坂口健太郎が主演し、渡辺謙が共演する映画『盤上の向日葵』が、9月17日~26日に韓国・釜山で開催される第30回釜山国際映画祭のオープンシネマ部門に正式出品されることが決定。坂口と熊澤尚人監督のコメントが到着した。



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 本作は、2018年本屋大賞第2位となった柚月裕子の同名小説を実写化したヒューマンミステリー。

 とある山中で身元不明の白骨死体が発見された。手掛かりは死体とともに発見された高価な将棋の駒。捜査の末、その駒の持ち主は、将棋界に彗星のごとく現れ時代の寵児となった天才棋士、上条桂介だと判明する。さらに捜査の過程で、桂介の過去を知る重要人物として、<賭け将棋>で圧倒的な実力を持ちながら裏社会に生きた男、東明重慶(とうみょう・しげよし)の存在が浮かび上がる――。

 このたび、9月17日~26日に韓国・釜山で開催される第30回釜山国際映画祭のオープンシネマ部門に正式出品されることが決定した。釜山国際映画祭は、韓国・釜山市で毎年秋に開催されるアジア最大級の国際映画祭で、1996年の創設以来、アジア映画の発展と新たな才能の発掘を目的に国内外の作品を多数上映してきた。昨年は約14万人が来場し、世界的にも注目を集めている。

 オープンシネマ部門は、芸術性に富む新作や国際的に高く評価された作品が選出され、メイン会場「映画の殿堂」の野外スクリーンで、釜山最大規模となる約4500席を設けて上映される映画祭の代表的部門。釜山映画祭による作品紹介では、「坂口健太郎の魅力あふれる演技と渡辺謙の圧倒的な存在感が、観客の心を強く惹きつけること間違いなし」と大きな期待が寄せられており、記念すべき30回目を迎える釜山映画祭を本作が鮮やかに彩る。

 昨年に続き出演作が出品されることとなった主演の坂口は、「今回も、釜山国際映画祭へ招待いただき、とても嬉しく思います」と語り、「『盤上の向日葵』は、時代に翻弄されながら生きる男たちの悲しくも美しい人生の一瞬を切り取った作品です。多くの方に見ていただき、彼らの生き様を見届けていただければ幸いです」と期待を寄せた。


 原作の重厚な人間ドラマに惚れ、7年の歳月をかけて完成までたどり着いた監督・脚本の熊澤は、「釜山国際映画祭に選出して頂き、大変嬉しく思います」と喜びを滲ませ、「将棋を知らない方が観ても存分に堪能できるよう演出しました。何か大切なものを見つけて打ち込むことは、これほど掛けがえのなく、魂を揺さぶるものなのかと、生き切ることの大切さが必ず伝わると思います」と自信をのぞかせた。

 過酷な運命に生まれついたとき、人はその運命にどう抗えばいいのか。どう打ち勝てばいいのか。救いのない毎日を生きながらも、桂介は将棋だけは決して手放さなかった。その人生を通して描かれる胸を熱く焦がす力強いメッセージとは――。本作が釜山映画祭でどのように評価されるのか、注目だ。

 映画『盤上の向日葵』は、10月31日より全国公開。

※坂口健太郎、熊澤尚人監督ほかのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■坂口健太郎/上条桂介役

 今回も、釜山国際映画祭へ招待いただき、とても嬉しく思います。『盤上の向日葵』は、時代に翻弄されながら生きる男たちの悲しくも美しい人生の一瞬を切り取った作品です。多くの方に見ていただき、彼らの生き様を見届けていただければ幸いです。


■熊澤尚人/監督・脚本

 釜山国際映画祭に選出して頂き、大変嬉しく思います。本作は高価な将棋の駒を死体と一緒になぜ埋めたのか? その謎を解く物語であり、親子の葛藤と人間の業、人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマです。将棋を知らない方が観ても存分に堪能できるよう演出しました。何か大切なものを見つけて打ち込むことは、これほど掛けがえのなく、魂を揺さぶるものなのかと、生き切ることの大切さが必ず伝わると思います。どうぞ楽しんでご覧ください。

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