日向坂46の二期生・富田鈴花が27日、14thシングル「Love yourself!」の発売記念配信ミニライブ内で卒業セレモニーを開催した。

【写真】手紙を読み上げる富田鈴花 同期の小坂菜緒は涙

 ミニライブではシングル収録の全曲を披露したのち、富田のこれまでの歩みをたどるセレモニーがスタート。

けやき坂46(通称ひらがなけやき)時代のユニット曲「線香花火が消えるまで」をオリジナルメンバーである金村美玖、松田好花と3名で披露し、続いて、けやき坂46二期生にとって初めての楽曲「半分の記憶」を現二期生メンバー5名で披露した。

 「“線香花火が消えるまで”を2番始まりで披露したので、配信での反応が気になります」と語るなど、終始リラックスした雰囲気のMCも交えながら進行。「次の曲は、この曲のMV撮影に行く車内で聴いてすごい涙した記憶があって…いつか自分がセンターで表現してみたいなって思った曲だったので、それを今日叶えられたらなと思います」と語り、自身がセンターに立ち、「月と星が踊るMidnight」を二期生~四期生で披露した。

 ここで、自身の名前の由来にもなっている鈴鹿サーキットで撮影されたインタビューVTRへ。約8年間の活動を振り返り、最後に応援団の恰好で日向坂46にエールを送る様子が流れると、ゴールドのドレスに着替えた富田が1人ステージに登場。思いをしたためた手紙を読み上げる。

「改めまして、日向坂46の富田鈴花です。伝えたい気持ちがたくさんあって、まとまらなくって、手紙で読ませていただきます。

あるとき、卒業を決めた先輩から『卒業をした後のことは考えているの?』そう聞かれたことがありました。その時私はなにも思い浮かばなくって、今が楽しかったらそれでいい、今が今であることが幸せだと感じていました。でも少し時間が経って、私にとって大きな人生の転機が訪れました。

いつの日からか、自分のやりたいことがはっきりと見えるようになって、でもそれは卒業を考えることとはまた違うことなのかな、と思いつつも“卒業”という言葉がぐるぐると脳内を巡るような時間が続き、葛藤していました。
だけどやっぱり心の底から『やりたい!』というこの尊い気持ちに嘘はつきたくない。そう思い、1年前くらいから卒業をさせていただきたいと相談をさせていただきました。

未来が見えていない中で一歩を踏み出すことはとてもとても怖くて、今でもちょっと怖くて。でも例えそこが暗闇でも、今の私になら乗り越えられると、そう思い決断をしました。ファンの方には突然のことのように感じた方がほとんどだと思います。けれど、私が長い間たくさん悩んで決めた結果です。アイドルを始めた頃、自分が自分であることに嫌気が差して、誰かになりたいなと強く願ってしまった日もありました。でもそんな自分がもがきながらも愚直に取り組む姿をきっと誰かが絶対に見てくれていました。

私は努力をしている過程が一番好きです。夢に向かって頑張っていることに生きがいを感じています。たとえ叶うことのない夢だったとしてもきっとその過程もまた違う夢につながるとそう思っています。今日、この日、生まれ変わっても自分になりたいなって、この日向坂にいる期間を通して思うことができています。
誰かをうらやむ時間よりも、自分の中身を磨く時間をどうか大切にしてあげてください。その時間があなたという人間を作り上げてくれると思います。

こんな頑固でわがままな私だったけど、三期生・四期生・五期生のみんなはいつでも『鈴花さん!』と無邪気に声をかけてくれていました。その表情や声色を思い出してはすごくうれしい気持ちになります。ずっと一人でいる時もみんなのその声を脳内に反芻させて、素敵な後輩が沢山いるなと感じています。後輩を迎えることがどういうことか、みんなに対等で平等でありたいという気持ちが強すぎて、関わり方ですごく悩んだことがあったんですけれども、今はほんとにみんながかわいい妹です。リスペクトをもってどんな時も関わってくれるみんなに対してとっても素敵な運が訪れることを強く強くこれからもずっと願っています。

卒業して旅立っていった同期、そして今グループを支えてくれている同期、日向坂46にどんな波があってもずっとみんなで守り続けてきたね。芯がしっかりしていて、かつ他人を尊重できて、みんななんとなく自分を大切にすることをおろそかにしているようなことがあるくらい、グループのことをずっとずっと考えてくれていました。グループの代表としてみんなが一人で頑張る姿を見て、日向坂にはこの子がいるから大丈夫、そう思えていました。とてもとても尊敬できる9人です。どんな時も常に殻を破りまくって、日向坂の可能性を広げてくれた誇らしい同期です。
生まれ変わってもまた二期生がいいなと思います。

そして、お父さん、お母さん。今観てくれていますか? 今思い返してみると、どんな遠い場所でもおひさまと同じように会いに来てくれていたね。広島や福岡、大阪、遠いところは北海道まで、鈴鹿サーキットにも来てくれて、海外に行っても会いに来てくれるんじゃないかと思うくらいでした。お仕事が今より落ち着いていた時期、生きている何か全てがお仕事に繋がったらいいねと、どんなに疲れていても一緒にブログのネタを探すために出かけてくれていたね。きっとお母さんがアイドルをやっていても私と同じような活動をしている気がします。カラオケで歌っているお母さんを好きになったお父さん。私の活躍の願掛けで、柿ピーを2年我慢してくれていたね。レギュラーを務めていた番組をやりきったら解禁して、と言っていたけど好きなことを我慢してでも誰かの幸せを願っているお父さんの娘でいれて私はとても幸せですし誇りに思います。

そしてお仕事で関わって下さったスタッフの皆様。未熟なところばかりでしたが、力いっぱいで頑張る姿を何度も何度も認めてくださり常に愛を持って接してくださっていました。その愛に全力でお応えできていましたか? 日向坂46を見つけてくださり、そして育ててくださり、ありがとうございました。


そして、身近なサポートをしてくださるマネージャーさん、スタッフの皆様。今日こういった特殊な形ではありながらもどうか少しでもいいものを作ろうと皆様の愛を今日この日までたくさん受け取らせていただきました。皆様と作る日向坂が楽しくて、学ぶことばっかりでした。今ここにはいないマネージャーさん、そして空から見守ってくれているスタッフさん、皆さんの愛から生まれるサポートで日向坂46は今日も輝くことができています。本当にありがとうございました。

そして、ファンの皆さん。今日ここに至るまでにいろんな気持ちにさせてしまったと思います。私の人生は私だけものではなく、たくさんの人の人生を背負っていたんだなと、改めて気づかされました。卒業発表をしてから1ヵ月、皆様がこんなに私を思ってくれていたこと、知らないことばっかりでした。うれしくて、でもちょっと切なくて、失ってから気付くんじゃ遅いんだと思います。だから、思っているうちに今その思いを大好きな人に大切な人に隣にいる人に伝えてあげてください。私もその声で勇気や希望を何度もいただきました。
一緒に笑って泣いてくれて、富田鈴花というアイドルの人生を共に歩んでくださり、本当にありがとうございました」。

 セレモニー終盤には、二期生から五期生までのメンバーがそれぞれ花を持って登場。メンバーの思いを受けた富田は、「この日があったから、これから何十年も白米を食べて生きていけます!」とユーモアも交えてメッセージを送り、会場を和ませた。

 最後は「君に話しておきたいこと」を全員で歌唱。キャプテン・高橋未来虹が「鈴花さんは日向坂になって幸せでしたか?」と問いかけると、富田は涙をにじませながら「幸せ以外の何ものでもありません!」と応え、セレモニーを締めくくった。

※高橋未来虹の高は正式には「はしごだか」

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