来年公開のブレンダン・フレイザー主演の映画『レンタル・ファミリー』より、初映像が解禁。本作は日本でオールロケを敢行し、オスカー俳優のフレイザーが、日本各所の風景に溶け込んだ姿が映し出されている。
【動画】新宿・渋谷から天草・島原まで オール日本ロケ敢行『レンタル・ファミリー』ティーザー予告
監督を務めるのは、長編デビュー作『37セカンズ』(2019)で第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門観客賞、国際アートシアター連盟賞を受賞し、『Beef/ビーフ』『TOKYO VICE』などを手掛けてきた日本人監督のHIKARI。『37セカンズ』に続く長編2作目にして、サーチライト・ピクチャーズとタッグを組み、日本を舞台にしたオリジナル作品を世界に送り出す。
世界中から絶賛された演技でアカデミー賞(R)主演男優賞に輝き、俳優としてキャリアの頂点に立ったブレンダン・フレイザー。そのオスカー獲得後、初の出演作品として選んだ本作では、なんと、東京で暮らす落ちぶれた俳優フィリップという役どころに挑戦。かつて歯磨き粉のCMで一世を風靡し、一躍人気者となったものの、いまや世間からすっかり忘れ去られつつあるアメリカ人中年男性だ。
俳優としての仕事を細々と続けながら、東京で暮らす内にすっかり街に馴染み、狭い電車の座席に大きな体を滑り込ませ、暗いマンションの1室で一人晩酌をする。そんな日々を送り続けていたフィリップは、ある日、ひょんなことから“レンタル・ファミリー”会社を経営する多田から仕事を依頼される。レンタル・ファミリーとは、報酬を得て、その人にとって大切な「家族」のような役割を“演じる”仕事だ。人の人生に深く関わるこの仕事に最初は困惑し、戸惑いを見せていたフィリップだったが、彼らと関わる中で、フィリップ自身にも少しずつ、心にある変化が訪れていくのだが…。
解禁されたティーザー予告では、ブレンダン・フレイザー演じるフィリップが東京の街を背景に、レンタル・ファミリーを通して人々と交流していく姿が描かれている。レンタル・ファミリー会社で働く俳優の一人としてフィリップを雇う多田(平岳大)、フィリップよりも先にその会社で俳優として働いていた愛子(山本真理)、老優・喜久雄(柄本明)、そしてフィリップと父娘の関係を築く美亜(シャノン・ゴーマン)など、個性的なキャラクターたちの姿もあわせて明かされた。
日本の名優たちとオスカー俳優フレイザーの共演が、どのようなコラボレーションを生み出しているのか。
今回解禁された映像では、すべて日本国内で行われた撮影ロケ地の様子が随所に映し出されている。ネオンが光り輝く新宿の街並みや、上空から捉えた渋谷のスクランブル交差点、小田急線、JR沿線といった「東京」の生活感溢れる町並み、フィリップと柄本演じる喜久雄が並んで歩く印象的なシーンが撮影された天草や島原の美しい風景、さらには日本独特の結婚式、葬儀といったセレモニーから、チームラボ、神楽坂の化け猫フェスティバルといった日本の祝祭感溢れるシーンも登場している。
撮影を手がけたのは、『さくらん』『るろうに剣心』シリーズなどの日本映画のみならず、数多くのハリウッド作品にも携わる石坂拓郎。プロダクションデザインは、『みんな~やってるか!』から『アウトレイジ 最終章』まで13本の北野武監督作品を支えてきた、日本が誇る名匠・磯田典宏と、『Tokyo Vice』の高山雅子が担当する。前作『37セカンズ』にも参加した衣装の望月恵、ヘアメイクの百瀬広美が今回も重要な役割を担い、音楽は、アイスランドのロックバンド「シガー・ロス」としての活動でも知られるヨンシーと、アレックス・サマーズがタッグを組み、初の映画サウンドトラックを手がける。
撮影は2024年の3月から5月にかけて、約2ヵ月にわたって日本各地で行われた。撮影期間中はフレイザーもずっと日本に滞在していたそう。9月には第50回トロント国際映画祭でのワールドプレミアも控えており、世界初お披露目で一体どんな反響が響き渡るのか。日に日に注目が高まっている。
映画『レンタル・ファミリー』は、2026年公開。