恋愛考察バラエティ番組『セフレと恋人の境界線』が、9月3日よりPrime Videoにて独占配信中。本作でスタジオMCを務めるのが、『M‐1グランプリ』2連覇を果たし、最近フリーランスとして新たなスタートを切った令和ロマンの高比良くるま(「高」は「はしごだか」が正式表記)と、事務所社長を務めながら人気バンドのボーカルとして11月には武道館にも立つラランドのサーヤだ。

学生時代からお互いのすべてを知る2人に、芸人という仕事とプライベートの関係から、“職業病”との付き合い方まで聞いた。

【写真】超仲良し! 絵になる2人、くるま&サーヤ撮りおろしショット

 本作は、現代の恋愛関係に切り込む新しい形のバラエティ。恋愛観が多様化する中、従来の恋愛バラエティ番組では扱われてこなかった“曖昧な関係”に、真正面から向き合う。スタジオMCにはくるま・サーヤのほか、YOUと千葉雄大を迎え、実話を基にした3本の短編映画を観ながら本音トークを展開する。

■3本の恋愛映画に共感しまくり「やむを得ん……!」

――3本の映画を観ているMC4名のリアクションも楽しくて、自分もMC陣と一緒に観ているような気分になりました! 今回の3本の映画を思い返して、くるまさんとサーヤさんが特に共感したキャラクターは?

高比良くるま(以下「くるま」):俺は、3作目の『特別な人』で芳村宗治郎さんが演じた一樹。そりゃあ、友達とご飯食べてるときにさ、先輩の山下美月来たらさ、もうおしまいだよね……。(一樹は山下美月演じる川端に恋心を抱きながらも、「セックスもする友達」という関係になってしまう)かなり奇行には走ってましたけど、やむを得ん……!

サーヤ:うんうん(笑)。

くるま:お互いにパートナーがいる男女が2人きりになって、(パートナーへの)不満が出たらこれはもう……やむを得ん、という感じでした。

サーヤ:「こうやって始まるな」っていうね。リアル。私は1作目の『恋人になれたら』。(中田青渚演じる徒子が、金子大地演じる聡と)セフレっていう関係性になってから、友達に「いや、(聡は)セフレとかじゃないよ」って言ってる時間……何回見たんだろうと思いました。


くるま:俺、あの(友人役の)3人ってほんとに友達だと思ってる。なんかさ、すごく良くなかった?

サーヤ:良いバランスだったよね(笑)。結局さ、なだめてる側の女の子も自分がそういう状況になったら同じこと言いそうじゃん。

くるま:絶対言うと思う。

――もし、3作目の一樹や1作目の徒子が自分の友達だったらなんと声を掛けたいですか?

くるま:(一樹には)「もうお前やめとけって、マジで。絶対お前みたいなやついっぱいいるよ。最後には選ばれないから!」

サーヤ:「いや、そんなことない。そういうのじゃないから、俺は」って言うんだよね(笑)。

くるま:言うな。「ちょっともう……(架空の店員に)あ、レモンサワー2つくださ~い」ってなるんだろうな。

サーヤ:(徒子には)もう、言わないかもしれないですね、私だったら。いったん破滅するまで見てあげて、その後のアフターケアしてあげようって思いますね。


くるま:そこに備えるってことね。

■芸人ならでは、仕事とプライベートの関係「僕は境界線がない」(くるま)

――2作目『結婚学入門』では、お仕事と恋愛のバランスもテーマになりました。サーヤさんはもともと会社員をしながら、今は事務所社長と芸人を掛け持ちされるという多忙な働き方をされています。お仕事とプライベートのバランスはどのように取っていますか?

サーヤ:「work hard play harder」なタイプなんです。

くるま:な、なんだ今の標語?

サーヤ:(笑)。よく働いて、もっと遊ぶ。それでなんとか今、精神を保ってるんです。

くるま:すごいよね。ほんと元気よね、あんたは。

サーヤ:働いた分遊んでストレスを発散するし、エピソードトークも得られるし。だから、“プライベートありき”でもある感じがしますね。

――一方でくるまさんは本編中で、仕事と恋愛を切り離せないと話していました。


くるま:僕あんまり、境界線がないんですよね。あまりオンオフみたいなものもないですし、ずっとこのまま喋ってる。だから、逆に普段の生活や友人関係にも仕事が影響します。「仕事」だとあんまりまだ思えてないかも。プロ意識、少し低いかも。

――(笑)。本編中ではサーヤさんが「恋人の前でふざけてしまう」というお話をされていて、それに対してくるまさんが「お笑い芸人だから仕方ない」と返す場面がありました。お笑い芸人さんたちにとっての“恋愛あるある”は他にもあるんですか?

くるま:芸人って、普段のエピソードをちょっと盛って話したりするわけじゃないですか。そうすると、パートナーから「そんなこと思ってんの?」って……本気だと思われちゃうことあるよね。

サーヤ:プライベートでのことを(番組などで)話したときに「あれ私のこと?」みたいになるってこと?

くるま:そうそう。そんなの(何を言ったか)もう覚えてないよ……。芸人ですからなんとなく喋ったんですよ、すいませんねっていう時はありますね。


サーヤ:私は外で喋りたいから、割と最初に許可を取るパターンが多いかな。「今の話喋っていい?」とか。「言っていいよ」って人もいれば、「なんで~?」って人もいるから、そこは確認しておきますね。

――お仕事とプライベートのバランスが難しいという悩みはありますか?

サーヤ:まったく無い。

くるま:この仕事は、“境目”を作っちゃう人ほど、だんだん辛くなっちゃう人が多いかもしれないですね。あんまり向いてないというか。たまにいるけど、そういう人はアーティスト向きだよね。

サーヤ:そうだと思う。音楽とか役者さんとかの方がいい。

くるま:芸人には、境界線を引かないのが得意な人が多いですね。

サーヤ:恋愛のネガティブ面がおいしいと思う職業だもんね。

くるま:パートナーからあんまり興味ないジャンルの話とか聞かされる時ってあるじゃないですか。
そういう時、普通の人だったら「嫌だな」とか思うけど、僕はその時に頭の中ではネタ考えてましたもん。

サーヤ:(爆笑)。女の子のオチのない話の間にネタ作ってたの?

くるま:そこで作ったネタいっぱいある。脳が空くじゃん。

サーヤ:「空く」って言うなよ(笑)。

くるま:鼻から「うんうん」って音だけ出しながら脳が空いてて、めっちゃいいのがね、残るんだよね。

サーヤ:人間観察にもなるしね。

■“職業病”がプライベートに干渉……どう付き合うのがいい?

――芸人さんならではのお話でした。仕事がプライベートに影響してしまう、“職業病”のようなものはどんな職業でもあると思うんですが、そんな職業病とはどう付き合うのがいいと思いますか?

くるま:抑えても、絶対出ちゃうもんじゃないですか。(インタビュアーに対して)こうやって今インタビューしていただいてるじゃないですか。それがお仕事だから、多分自然と友人とか恋人にも出ちゃう可能性があると思う。ちょっとインタビューっぽく喋っちゃってる、みたいな。


サーヤ:ここ聞いといたらこう繋がるかな、とかってね。

くるま:「こういう風に聞いちゃうんだよね」みたいに、職業病は結構早めに開示した方がいいかもしれない。言わないと、相手に違和感みたいなのが積もっちゃって、一定越えた時に「ずっとそういう感じで聞いてくるよな!」とか言われたくないから。

サーヤ:あと、職業病ってかっこよくないですか?

くるま:かっこいいよね。

サーヤ:なんかちょっと悦に入れるんだよな。「お笑いしちゃってますわ~」って(笑)。

くるま:ダサいねえ。「芸人出ちゃいました」って? かなりダサいねえ。向いてるなこの人。

サーヤ:かっこいいと思ったら勝ちですね。

くるま:それが1番いいね。

――では最後に、視聴者&読者の皆様に一言いただけますか?

サーヤ:ちょっとタイトルが奇抜ですが、恋愛をする人は全員観ておきましょう。自分が(登場人物たちのように)なりかねないシーンもありますし、友達がそうなる可能性も多分に含まれてます。だから予防接種的にこれを観て、パターンを知っておくと対処できますから。教科書として1回観てみるといいと思います。

くるま:その観方もいいね。僕はあえて、親御さんと観るっていう選択肢もあると思います。

サーヤ:え、気まずいって(笑)。

くるま:お母さんが「ああ、こういうことあったわ」とか。

サーヤ:いやもうウッてなる、なんか。お母さんのセフレの話嫌だよ。

くるま:親戚の集まりで観るのも斬新かなと。

サーヤ:ばあちゃんとかね……その当時のセフレのワードがあるんだろうな。“枕交わしの……”みたいな(笑)。

くるま:なんだそれ、モロじゃねえか。多分今もそういう言葉あるだろ。でも本当にいろんな人に観てほしいですね。

(取材・文:小島萌寧 写真:上野留加)

 『セフレと恋人の境界線』は、Prime Videoにて独占配信中。

編集部おすすめ