4月に加入した櫻坂46の四期生が、12日に東京・有明アリーナで開催される「First Showcase」でいよいよ初ステージを飾る。オーディション合格後には、グループのメンバーとなるための“試練”となる合宿もあった。

その一部始終を記録したのが、公式YouTube動画で公開されている「四期生ドキュメンタリー『櫻坂46 四期生物語 ーいま、わたしたちに、できることー』」だ。

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■悔し涙に象徴された“背負う重圧”

 2024年8月に始まった櫻坂46の新メンバーオーディションで選ばれたのは、9人の四期生。合宿の舞台は、富士山を臨む湖のほとりにある合宿所だ。かつて、先輩の三期生も汗と涙を流した場所で、四期生はたがいに支え合い励まし合った。

 四期生の面々は限られた日数で、三期生曲「静寂の暴力」のフルサイズバージョンを完璧に習得しなければならない。ダンス経験者と未経験者が3人1組、3チームに分かれて課題に取り組む中では、純粋なスキルだけではなく、ステージで“魅せる者”としての高い表現力を求められた。

 四期生の1人、目黒陽色は「小学校のときに始めて約7年くらい」のダンス歴があると明かした。オーディション最終審査でも動きにメリハリのある激しいダンスを披露した目黒だが、合宿では「全然うまくいかないことばかりで、すごく、パニックになっちゃって…」と涙を流しながら吐露する。

 合宿を見守ったダンサーエージェント会社・INFINITYの北畑向夏花氏は「グループ全体で見ても即戦力になりうる人材ではあると思うんですけど、『静寂の暴力』という点だけで見ると、自分の持っているはずの能力をまったく活かせていない」と、目黒の力を厳しくも温かい目で評していた。

 櫻坂46のメンバーとして、誰かの心に寄り添いながら感動させる表現力を身につける。そのハードルは、はるかに高い。目黒に限らず、四期生が合宿中に何度も流した悔し涙は、メンバーの背負う重圧がいかに大きいかを物語っていた。


■内面に迫りながら長所を見出す“恩師”TAKAHIRO氏の温かさ

 INFINITYの主宰・TAKAHIRO氏は、前身の欅坂46からグループのパフォーマンスを支えてきた振付師だ。櫻坂46のファンからも“TAKAHIRO先生”と慕われるほど、グループにとって欠かせない存在である。

 合宿中、TAKAHIRO氏は1人1人の四期生と目を合わせながら向き合った。実際のパフォーマンスを受けて、松本和子には「そんなに器用ではなさそう。なんだけど、心を感じる素直さというのかな。心のやわらかさというのが、すごいあった」と寄り添う。

 さらに、「そんなに人付き合い得意なわけじゃないんだろ?」と問いかけてうなずく山田桃実には「ステージの上だったら、きっと、自分を解放できる人なんだよ」と語りかけるなど、メンバーの内面に迫りながら長所を見出すTAKAHIRO氏の言葉は優しく、温かい。

 エールを受けて、東京に戻った四期生は合宿の最終目的である「静寂の暴力」のフルサイズバージョンを9人で披露するために、新たなレッスンに取り組む。

 チームをまとめる“ダンスリーダー的存在”を担うのはメンバーの話し合いで決まった勝又春と、勝又が「2人でしませんか?」と持ちかけた浅井恋乃未だ。

 9人で力を合わせるため、合宿でTAKAHIRO氏に「私たちは何を見せたいかというのを決めてほしい。ひとつの言葉で」と熱く促され、全員で決めた四期生のモットー「団結」「圧倒」「咲き続ける」の思いを胸に。くじ引きで選ばれたセンターの佐藤愛桜を中心とした9人で「静寂の暴力」のパフォーマンスを完成させた姿は、グループの未来を明るく照らした。


 加入から約2ヵ月で、時計の針は動き出したばかり。初の四期生曲「死んだふり」で晴れやかな歌声を響かせる9人は、櫻坂46の希望だ。まもなく開催される「First Showcase」もステップに、成長を遂げていく光景を期待してやまない。(文:カネコシュウヘイ)

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