松尾スズキが作・演出を務め、咲妃みゆが主演するCOCOON PRODUCTION 2026『クワイエットルームにようこそ The Musical』より、公演ビジュアルが解禁された。
【写真】咲妃みゆ、松下優也らの役ビジュアル
『クワイエットルームにようこそ』は、「大人計画」の主宰であり、作家・演出家・俳優としてマルチに活躍する松尾スズキによる小説で、2005年に単行本として刊行。
主人公・明日香と、さまざまな背景を抱える精神病院の患者たちとの交流、そしてパートナーとの独特な関係を描いた本作は、シビアなテーマを扱いながらも喜劇とファンタジーの要素をあわせ持つ。松尾は「いつかミュージカルに!」という思いを胸に、長い時間をかけて構想を温めてきた。そして2026年、松尾の新作ミュージカルとして『クワイエットルームにようこそ』が生まれ変わる。
音楽は、日本の音楽シーンをけん引し、Bunkamuraシアターコクーンで上演された作品でも多彩な楽曲を生み出してきた宮川彬良が担当。振付は、あらゆるジャンルを軽々と飛び越え、ユーモアあふれるダンスで観客を魅了するCHAiroiPLIN主宰のスズキ拓朗が、こちらも松尾との初顔合わせで作品を躍動させる。濃密な人間ドラマに、音楽とダンスが加わり、どんな化学反応が起こるのか期待が高まる。
主人公・佐倉明日香を演じるのは咲妃みゆ。かねてより松尾作品への出演を熱望していた咲妃と、咲妃の演技に注目していた松尾との相思相愛で、ついに初タッグが実現する。明日香のパートナーを演じるのは松下優也。気が弱く優柔不断だけどどこかお気楽な、これまで松下が演じてきた役とは一線を画す役に挑む。
共演は昆夏美、桜井玲香、笠松はる、りょう、秋山菜津子。そして「大人計画」からは池津祥子、猫背椿、宍戸美和公、近藤公園、皆川猿時と、松尾が信頼を寄せるキャストが集結した。ミュージカル界の第一線で活躍する俳優陣と、松尾作品には欠かせない個性際立つ俳優陣を迎え、さまざまな問題を抱えた患者たちのドラマを、ポップで鮮やかなミュージカル仕立てで送る。
そしてこのたび、銀の靴など小説にもたびたび登場するオズの魔法使いの要素をちりばめた華やかなビジュアルが完成した。閉鎖的な精神病院で繰り広げられる人間ドラマをファンタジーとエンターテインメントで描く衝撃のミュージカルに期待が高まる。
COCOON PRODUCTION 2026『クワイエットルームにようこそ The Musical』は、東京・THEATER MILANO-Zaにて2026年1月12日~2月1日、京都・ロームシアター京都 メインホールにて同年2月7日~11日、岡山・岡山芸術創造劇場 ハレノワ 大劇場にて同年2月22日・23日上演。
※キャストのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■咲妃みゆ
爽快感と切なさと刺激を感じられる松尾スズキさん作品の大ファンで、いつか一緒に創作させていただきたい、作品の一部になりたい、という夢を抱いていましたので、出演が決まった時は飛び上がるほど嬉しかったです。この作品の見どころの一つは、全ての登場人物が複雑な感情や思考を抱えながら生きている"様"だと思います。そして佐倉明日香さんは、一生懸命がゆえに自分自身を見失った人だと感じています。お役に向き合い、松尾さんの演出を全身で受け止め、私自身が持つすべての力を注いでお応えしたい。信頼する共演者の皆さんをはじめ、作品に携わられる方々と力を合わせて、この喜びと興奮を原動力にして挑みたいと思います。
■松下優也
松尾スズキさん作品への参加は想像もしていなかったので、本当に嬉しいです。
■昆夏美
松尾スズキさんとは『シブヤデマタアイマショウ』(2023)で1曲共演させていただきましたが、とても楽しい時間だったのを憶えています。以前から大好きな松尾さんの舞台にずっと立ちたいと思っていたので、今回出演が決まって本当に嬉しいです。ワクワクドキドキする共演の皆さんのお芝居を稽古場から見られることも、以前ダブルキャストでご一緒した咲妃みゆさんと初めて目と目を合わせてお芝居できることも本当に楽しみです。閉鎖的な世界観をミュージカルという開放的な表現でどのようになるのかも楽しみ。その中で私はミステリアスで異質感のある少女ミキを演じますが、作品にスパイスを効かせられる存在でいたいなと思っています。
■皆川猿時
映画化された時もビックリしましたけど、今回はタイトルに「The Musical」とついていてドキドキしてます。「The Musical」なのに大人計画の人たちも出ることになっちゃった。
■桜井玲香
いつかご一緒してみたいと思っていた松尾スズキさんの作品に初めて出演します。共演の皆さんも初めましての方が多いので、今から少し緊張しています。これまでにご一緒したことのある、素敵で大好きな咲妃みゆさん、昆夏美さん、猫背椿さん、音楽の宮川彬良さん、振付のスズキ拓朗さんの力をお借りしながら楽しくできたらと思っています。ミュージカルの立ち上げは大変ですが、素敵な方ばかりのカンパニーですので、それぞれの個性が混じり合った瞬間に素晴らしいミュージカルになると信じて、しっかり藻搔きながらも楽しんで創り上げたいです。
■りょう
映画『クワイエットルームにようこそ』に続き、ナース江口として参加させていただきます。無表情で機械的に話す無機質な江口にセリフはあるのだろうか、ましてや歌うなんて想像もつきません。リアルと笑いのバランスが絶妙で、且つ、スタイリッシュでかっこいい松尾スズキさんの舞台の世界に入ることができるのは嬉しくて楽しみな反面、不安で緊張しています。この作品の主人公のように私こそが隔離されてしまうのでは、という恐怖感。舞台に立ちながら、自分が正常なのか異常なのかという狂気を味わうことになるのかも。ご覧くださるお客さまにも不思議な感覚を味わっていただけるんじゃないでしょうか。とにかく楽しみながら挑みたいと思います。
■秋山菜津子
まさか『クワイエットルームにようこそ』をミュージカル化するとは! 『ふくすけ 2024-歌舞伎町黙示録-』もそうでしたが、新宿歌舞伎町にあるTHEATER MILANO-Zaに合うでしょうね。松尾スズキさんが書く歌詞はとても面白くて素敵なので、今回も歌えるのが楽しみです。患者の一人・西野を演じますが、松尾さんの台本と歌詞と演出を素直に受け止めながら稽古の中で作っていけたらと思っています。いつも笑いが絶えない松尾さんの稽古場で、ミュージカル界で活躍されている方々や大人計画の皆さんをはじめとする心強いキャスト、そしてスタッフの皆さんと一緒に、多くのお客さまに喜んでいただけるミュージカルをつくり上げたいと思います。