9年ぶりとなる日曜劇場への出演が発表されるとSNSで大反響が巻き起こった俳優の新田真剣佑。好調なスタートを切った日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系/毎週日曜21時)では医師役に初挑戦し新たな一面を見せる。

今回クランクイン!では新田にインタビューを実施し、本作で演じる東郷康二郎への思いや、座長を務める松本潤とのエピソードなどを聞いた。

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◆演じるキャラクターとの共通点は「厳格な父親がいる(笑)」

 本作は、病気を診るだけでなく、心や生活背景をもとに患者にとっての最善を見つけ出し、生き方そのものに手を差し伸べる19番目の新領域・総合診療医を描く新しいヒューマン医療エンターテインメント。

 魚虎総合病院に新設された総合診療科に赴任してくる総合診療医・徳重晃を大河ドラマ『どうする家康』以来のドラマ主演となる松本潤が演じ、小芝風花、新田真剣佑、木村佳乃、田中泯ら実力派キャストが顔をそろえる注目作だ。原作は富士屋カツヒトによる連載漫画「19番目のカルテ 徳重晃の問診」(ゼノンコミックス/コアミックス)で、脚本は、『コウノドリ』シリーズ(TBS系)の坪田文が手掛ける。

 新田が演じる東郷康二郎は、魚虎総合病院の外科部長の息子で、康二郎自身も外科医。若くして数々の手術をこなし、その確かな腕と冷静な判断力は病院内でも一目置かれる存在だ。常に心情に流されることなく合理的に物事に対処する康二郎は、時間がかかってでも患者にとっての最善を見つけようとする徳重とは真逆の考えの持ち主でもある。

――今回出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

新田:久しぶりの日曜劇場(2016年『仰げば尊し』以来)、初めての医師役ということでとても楽しみでした。オペのシーンもやったことがなく、また新しいことに挑戦できるなと思いながら台本を読ませていただきました。とにかく心が温まる内容で、観終わった後にきっと心が優しくなる物語だなと感じました。

――演じられる東郷康二郎はどんなキャラクターと捉えられましたか?

新田:口数が少なく感情をあまり表に出さない外科医です。主演の松本潤さんが演じられる徳重とは正反対な人物ですね。
徳重は患者さんと心で会話をして、病気のことをちゃんと理解して納得してもらった上で決断をしてもらう方針。僕が演じる康二郎はデータと効率を重視していて、「これしか答えがないので早く対処しましょう」という考え方。徳重とはぶつかることもある役どころです。

そういう真逆な2人なのですが、実は「患者さんを治したい」というゴールは一緒なんです。ただルートが違って考え方も違う。康二郎は父親(池田成志)が自分の働いている病院の外科部長ということもあり、その影響が大きくて、今の康二郎ができあがっているんです。

――ご自身との共通点はありますか?

新田:厳格な父親がいます(笑)。口数は少ないほうじゃないです。20代前半は全然しゃべらなかったですけど、ここ数年で変わったかもしれないです。ほかには行動が早いタイプなのは一緒。康二郎もパッとデータを見て答えを導き、すぐに対処しましょうという人なので、そういうところは似ているかなと思います。でも一番似ているところはやっぱり父親の存在ですね(笑)。


――役作りで心がけたポイントはどこでしょう。

新田:あまり不愛想な感じにはなりたくない。「冷静沈着で口数が少なく、感情が表に出ない。でもそれだけじゃなくて、ちゃんと人のことを思っている人ですよね」と監督と話をしながら、毎シーン、「考えていることは同じですよね?」と確認し合いながら役作りを進めています。……これができるようになるまで時間がかかりました。昔は「俺はこう考えてるから変えたくない!」って性格だったので(笑)。

◆座長・松本潤は「面倒見がいい」すごい人

――主演の松本潤さんとは、ドラマでは初共演。一緒にお芝居された感想はいかがですか?

新田:撮影の初日に病室で一緒のシーンがありまして。僕が患者さんと病室にいると松本さんが入ってくるのですが、「松本潤が入ってきた!」と違う感動を覚えました(笑)。徳重と康二郎はぶつかることもありますが、カットがかかれば和気あいあいとやっています。

――休憩中など、松本さんとはどんなお話をされていますか?

新田:なんだろう…?「今日車で来たの?」とかですかね(笑)。ずっと松本さんの方を見ていたら「な~に?」って言われました。
すごく大好きな人なんで、一緒にお仕事できてうれしいかぎりです。だって松本さんですよ! 松本さんってすごい人なんですよね。何もしてなくても出ているオーラがあるというか。座長の器が見えてしまうというか。久しぶりにお会いしましたけど、変わらずすごい人なんだなと思わせてくれます。

――新田さんから見た松本潤さんの魅力とは?

新田:みんなを引っ張ってくれる人です。普段は静かで、よく笑う。ご飯を作ってくれる。面倒見がいいんでしょうね。出演が決まった時も、「次よろしくね」とメッセージが来ましたし、ご飯会で偶然会った時も「次一緒だね」と声をかけてくれたり。共演できることがすごく楽しみでした。

◆初めての医師役「僕、血が得意じゃないんです」

――今回、医師役に初挑戦です。


新田:オペ室に入って手術着に着替える時の所作とかいろいろなことを覚えています。手首の角度や手袋のつけ方など細かいところを教えていただきました。これから医療用語も大変になっていくのかな?

僕、血が得意じゃないんですよ。鼻血とかのレベルの痛くない血ならいいんですけど。外科医ですから手術シーンもあるのですが、人の体を切開するという経験がないので。でも手術の映像を見るシーンで、普段だったら一瞬で目を背けるものも、医者役として演じていると意外と見れたりするんですよ。不思議でした。

改めて命を救う医師という仕事はすごいなと思いました。

――日本の地上波連続ドラマへのご出演は久しぶりとなりますが、何か思いはありますか?

新田:撮影から公開まで時間が空く映画とは違い、今回は撮影と放送がリアルタイムで同時に進むので、SNSなどでの皆さんのリアクションを楽しみにしています。

日曜劇場はちゃんと面白いものが観られる枠という印象があります。それこそ『99.9 -刑事専門弁護士-』や『半沢直樹』も観ていましたし、海外に住んでいたころから日曜劇場を観ていました。『19番目のカルテ』は、テレビ離れをしている人がたくさんいると言われる中で、普段テレビを観ない人たちにも観てみようかなと思ってもらえるような作品だと思っています。
だって、松本さんが主演する久しぶりのドラマですからね! 僕もしっかりサポートできたらと考えています。

松本さん演じる徳重先生と、僕が演じる康二郎、対照的な2人がどう命と向き合っていくのか。それぞれの葛藤や心の軌跡がどう描かれていくのか。きっと心が温かくなる、そんな物語をお届けできたらいいなと思っています。ぜひ楽しみにしていてください。

(取材・文:佐藤鷹飛 写真:上野留加)

 日曜劇場『19番目のカルテ』は、TBS系にて毎週日曜21時放送。

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