数々のドラマに出演し、舞台『甘美なる誘拐』や『恋ひ付喪神ひら』では主演を務めた藤井直樹。ドラマ『年下彼氏』シリーズやリーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』主演など活躍が目覚ましい関西ジュニアの岡崎彪太郎。
【写真】カッコよすぎ! 藤井直樹&岡﨑彪太郎、インタビュー撮りおろしショット
◆野球未経験の2人 出演決定に驚き
舞台『あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~』は、コロナ禍で甲子園出場への夢を絶たれた令和の青年が、思いがけず昭和17年にタイムスリップし、当時の球児たちとともに苦境を乗り越えていく姿を描き出したドラマ。NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』や映画『パッチギ!』、『トリリオンゲーム』などで知られる羽原大介が書き下ろし、第二次世界大戦の終戦から80年が経った今、実際に開催された野球大会を題材に人生を新たに生き直そうとする人々の物語を綴る。藤井が令和からタイムスリップする大学生・森下令児、岡崎が昭和17年の野球名門校の野球部主将・津田昭夫を演じる。
――まずは、今回の出演が決まり、最初に台本を読んだときの率直な感想を教えてください。
藤井:僕は全く野球経験もなく、バラエティー番組ではボールをまっすぐ投げることすらできないくらいなので(笑)、出演が決まったときは驚きました。でも、今ここで野球というものに出会えるというのもすてきだなと思います。今回、令児を演じることで、たくさんの人と出会い、野球を知り、戦争を知り、どんな刺激を受けるのか。今からすごくワクワクしています。
――野球はあまり身近ではなかったということですが、台本を読んで、共感したり、感情移入するところはありましたか?
藤井:挫折する経験は野球に限らず誰しもあると思うので、そうしたところは共感できます。野球がテーマの物語ではありますが、観ている方が頑張っているものに置き換えていただければ、とても感情移入できる作品だと思います。
――岡崎さんはいかがですか?
岡崎:僕も、お話を聞いたときはすごく驚きました。(藤井と)二人で出演するということもそうですし、5都市も回らせていただけるということも、驚いたのと同時にうれしかったです。今回は、僕たち以外にもとても豪華な役者さんたちとご一緒させていただけるので、吸収できることもたくさんあると思いますし、たくさんのお客さんに観ていただけるだろうと思うとそれもうれしいです。もちろん責任も感じますが、頑張りたい、やりたいと思いました。台本を読む前は、戦争のお話を演じるのは難しそうだなと思っていたのですが、読み進めていったらコロナ禍を経験した今の自分と重なる部分も多かったので、共感できて演じやすいかもしれないと思います。すごくすてきな本だと思いました。
――出演が決まったときには、髪の毛を切ることも決まっていたそうですね。
岡崎:そうなんです。心の準備ができないうちに決まっていました(笑)。撮影の前日にやっと切りに行ったのですが、切られていく髪を見ながら「僕の何年か分が…」とちょっと思いました(笑)。
――撮影を終えて今は少し伸びてきましたが、また公演に向けて短くするんですか?
岡崎:そうですね。切ります。
藤井:うん、洗いやすそう。
岡崎:それまではカラーもしていたので、プリンになってないかも気になっていたんですが、今はそれもないのですごく楽です。メリットばかり見つかってきて、意外といいかもしれないと思っています、今。
◆初共演の藤井直樹&岡崎彪太郎、お互いの印象は?
――お二人は初共演となりますが、今回の共演での楽しみを教えてください。
藤井:こたちゃん(岡崎)はいつも優しいイメージがあるけど、その裏にどんな一面が隠されているんだろう? ……変わらず優しいんだろうな、きっと(笑)。でも、稽古を通して新しい一面を見つけていきたいです。
岡崎:(藤井は)人当たりが良くて、誰とでも仲良くできる印象です。人懐っこく、すぐになじめるタイプの人だと思うので、僕も安心して話しかけられると思います。製作発表では、質問にもすぐに答えていたので、その瞬発力もすごいなと思いましたし、すでに頼りにしています。
藤井:僕もあまり製作発表で話すという経験はないから、すごく緊張してたよ(笑)。
岡崎:あはは(笑)。それは感じました。
――では、今の時点でご自身の役をどう捉えて、どのように演じようと考えていますか?
藤井:令児は令和の青年なので、僕と近い境遇だと思います。コロナ禍は経験したけれども戦争については知らない。そうしたところも素直に演じたいと思いますが、稽古期間を通していろいろな人に触れて、どんな感情になるのか作っていけたらと思っています。
岡崎:僕は昭和を生きる昭夫という役です。周りにも当時を知る人はいませんし、自分自身とは全く性格が違うキャラクターなので、想像しながら作っていきたいと思います。リンクした部分から自分と津田昭夫を紐付けていけたらと思います。
――どんなところが岡崎さんと違うのですか?
岡崎:昭夫は、野球部の主将でまとめ役ですが、僕はまとめ役ではないので。リーダーはやっていましたが(笑)。
――今回、お二人は甲子園を目指す青年という役柄ですが、お芝居と並行して野球の練習も行われるのですか?
岡崎:元プロ野球の今成選手に教えていただけると聞いています。
藤井:きっとかなり本格的になるのではないかなと思います。野球経験はないですが、今から練習がめちゃくちゃ楽しみです。なかなか20代になってから野球を始めるという機会はないと思うので。
岡崎:僕もキャッチボールくらいしか経験がないですが、テニスをやっていたのでできなくはないと思います。打ったら当たりはするんじゃないかなと思いますし、グローブにボールがバーンとハマる感覚が好きなので、早く練習したいです!
――野球にまつわる思い出はありますか?
藤井:僕が応援していた高校が甲子園に行きました! 当時はすでに芸能活動をしていて、ちょうどコンサートの期間とかぶってしまったので応援に行くことはできませんでしたが、今回は、甲子園を目指すという役柄で僕が応援される側になるのでそれもワクワクしています。
岡崎:僕が高校生のとき、クラスの半分くらいの男子が野球部でした。休憩時間に、教室でボールを投げるふりをしていたら、野球部のクラスメートに「そんなフォームちゃうで」と言われたことがあって。それ以来、絶対に人前で投げるふりをしないようになりました(笑)。そのクラスメートとは一緒にバッティングセンターに行ったこともあり、「こうやったら当たる」というコツも教えてもらったので、今回、それが生かせたらいいなと思います。
◆それぞれの地元での公演も! 案内してほしい場所は?
――今回の舞台はお二人にとっても挑戦となる作品だと思います。事務所の先輩には舞台でも活躍されている方がたくさんいらっしゃいますが、お二人の憧れの人を教えてください。
藤井: King & Princeの高橋海人くんです。海人くんは今もダンスがすごく上手なのに、もっともっとレベルを上げるために頑張っている姿を見て改めてすごいなと思いました。ダンスで新しい道を切り拓いていますが、それだけでなく、モデルや俳優業でも活躍されていて、かっこいいなといつも思っています。
――高橋さんからのアドバイスで印象に残っていることはありますか?
藤井:たくさんアドバイスをいただきましたが、ダンスのことでいうと強弱をつけるということです。
――岡崎さんはいかがですか。
岡崎:僕は先日、室龍太くんが出演されていた舞台を観劇させていただき、そのときにあいさつをしに行って「舞台をやるにあたって勉強で来させていただきました」と言ったら、「観に行くよ、日程教えて」と連絡先を交換してくれたんです。すごく忙しいのに、僕と写真も撮ってくれて、かっこいいなと思いました。憧れます。
――8月に東京公演、9月に大阪公演が行われます。東京は藤井さん、大阪は岡崎さんの地元ですが、それぞれの公演で楽しみにしていることやお互いに地元で案内したいところを教えてください。
岡崎:東京では、ディズニーランドに連れていってもらう約束を取り付けたので、楽しみです。幼稚園以来、行っていないんで。
藤井:連れて行きます(笑)。今はきっと全然違うと思うよ。
岡崎:僕、ジェットコースター乗れないです。
藤井:OK。全然、大丈夫。任せてください(笑)。
岡崎:やったぁ!
藤井:大阪は…そうしたら、ユニバ(USJ)かな?
岡崎:そうですね。
藤井:中学の修学旅行以来行ってないから、10年ぶりくらいになるかな。ハリー・ポッターのエリアができて、それほど経っていない時期だった気がする。
岡崎:スーパー・ニンテンドー・ワールドには行ってない?
藤井:行ってない!
岡崎:じゃあ、ユニバに行きます。
――では、もしお二人がタイムスリップできるとしたら、どの時代に行って、どんなことをしたいですか?
藤井:僕は過去に行って、メガロドンに会いたいです。メガロドンかっこいいですよね(笑)。恐竜もそうですが、本当にいたのか信じられないので、出会ってみたいです。でも、食べられたらどうしよう…戻ってこられないかもしれない(笑)。
岡崎:実際はどんな色をしていたのかも気になりますよね。僕は江戸時代に行ってみたいですね。今の日本とはいろいろなところが違うと思うので、今住んでいる街がどんな感じだったんだろうと気になります。街を探索したいですね。
――2025年も半分過ぎましたが、下半期はどんなことに挑戦していきたいですか?
藤井:今、挑戦してみたいのは、声の仕事です。僕は特徴的な声をしているので、今まではそれがあまり好きじゃなかったんですが、グループで歌っていたときに、井ノ原(快彦)さんが「藤井の声はすぐに分かっていいね。特徴があって個性的でいい」と褒めてくださって。その一言に勇気をもらい、これも一つの武器だと思えるようになりました。なので、もっとこの声を生かせるように、声の仕事にも挑戦していけたらいいなと思っています。
岡崎:僕は、この舞台の上演に合わせて、また髪の毛を切るので、伸ばしている期間に今までやったことがない髪色にしてみようかなと思います。せっかくなら個性を出したビジュアルをやっておこうかなと思って。例えば、赤とか青とかシルバーとか! ツンツンした髪型にしてみたいです。
(取材・文:嶋田真己 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc])
舞台『あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~』は、8月23日~31日に東京・サンシャイン劇場、9月6日~14日に大阪・大阪松竹座、9月20日に石川・金沢市文化ホール、9月23日に広島・広島国際会場フェニックスホール、9月26日~28日に愛知・御園座にて上演。
※岡崎彪太郎の「崎」は「たつさき」が正式表記
※高橋海人の「高」は「はしごだか」が正式表記