昨年山田ジャパン2024年3月公演『愛称◆蔑称』で共演を果たした、原嘉孝(timelesz)といとうあさこが、この秋上演される山田ジャパン2025年9月公演『ドラマプランニング』で再び同じ舞台に立つ。この1年半の間に大きく人生が変わった原と、そんな原の奮闘を陰ながら熱く見つめ続けたといういとう。
【写真】timelesz・原嘉孝、カッコよすぎる撮りおろしショット
◆原嘉孝、前回公演で山田ジャパン劇団員&観客を魅了
2008年に山田能龍、いとうあさこ、羽鳥由記らを筆頭に旗揚げされた劇団「山田ジャパン」。その主宰である山田能龍が最新作の舞台として選んだのが、ドラマの制作現場。
プロデューサー、監督、脚本家、制作、撮影・技術、衣装、ヘアメイク、マネジメント、音楽、等々…あらゆる専門スタッフとキャストが集って一つの作品を作り上げるドラマの制作現場において、トラブルはつきもの。ドラマ制作の裏側には、視聴者に知られていない人間ドラマがある。数々のドラマ制作に携わってきた山田だからこそ作れる、リアリティーあふれる生々しい物語を届ける。
主演の原がドラマ制作会社の若きプロデューサーを演じ、いとうは人気俳優のクセのある名物マネージャーに扮する。ほかに、東京ダイナマイト・松田大輔、永山たかし、清水麻璃亜らが顔をそろえ、ドラマ制作の裏側を山田ジャパン風に描いていく。
――今回、原さんが再び山田ジャパンに参戦されることになった経緯を教えてください。
原:「timelesz project」(以下タイプロ)前の話だったんですけど、昨年参加させていただいた『愛称◆蔑称』が終わってすぐくらいにもう来年のスケジュールを…。
いとう:打ち上げで「またお願いします」って。
原:そういうのってよくあるじゃないですか。
いとう:原嘉孝という役者が素晴らしすぎて! 山田ジャパンの劇団員もお客さんもまた会いたいと思ったんですよね。本当だったら次の公演もぜひ!くらいの気持ちだったんですけど、さすがに原先生はうちの劇団員じゃないから、1公演おいてその次のオファーをしました。
原:こんな短いスパンで同じところに参加するということはなかったので、めっちゃうれしかったです。劇団自体もまた素敵なんですよ。山田さんがいてあさこさんがいて。なんとか下を育てようというあさこさんの気持ちをひしひしと感じました。
前回出させていただいた時は、僕がSTARTO ENTERTAINMENTのタレントって知らないで観ているお客さんももちろん多くて。
いとう:当時はね。
原:その方たちが僕にすごく興味を示してくれた作品が『愛称◆蔑称』だったので本当にうれしかったです。
いとう:お客様が「何、あの子!?」って。
原:timeleszに入る前は、原嘉孝という名前の後ろに(ジュニア)とか事務所名がクレジットで入っていることがありました。でも、個人の原嘉孝として戦っていきたいのでやめてくれとお願いしていたこともあるんです。どうせアイドル事務所なんでしょとフィルターが入るのが嫌だったので…。でも『愛称◆蔑称』では、STARTOのタレントだと知らない方が観て評価してくれたのがうれしかったですね。そこに導いてくださった山田ジャパンにまた出られることが本当にうれしいです。
いとう:あれ? まだパンフレット間に合うけど、今回は(timelesz)はどうする?
原:今後は付けさせてください!(笑) グループを広めたいですから!!
――いとうさんから見た、原さんの魅力はどんなところにありますか?
いとう:皆さんご存知だと思いますけど、演技力がすばらしい。あとは作品に対する向き合い方がプロ中のプロというか、特別な人。セリフ入れの早さとか、それを役である自分の中に入れて音で発するすごさみたいなものが、ここまでの人はちょっと見たことないです。
性格も明るく優しいし、強いのか柔らかいのか分からない、いろんな面を見せる人間力もあって。
原:魅力的ですよね(笑)。
いとう:うちの後輩たちに「ご飯行くぞ!」みたいな男子校感出すかと思ったら、みんなにさりげなく気を遣っている優しい部分とか。ここが悪いって言ったほうがリアリティーあると思うんだけど、なんだろうなっていうくらいよかったんですよね。
◆原&いとうが感じる、チームでいることの良さ
――今回はドラマ制作の裏側がテーマということで、お二人にとって近い世界のお話になります。
いとう:私はドラマの経験はちょこちょこですけどね。変な占い師とか、変なデザイナーとか、“変な”が付く役柄ばっかり(笑)。
今回演じる役者さんのマネージャーさんというお仕事を直接は知らないですけど、「この子を良く見せたい」「この子の魅力をいっぱい伝えよう」というのは絶対芯にあると思うんです。ただ、名物マネージャーだと聞いているから、年齢もいっていて歴もいっていて、だんだん圧みたいなものが絶対に出ているのではないかと。「この子をよくしたい」だけじゃない、「はい、私で回ってますよ、この現場!」っていう空気を出しているキャラクターかなと思うんです。でも、どこかにまだ残っている「この子を良くしたい」っていう気持ちや、ドラマ愛や人間性を出せたら素敵だなと思っています。
原:プロデューサーっていったらいろんな責任が問われるわけじゃないですか。でも自分が責任を負う作品が世に出ても、この時代は何をもっていいとされるか分からない。いい作品ができたと思っても評価されなかったら、自分が評価されないし、イコール次の作品を任されないということにもなる。そういう裏側を今回初めて意識しています。
この役が来た時に、今まで僕が出させていただいたドラマのプロデューサーさんの顔を思い浮かべたんです。僕が出るにあたって何かしらの圧があったり、事務所のプッシュがあったのかなと思ったり(笑)。
いとう:見つけてくださったのかもしれないよ。
原:こうやって山田ジャパンさんのようにtimeleszに入る前から決まっていたつながりがあったり、そうじゃないtimeleszに入ってから知ってくださる方もたくさんいたり。どっちがいい悪いじゃないですけど、全部愛があるんですよね。今まで決まった仕事に事務所のプッシュがあったとしても、それも愛だし。
いとう:それを実力で返して、というのも自分の力だしね。
原:そんな要因をたくさん担っているのがドラマプロデューサーという仕事なので、きっといろんな問題に直面するんだろうなと思います。
――原さんはtimelesz、いとうさんは山田ジャパンというグループでのご活動もされていますが、チームならではの良さはどんなところに感じられますか?
いとう:家族っていう表現がいいのかな?
原:僕は基本的に群れている時が好きなんです。スポーツも、ドッジボール、サッカー、バレーボールと基本チームスポーツをやってきましたし。この事務所に入ってからもグループでデビューするというのが大前提で15年やってきましたし、そもそも誰かと何かを切磋琢磨して、喜びやケンカとかももちろん、いろんなことを分かち合っている時間が好きですね。
最近ではやっぱりライブじゃないですか。
いとう:私はお笑いの世界ではピンで1人なので、山田ジャパンでは、自分がオチじゃなくても誰かでオチるでもいいんですけど、みんなで笑いや芝居を紡いでいくところにシビれますね。もともと山田ジャパンが18年前に誕生した時は今よりももっとコメディがバッチバチだったんで。毎公演後飲みに行って、「あそこスベった~。何が違ったんだろう?」「あそこは何か間が違ったからこうしよう」とか、ネタみたいに作ってました(笑)。今でもその感覚は残っていて、みんなで紡いで、そしてゴールを決める感じが、1人じゃ絶対にできないことなのでめっちゃくちゃ気持ちいいんですよね。
原:timeleszは8人いるから、それぞれ得意なことも違っていて。8人でいるときは8人で頑張ればいいけど、それぞれ1人1人が外部で頑張って、そこで得たものをグループに持ち帰れば掛け算となってもっと大きいものになる。そんなチーム感を感じるとめちゃ楽しいです。
いとう:原先生はお笑い担当なんでしょ?
原:お笑いじゃないです!(笑)
いとう:「踊る!ヒット賞!!」も取ってたじゃん(笑)。
原:(爆笑)
◆タイプロを見て涙が止まらなかったいとう 耐え切れず原にLINE
――いとうさんは、原さんがタイプロに挑戦されると聞いた時はどんなお気持ちでしたか?
いとう:聞いた時っていうか、一視聴者として観ていたら、急に合宿2日目に「遅れてすみません。原で~す」みたいな感じで出てきて! ちょっと待ってよ~!って腰を抜かしました、金曜の夜に(笑)。
原:キマった眼をして出てきた(笑)。
いとう:あんな柔和で優しい男がバッキバキで入ってきたから(笑)。
原:バキ原嘉孝(笑)。
いとう:驚いたけど、初めて彼の歌とダンス、パフォーマンスを拝見した時に、あれどういう感情だろうね、涙が止まらなくなって。
原:えーっ!
いとう:収録とOAってタイムラグがあるから、連絡するのはよくないかもと思ったけど、感動が勝ちすぎて、絶対返信不要!って書いて1回LINEしました。「びっくりした。知らない原先生を見せていただいて感動しかない。頑張ってと言っていいか分からないけど、頑張って」と。そうしたら返信をくれて。2回くらい耐えられなくてLINE送っちゃったよね?
原:いや、毎審査、耐えられずに送って来ていました(笑)。
いとう:ちゃんと返信不要って書いたじゃん!(笑) 配信される回ごとに各グループのパフォーマンスがあって、初回に出ちゃったら、あと何週か待たないと落ちてるかもしれないし…と思って。
でも涙が止まらなかった。全パフォーマンス、知らない原嘉孝を見せてくれたから。だけど、ここがよかったって書いちゃうと、もしなんか意識して「こういう俺がいいんだ」ってなったらイヤだから、漠然とよかった、泣いたと送って。最後も2月15日朝10時から早く結果が分かりたい気持ちを抑えて、早回しせず配信を見ました。そこでやっと原先生に「あなたのこういうところがよかった」とか、「あそこ、片足でよく座ったな」「あそこの子音を残す歌い方がよかったです」とか細かいところを送りました(笑)。
――加入後、バラエティー番組『timeleszの時間ですよ』でも共演されました。
原:やっと会えたね~!!!ってなりましたよね。ウワーーー!!ってハイタッチしました。
いとう:私がいるって知らなかったんだよね? 私もtimeleszさんの番組のロケだとは聞いていたのですが、前日に原先生もいるって聞いて。ええええ!ってずっとソワソワしていました。一緒に地上波で会えるなんて!とウワーーー!!!ってなった。
原:本当にうれしかったです。
いとう:あの時もここがよかったとか熱弁して! そうしたら、そのパフォーマンスをやってくれたんだよね。でも全部カットになってた(笑)。
原:残ってなかったですね(笑)。
――今回の公演は、下北沢の本多劇場での上演になります。下北沢の思い出はありますか?
いとう:本多劇場の横に楽園っていう地下の劇場があるんですけど、あそこが山田ジャパンの旗揚げの地なんです。山田と羽鳥と3人で、「いつかここ立つことがあるかね~」って言っていた劇場が本多。
実は2022年に1度本多劇場に立っているんです。でもまだコロナ禍で、お客様も1席おきだったり、みんなマスクだったりと制約があって。小屋入りから泣いていたし本多劇場に立てた喜びもあるんだけど、まだ完成形を見ていない感覚なんですよね。そういう意味で今回私やばいと思う。
原:それはやばいですね。
いとう:満席の本多は初なので、そこから見た気持ちはどうなるんだろう。今から震えるくらいうれしいです。
原:下北沢には、アーティスティックな街という印象や、夢を追う人の街という憧れがあります。
僕が演劇を始めた時、ジュニアで仕事が多いわけでもなかったのでお金がなかったんです。なので舞台のお仕事が入ったから勉強しようと、当日券で下北沢のちっちゃい劇場を1人でメモ帳片手に周っていました。この役者さんのペットボトルの飲み方がよかったとか、違和感があったらなんで違和感を覚えたんだろう?とメモ帳にノールックでバーッと殴り書きして終演後に見直したり。
僕の演劇の始まりの地でもありますし、どんな先輩の役者さんに聞いても本多は特別だよという話を聞きます。そんな劇場に今回山田ジャパンさんの作品で初めて立てることがうれしいです。
いとう:千秋楽、2人でおいおい泣いてたらどうする?(笑)
(取材・文:田中ハルマ 写真:米玉利朋子[G.P. FLAG inc])
山田ジャパン2025年9月公演『ドラマプランニング』は、東京・本多劇場にて9月26日~10月5日上演。
※『愛称◆蔑称』の◆部分は、「左右方向矢印」が正式表記