細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』がヴェネチア国際映画祭の【アウト・オブ・コンペティション部門】に選出。細田監督作品としては初のヴェネチア国際映画祭選出となる。
また、トロント国際映画祭【スペシャル・プレゼンテーション部門】にも選出された。
【写真】芦田愛菜が主人公・スカーレット、岡田将生が心優しい現代の日本人看護師・聖に アフレコの様子
アニメーション映画監督・細田守の最新作で描くテーマは、“生きる”。主人公の王女・スカーレットが父の復讐に失敗するも、“死者の国”で再び、宿敵に復讐を果たそうとする物語だ。主人公・スカーレットの声を演じるのは、芦田愛菜。そして芦田演じるスカーレットと共に旅をする現代の日本人看護師・聖(ひじり)を岡田将生が演じる。
現地時間8月27日から9月6日の11日間に渡って開催される、第82回ヴェネチア国際映画祭の公式ラインナップ記者会見にて、本作が【アウト・オブ・コンペティション部門】に選出されたことが発表された。
【アウト・オブ・コンペティション部門】は、コンペティション部門に並ぶ、公式部門の1つであり、世界的な名匠や話題作、ハリウッドの大作映画などを特別上映する部門。賞を競うのではなく、招待作品として上映され、映画祭を彩る花形的存在でもある。
昨年は『ROMA/ローマ』で金獅子賞を受賞したアルフォンソ・キュアロン監督の『ディスクレーマー 夏の沈黙』や栄誉金獅子賞も受賞したティム・バートン監督の『ビートルジュース ビートルジュース』、日本からは、『HANA‐BI』で金獅子賞、『座頭市』で監督賞(銀獅子賞)を受賞した北野武監督の最新作『Broken Rage』、『スパイの妻』で監督賞(銀獅子賞)を受賞した黒沢清監督のスリラー『Cloud クラウド』も選出されており、今作も世界からの期待値の高さが伺える。
また、アニメーション作品では過去に、宮崎駿監督が『ハウルの動く城』、『崖の上のポニョ』、『風立ちぬ』が、同映画祭に選出されており、2005年の第62回には、宮崎駿監督が日本人で初となる栄誉金獅子賞が贈られるなど、アニメーションへの注目度も高い映画祭だ。
初のヴェネチア国際映画祭となる細田監督は、今回の選出に対し、「『果てしなきスカーレット』が栄えある第82回ヴェネチア国際映画祭に招待されたことを大変光栄に思います。いま、世界中で悲劇的な衝突を目の当たりにする中、愛を見つけ、共に手を取り合い生きることが、私たちの未来を肯定することに繋がると信じて、この新しい作品を全世界の皆さんに届けたいと思っています」とコメント。
監督は、会場となるイタリア・ヴェネチアに渡り、映画祭に出席する予定だ。
現地時間9月4日から14日までの11日間に渡って開催される、第50回トロント国際映画祭(TIFF)にて、『果てしなきスカーレット』が【スペシャル・プレゼンテーション部門】への選出が決定。同映画祭にコンペティション部門はありませんが、ピープルズ・チョイス・アワードと呼ばれる観客賞があり、過去には、『ラ・ラ・ランド』、『スリー・ビルボード』などが受賞。日本映画では、2003年に北野武監督の『座頭市』が同賞を受賞しており、今後の賞レースの行方を占う重要な映画祭として知られている。
近年では、宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が、日本映画およびアニメーション映画初のオープニング作品として選出。その後、第96回アカデミー賞の長編アニメーション映画賞を再び受賞。(宮崎作品としては、過去に『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『風立ちぬ』が選出され、『千と千尋の神隠し』はその後、第75回アカデミー賞で長編アニメーション映画賞を受賞)日本が誇るアニメーションが、この映画祭を皮切りに、世界へ大きく羽ばたいている。
映画『果てしなきスカーレット』は、11月21日公開。
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