世代を超えて愛され続ける永遠の歌姫、中森明菜。不朽の名作アニメ『あらいぐまラスカル』の公式スピンオフアニメ『あらいぐま カルカル団』では、自身にとって2度目となる声優業にトライ。

東京都清瀬市が生んだ国民的VTuber“ボーカル”役として、キュートな声を響かせる。デビュー43周年を迎えた今年は、声優業だけでなく、野外ライブフェスへの参戦など精力的に活動を行い、ファンを喜ばせている彼女。アフレコ直前の中森を直撃すると、「1人でも多くの皆さんに、『ああ、楽しい時間を過ごせたな』『楽しかったな』と思っていただける日々や時間を差し上げられるような存在でいられたら」と今後の展望までを語った。

【写真】”ラスカル”と並んでポーズを決める中森明菜

◆声優オファーを受けたワケ

 『あらいぐま カルカル団』は、多摩市を舞台に『秘密結社 カルカル団』という組織で働くアカカル(CV.榎木淳弥)、ロジカル(CV.八代拓)、サブカル(CV.小野賢章)、コミカル(CV.阿座上洋平)、ミドル(CV.津田健次郎)らが、世界征服を目標に掲げながらボスの指令を日々遂行しようとする姿を描くショートアニメ。中森が演じるボーカルは、キュートなルックスと歌声でファンを魅了するアイドルキャラクターとなり、6月26日に放送される第13話で初登場。歌声を披露するシーンもあるという。

 1992年に公開された『走れメロス』でも声優を務めた経験がある中森だが、今回はどのような経緯で抜擢されたのか。『あらいぐま カルカル団』の中田博也プロデューサーによると、同作では「毎話、どういった驚きを作れるかを追求している」そうで、その中で「現代を象徴するVTuberというキャラクターを、昭和を代表するアイドルの中森明菜さんに演じていただきたいと考えました。カッコよくて、歌声もミステリアスな中森さんに、キュートなぶりっ子VTuber役を演じていただけたら、驚きを作れますし、面白いのではないかと考え、オファーさせていただきました」とのこと。今年の1月頃にダメ元でオファーをしたところ、中森が快諾。中田プロデューサーは「お引き受けが決まる前から、中森さんに演じていただくことを想定してシナリオを制作し、中森さんに台本をお見せしてご判断いただきました」と裏話を明かす。

 オファーについて振り返った中森は、「とてもかわいいキャラクターだったので、うれしかったです」とボーカル役を思い浮かべながら笑顔。
自身が出演することで作品に興味を持ってくれる人がいてくれたら「うれしいな、光栄だなと思った」といい、「大喜びでお受けさせていただきました」と胸が弾むような仕事が舞い込んで、即OKの返事をしたと話す。さらに「みんなが楽しくなるような感じで、『わーっ!』というように演じられたらいいなと思っています」とさっそくにぎやかな声で意気込みを口にしながら、「歌声を披露するシーンもちょっとだけあります」と告白。代表曲のひとつである『飾りじゃないのよ涙は』を高めのかわいらしい声で歌いながら、「こういった、いつもとは違った感じになると思います」と楽しそうに、サービス精神あふれる素顔を見せる。

◆豪華声優陣と一緒に緊張のアフレコ!

 同作ではレギュラー声優が毎回ジャージを着用してアフレコをするのが恒例となっているが、中森はこの日、専用の特別仕様のジャージに身を包んで豪華声優陣と一緒にアフレコに臨むという。

 アフレコ場面をテレビなどで見たことがあると切り出した中森は、「その場面に出ていらっしゃる声優さんが横並びでマイク前に並んでいらっしゃって、セリフの掛け合いをされていますよね。私は早口が苦手なものですから、別録りでやるのかなと甘えたことを考えてしまっていたんですが、先ほど『みんなと並んでやるんだよ』と聞いて。汗びっしょりです。緊張します」と苦笑い。「何度もNGを出してしまいそうで、ご迷惑になってしまうのではないか、足を引っ張ってしまうのではないかと申し訳ない気持ちでいっぱいです」と恐縮しつつ、「以前から番組をご覧になられているファンの皆さんは、私が参加させていただくということになって、びっくりされている方、がっかりされている方もいらっしゃるかもしれません。なるたけ皆さんのご期待に沿えるように、頑張ってアフレコさせていだきます。がっかりさせないように頑張ります」と熱意を込める。

 『あらいぐまラスカル』といえば、スターリング少年とラスカルが一緒に過ごした1年間の物語を描いたアニメーションで、ラスカルの愛らしい仕草が人々を魅了し、1977年の放送からおよそ半世紀たった今も多くのファンに支えられている人気作品だ。
「ラスカルが手を洗うシーンがとても好き」と中森もラスカルが大好きだったそうで、さらに「『アルプスの少女ハイジ』や『母をたずねて三千里』、『サザエさん』も好きでした」と幼少期を回顧。

◆中森明菜が明かした、これからの夢

 『あらいぐまラスカル』が今なお愛され続けていることに、「すばらしいなと思います」と惚れ惚れとした中森だが、大分県で開催された野外フェス『ジゴロック2025 ~大分“地獄極楽”ROCK FESTIVAL~』や、デビュー43周年記念の写真展『43rd ANNIVERSARY AKINA NAKAMORI PHOTO EXHIBITION』にも幅広い世代が駆けつけるなど、彼女の歌声や存在もあらゆる人々の心を掴んでいる。「自分としては、よくぞこうやっていさせていただいているなと。皆さんの前でこうしてインタビューをさせていただいているだけでも、奇跡のように感じています」と謙虚に語る。

 『秘密結社 カルカル団』が世界征服を目標に掲げていることにちなみ、「今後の目標、展望は?」と聞いてみると、中森は「1人でも多くの皆さんに、『ああ、楽しい時間を過ごせたな』『楽しかったな』と思っていただける日々や時間を差し上げられるような存在でいられたら。そうやって行けるところまで行くのが目標というか、自分のなかではそれが私のあるべき姿のように感じています」と使命を握りしめて、にっこり。歌手はもちろん、声優、俳優などジャンルは問わず、「皆さんがご希望をされて、それに合わせられるのであればなんでもやりたいです」とあたたかく、愛情深い笑顔で未来を見つめていた。

 『あらいぐま カルカル団』は、読売テレビにて毎週木曜24時54分放送、BS日テレにて毎週土曜23時28分放送。

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