暑い夏の始まりとともに続々とスタートを切っている2025年夏ドラマの数々。クランクイン!では先日、「楽しみな2025年夏ドラマ」アンケートを実施し、トップ10を発表した。
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■なにわ・藤原丈一郎の地上波連ドラ初主演『ロンダリング』
「楽しみな夏ドラマ」ランキング第3位は、なにわ男子・藤原丈一郎が主演する『ロンダリング』(カンテレ・フジテレビ/毎週木曜24時5分)だった。
本作は、“死者の声が聞こえる”という役に立たない特殊能力を持つ男・緋山鋭介(藤原)が、嫌々ながらも社会の闇に足を踏み入れ、非業の死を遂げた人々の人生に寄り添い奮闘する社会派ミステリー。社会から切り捨てられた人間たちの生き様を描く。緋山のお世話係兼相棒の蒼沢夏凜役を菅井友香が、緋山に事故物件のロンダリング(洗浄)を依頼する不動産会社社長・天海吾郎役を大谷亮平が演じる。
地上波連ドラ初主演となる本作で藤原が演じるのは、俳優としての夢を追いかけて大阪から上京してきた緋山鋭介。第1話では、“死者の声が聞こえる”という鋭介本人にとっては今まで全く役に立ってこなかった能力を不動産会社社長・天海(大谷)に買われ、原因不明の心霊現象が起きるとされる事故物件に一定期間住む「リリーバー」を任されることに。
本来ならウン十万の高級物件に格安どころかタダで住め、おまけに報酬7万円という額につられ、渋々承諾してしまった鋭介。お金を受け取った途端、それまで丁寧だった天海が急にタメ口になり「言っとくが1日2日でトンズラかこうと思うなよ」「金を受け取った以上、お前は客でなくバイトだ」とドスを利かせて鋭介に凄むシーンに、幽霊でなく人間の怖さを思い知る。
鋭介は、ベランダから飛び降りて死んだ前の入居女性の“声”を聞くことで、自殺として処理された死が殺人事件であったことを突き止め、初めて自分の能力が役に立ったことに対して、やりがいを感じるのだった。
そんな第1話では、鋭介が事件を調べる過程でスーツでビシッと決めた刑事に変装するシーンがあり、今後も各話で藤原のさまざまな変装が楽しめそうだ。
また終盤では、藤原との直接の共演はなかったが夏凜(菅井友香)や、なにわ男子と同じSTARTO ENTERTAINMENT所属のグループ、B&ZAIのメンバー、橋本涼演じる謎の男P.J.も登場。
■高橋海人&中村倫也がバディ演じる『DOPE 麻薬取締部特捜課』
「楽しみな夏ドラマ」ランキング第2位に入ったのは、King & Prince・高橋海人(「高」は正式には「はしごだか」)と中村倫也がダブル主演する『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系/毎週金曜22時)だった。
本作は、木崎ちあきが手掛けた同名小説を原作・原案に、謎に包まれた新型ドラッグ「DOPE」がはびこる近未来の日本で、正反対のバディがDOPEによって巻き起こる不可解な事件の解決に挑んでいく麻取アクション・エンターテインメント。高橋演じる新人麻薬取締官・才木優人と中村演じる型破りな不真面目教育係・陣内鉄平の相性最悪な2人がバディを組むことで徐々に影響し合い、変化していく熱き人間ドラマが、本格アクションシーン満載で繰り広げられる。
第1話では、“未来予知”の異能力を持つ新人麻薬取締官の優人(高橋)が、異能力者集団で構成された麻薬取締部特殊捜査課、通称「特捜課」へとスカウトされ、考え方が正反対の中村演じる教育係・陣内鉄平とぶつかりながら、DOPE犯罪解決へと身を投じていく姿が描かれる。
異なるさまざまな能力者集団が事件を解決する、という中2心をくすぐられる設定もさることながら、第1話では、中村ファン歓喜のかっこいいシーンがてんこ盛り! 冒頭では早速、高層ビルの屋上でスナイパーライフルを構え、鋭い表情で放った銃弾は遥か遠くのターゲットを見事狙撃。その後の立てこもり事件では、DOPEでキマった犯人が出す火の玉を涼しい顔をしながら寸前のところで回避し、犯人をあっさりと処刑する。
また本作では、「特捜課」メンバーの職務外の家族らと過ごす場面も描かれており、DOPE中毒の犯罪者には冷酷に振る舞う陣内が、愛妻の前でデレデレになるギャップも見どころだ。
本作の黒幕のような存在として登場する井浦新だが、一方で冒頭から中村演じる陣内と親しげに談笑するシーンが描かれており、2人の関係性、また陣内が、もう1人の主人公・優人にとって本当に信じていいバディなのかどうかもまだ不確かだ。謎が謎を呼び、第2話が否が応でも見たくなる第1話となっている。
■松本潤が「武器は問診」の医師を演じる日曜劇場『19番目のカルテ』
「楽しみな夏ドラマ」ランキング第1位に輝いたのは、松本潤が主演する日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系/毎週日曜21時)だった。
本作は、19番目の新領域である総合診療科の医師・徳重晃(松本)が、「問診」により患者と向き合い、時には患者の話に隠されたうそを見抜きながら、病気を診るだけでなく、心や生活背景をもとに患者にとっての最善を見つけ出していく姿を描く新しいヒューマン医療エンターテインメント。
第1話は、舞台となる魚虎総合病院に主人公・晃が赴任してくるところから始まる。院内でも導入の必要性に賛否が真っ二つに分かれていた総合診療科だが、晃は病院に到着して早々、足の骨折で入院していたのに突然苦しみだした患者(六平直政)について、些細な兆候や、聞き出した情報から、それが骨折とは全く別の「心筋梗塞」であったことを突き止める。この時点で、本作が「患者の真の病因を突き止める」という医療ミステリーの側面があることが提示される。
そんな第1話でメインのゲストとなるのは、仲里依紗演じるデザイナーの女性。この半年ほど、ときおり全身をガラスで刺されるかのような激痛に見舞われていたものの、どこの病院でも原因を突き止めてもらえずに絶望にかられていた彼女が、晃によって診断を下され、苦しみを分かってもらえたこと、不安から開放されたことからボロボロと流す涙は、第1話のハイライトとなっている。
そのほかも、ドローンによるダイナミックな空撮など、日曜劇場ブランドのぜいたくな画作りは健在。医師として自信を失いかけていたが晃との出会いをきっかけに変わる兆しがある整形外科医の滝野みずき(小芝風花)や、総合診療科そのものに否定的な外科医・東郷康二郎(新田真剣佑)など、一癖も二癖もある同僚の医師たちともどういったストーリーを描くのか。楽しみになる第1話となっている。
『ロンダリング』はカンテレ・フジテレビにて毎週木曜24時5分、『DOPE 麻薬取締部特捜課』はTBS系にて毎週金曜22時、『19番目のカルテ』はTBS系にて毎週日曜21時放送。