりの時間と労力を使い、そこから撮影現場に辿り着くまでまた時間を要する。

そして主演である私ですら、この作品の一部でしかない。
なぜなら私が出演していないシーンが多数あり、そこでほかの役者たちがどう演技しているのかわからない。

全ての撮影が終わり、編集され、放送までにどんな作品になるのか、いまは想像出来ない。
こんなに時間と労力をかけた作品がどんな物になるのか、楽しみでしかない。

私が宋江という人物を演じるにあたり、最も気をつけているのは、
彼はどこにでもいる普通の人だということ。
晁蓋の様な漢らしいリーダーシップを持つわけではなく、林冲や楊志の様な武の才もなく、呉用の様な作戦軍師でもない。

精神的に強いわけでもない。
悩んだり、弱味を曝け出したり…

人に寄り添う
宋江という男は、ただ人に寄り添う

今はこれだけをキーワードに戦い、演じております。

■原作・北方謙三

 織田さんが宋江を演じる。

 あれだけの役者が衣装を纏い、言葉を発するのだ。だが、それを超えたところに“芝居”はあると思う。会話をした。かなり入れ込んでいた。燃えていた。
どんな宋江が見られるのか、楽しみだ。

 ドラマ制作陣は、むさ苦しいほど熱い。だが、あれだけの長編を作るには、それくらいの熱がなければできないだろう。俳優の演技力や存在感、監督や脚本の表現力、衣装・小道具を含めた創造力が、どう支えるか。

 これは、作家と映像制作者の“勝負”。私は今、無邪気に、圧倒される瞬間を待っている。

編集部おすすめ