今年デビュー5周年を迎え、ワールドツアーの成功、BEST ALBUMのリリースなど、その勢いはとどまることを知らないグローバルボーイズグループ・JO1。メンバーそれぞれソロ活動にも積極的に取り組む中、白岩瑠姫が、アニメ映画『アズワン/AS ONE』で声優に初挑戦する。
自身が手掛けたソロ楽曲「ひまわり」MVを目にした制作陣から直々のオファーを受けて抜擢された白岩に、本作での経験から得たものやデビューから5年が経ったこれまでと現在、そしてこれからについて話を聞いた。
【写真】白岩瑠姫、美しさ爆発の撮りおろしショット!
◆声優&主題歌書き下ろし、2つの“初挑戦” 作品に運命感じる
本作はアーケードゲーム『星と翼のパラドクス』を原作に制作が始まり、その設定と世界観を踏襲しつつ、静野孔文監督のコンセプトを基に完全オリジナルストーリーとして構築された。登場人物はすべて新たに設定され、キャラクターデザインは原作同様に貞本義行が担当、メカニックデザインは刑部一平が手掛けるなど、そうそうたる顔ぶれがタッグを組む。
白岩が演じるヨウは、ミュージシャンを目指しながらも不確かな未来に悩む地球の高校生。ある日意識の中で、宇宙に浮かぶ星<巡星>でロボット整備士として暮らす少女・ラコと出会い、運命が動き出す。白岩がRUKI名義で書き下ろし、自ら歌う主題歌「巡星」も早くも話題を集めている。
――声優初挑戦となりますが、オファーを聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?
白岩:まさか自分が声優をやらせていただけるとは思っていなかったので、びっくりしました。アニメを観ることは好きだったのでいろいろな作品を観てきたのですが、実はロボット系のアニメはあまり観たことがなかったので不安もありました。「できるかな?」と不安でしたし、これまでも楽曲は作ってきましたが、何かのために楽曲を書き下ろすという経験は初めて。“W初めて”だけどいけるのだろうか…という気持ちになりました。
JO1のワールドツアーを周っている時にいただいたお話だったんです。日本にいなかったので、飛行機の中で歌詞を書いたり、楽曲を考えたりしていました。
タイトなスケジュールで作らせていただいたのですが、今思うとそのおかげで火がついた感じもあるのかなと思います(笑)。
――本作の世界観をどのように受け取りましたか?
白岩:楽曲も作らなくてはいけなかったので台本をすぐに読み始めたんですけど、最初から手が止まらないくらい面白いストーリーでした。違う星に生きている人たちが出会い、支え合って、自信をつけていくというストーリーに惹きこまれたので、楽曲作りもすぐに取り掛かることができたことを覚えていますね。
――演じられたヨウはどんなキャラクターですか? 白岩さんと重なる部分はどこでしょうか。
白岩:ヨウは夢を追いかけるもなかなか上手くいかず、仲間とも家族とも上手くいかず、勉強も…と全部に自信がなくて中途半端で不器用なんです。でも楽曲を作ることは諦めないんですよね。最初は弱かったヨウが出会いによって自信をつけていき、どんどん強くなっていく姿に魅力を感じました。
重なる部分でいうと、今回の出演のきっかけになった「ひまわり」という楽曲はちょうど僕がヨウくらいの年のころに作らせていただいたんです。なので、その時の自分を見ているみたいな気持ちがありましたし、「これ誰に届くんだろう」「なんのために作るんだろう」という思いも自分と重なる部分があって、懐かしさを感じて観ていました。
監督やプロデューサーが「ひまわり」を見て、「この子しかいない!」とオファーしてくださったそうなのですが、「ひまわり」のMVの制服も作品の中のヨウにそっくりで。本当に運命が引き寄せてくれたのかなと思っています。
――ヨウとラコの関係性はどのように映りましたか?
白岩:1人じゃできないことも2人ならできるというか、人との出会いによって自信をつけて、本来持っている力以上のことができたりする。
本当に素晴らしいなって思います。
――白岩さんは、メンバー11人全員で同じような関係性を築かれています。
白岩:昔から言っているんですけど、JO1も1人1人が1+1+1…で=11になるんじゃなくて、全員がそれぞれ500とか1000とかの力を持ってかけ算していけるグループになれたらと思うんです。そのためには新しいことにも挑戦していかないといけないし、グループとして歌やダンスのクオリティを底上げしていかないといけないと思っています。
――そんな11人のパワーにファンの皆さんのパワーも加わったら…。
白岩:もう無敵ですよね!
――今回声優初挑戦されることについて、メンバーの皆さんの反応はいかがでしたか?
白岩:実は誰にも言っていなかったんです(笑)。ワールドツアーの最中だったということもあり、迷惑をかけたくないという気持ちと、自分のことは自分でやりたいなっていう気持ちがあったので、みんな発表で初めて知ったと思います。めちゃくちゃびっくりされました。アニメ大好きなメンバーも多いので、アニメ好きの(木全)翔也や(金城)碧海は「これってどういう作品ですか?」「いつやっていたんですか?」と細かく聞いてきました(笑)。
◆完成作を観て「2つの意味で感動」
――声優初体験の感想はいかがですか?
白岩:右も左もわからないし、わからないことだらけだったので、最初からディレクターさんには「何か思ったことがあったらすぐに言ってほしいです」「改善できるように努めるので、どんな些細なことでもいいので言ってください」とお伝えしました。
映画に出させていただいたことはあったので、演じるということでは同じかなと思ってブースに入ったんですけど、セリフとセリフの間にないセリフといいますか、吐息の表現などに苦戦しました。収録では、普段歌う時のレコーディングのようにマイクのすぐ前に立ったら「近すぎだよ」って言われたりもして(笑)。
でもブースに向かう怖さみたいなものはなかったので、そこはよかったのかなと思います。JO1として積み重ねてきた経験値が出たのかもしれません。
――完成した作品をご覧になってどんな感想をお持ちになりましたか?
白岩:試写でロボットアクションアニメを初体験したんですけど、「これ、やばいな!」って(笑)。感動する点はいくつもあったのですが、ロボットアニメのすごさに一番感動したかなっていうくらい心動かされました。
アフレコの時は絵も完成していなくて、正直想像がついてないところもあったんですけど、ずっと感動していました。ストーリーも素晴らしいし、グラフィックのアクションも素晴らしいし、『アズワン/AS ONE』という作品自体に感動もしたし、楽曲を作った自分や、アフレコを頑張っていた自分のことも思い出しちゃって、2つの意味で感動しましたね。
あのとき韓国から帰ってきてそのままレコーディングに行って「くそー!なんだこのスケジュール!」と思いながら作っていたけど(笑)、頑張ってよかったなと、こみ上げるものがありました。なので、1人でも多くの方に劇場に足を運んでいただいて観ていただきたい!と改めて思いました。
――大きなスクリーンから流れる主題歌「巡星」はいかがでしたか?
白岩:いやぁ~。そもそも『アズワン/AS ONE』のために書き下ろしているので、自分の中でも自信を持ってお送りしているんですけど、どでかいスピーカーとどでかいスクリーンで聴く「巡星」は一番良かったです。制作者として誰よりも聴いているんですけど、あそこで聴く「巡星」が一番歌が活きていてよかったです。ぜひあの環境で体感してほしいです。
――改めて、作品を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
白岩:出会いをきっかけに自信をつけていくヨウに共感できる部分も多いと思いますし、今悩んでいる方々の背中を少しでも押せたりする作品になればいいなと思っています。僕自身ロボット系のアニメを観るのは初めてくらいだったんですけど、それでもめちゃくちゃ感動したので、今まで観たことがない人にも観てほしいなと思いました。あなたの人生の90分を『アズワン/AS ONE』に捧げてくれたらうれしいです。
◆個人活動にも積極的にチャレンジ「全てはJO1のためになる」
――先ほど「ひまわり」はヨウと同じくらいの年ごろに制作されたとのお話がありました。白岩さんはどんな高校時代を過ごされましたか?
白岩:ヨウと同じようにバンドをやっていて、楽曲を作ったりしていました。友達とずっといることが多かったかもしれないです。放課後にカラオケへ行ったり、ボウリングやダーツに行ったり。その合間に楽曲を作ったり、特に悩みもなかったですし普通の高校生でした。
というのも、中学3年までの小中9年間くらいサッカーをやらせていただいていて、放課後も土日もないガッチガチな感じだったんです。自由な時間がない生活を9年していたのでその反動もあって、とても自由な3年間を過ごしていました。
――JO1の皆さんは今年デビュー5周年。
デビューからの日々はどんな5年でしたか?
白岩:一番早くて、でも一番長くて、めちゃくちゃ濃い5年間でした。初めての経験が多かった5年間なので、すさまじい5年だったなって思います。
――その中で特に思い出に残っていることはどんなことですか?
白岩:最近で言ったら東京ドームでのライブはめちゃくちゃ感動しました。昔は観てる側だったのに、そこに立って、たくさんのお客さんを幸せにしているというのは文字通り夢みたいな時間でした。
――2023年に公開された映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』や今回の声優業など、音楽活動以外にも積極的にチャレンジされています。
白岩:今後も必要としていただけるのであれば演技のお仕事も全力でやらせていただきたいなと思います。音楽だけじゃなくいろいろな姿を見せるのがファンの方々への恩返しになるのかなと考えていますし、JO1というグループを知ってもらうきっかけが生まれたりすると思うので頑張りたいです。全てはJO1のためになるというか、グループに還元できればという気持ちでいます。
――お忙しい毎日だと思いますが、プライベートでの楽しみや癒やしの時間はありますか?
白岩:美味しいものを食べることと、音楽を聴きながらドライブをすることですね。焼肉や焼き鳥が大好きなんですけど、大変な仕事が終わったあとにご褒美として行くことが多いです。ドライブは1人の時もあれば、メンバーや友達と一緒の時もありますね。
(取材・文:近藤ユウヒ 写真:米玉利朋子[G.P. FLAG inc])
アニメ映画『アズワン/AS ONE』は、全国公開中。
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