松井珠理奈が10年ぶりとなる2nd写真集『松井珠理奈写真集 アイヲシル』(宝島社)を9月9日に発売。愛してやまない地元・東海地方(愛知、岐阜、三重)で全編撮影された本著は、ドキッとさせられる初のランジェリーカットからSKE48時代と変わらない笑顔まで、28歳となった彼女の“今”の魅力が存分に感じられる一冊に。
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■今のテーマは“自然体” 「そんな今の自分を好きになってもらいたい」
――10年ぶりの写真集『アイヲシル』、表紙や初挑戦のランジェリーカット、水着姿など、大胆なカットが多く驚かされました。収録されるインタビューを含めて開放的な印象を受けたのですが、制作にあたってどんなビジョンがありましたか?
松井:今の自分のテーマが“自然体”“等身大”なんです。今まではずっと“全力投球”が自分の中で正義になっていたんですけど、(2022年4月から)活動を休養させていただいて考え方が変わったんです。今は無理せずちゃんと自分のペースでしっかり一つ一つやっていこうと思っています。そんな今の自分を好きになってもらいたいという気持ちになったし、ファンの方たちも「珠理奈がいてくれるだけで幸せだ」と言ってくださるので、ありのままの自分を見せたいという想いがありました。
――今回は愛知県出身の松井さんの地元に近い東海地方(愛知、岐阜、三重)で撮影され、スタッフの方も東海地方出身の方々だったとうかがいました。
松井:休養期間中に地元の愛知だけでなく、岐阜の山に行ったり、三重で釣りをしたり…そんなふうに自然に癒されながら充電できたんです。皆さんにも、そんなふうに自分を労わる時間を大事にしていただきたいという気持ちと、東海地方も好きになってもらいたい、遊びに来てほしいなという想いがあって、地元の東海地方で撮影したいと思いました。
――自然を感じる場所から異国情緒も感じる施設まで、ロケーションも新鮮ですね。
松井:「東海地方にこんなにオシャレなところがあるんだぞ!」というのも見ていただきたいですね(笑)。スタッフさんたちと撮影場所を考えていたときに、ずっと泊まってみたかった三重の「志摩地中海村」にうかがわせていただいたんです。
――同郷のスタッフの皆さんとの撮影はいかがでしたか?
松井:スタッフの方が里帰りみたいな感じになったら、きっと楽しんで自然体でいてくれるんじゃないかなと思って、東海地方の出身の方を中心にお願いしたんです。皆さん東京で活躍されていて、写真集の制作に携わっている方ばかりだったので、頼りがいがあって安心して撮影できました。
撮影後も一緒にご飯を食べたり、言葉遊びゲームや人狼をしたりしました。そんなふうに仲良くなれたのは、地元が近いということもあるのかなぁ…。地元の話をしたり、方言も飛び出したりして、距離が近くなりました(笑)。現場で名古屋の方言を言っても普通に通じるのがうれしかったです(笑)。皆さん、ご一緒するのは初めてだったのですが、全然初めてという感じがしなくて、すごくステキなチームに恵まれて撮影できたので、幸せでした。
■「私ってこんなに大人のお姉さんになったんだ!」とビックリ タイトルに込めた想いも明かす
――撮影にあたって準備されたことは?
松井:グループの時は、運動や食事制限がハードになり過ぎて体に良くなかったんです。なので、健康をベースに、自分が普段からやっている体にいいことやボディケアをまめにやっていました。代謝を上げると免疫力も上がったり、痩せやすくなったり、運動の結果も出やすくなると言われているので、体を温めて汗をいっぱいかくために、普段から行っているサウナやよもぎ蒸しにいく頻度を上げたり…。
食事では小麦抜きを1ヵ月半行いました。むくみがなくなって、見た目がめっちゃ変わるんですよね。パスタも、ラーメンも、ハンバーガーも大好きなんですけど、小麦から米粉に置き換えたり、グルテンフリーの麺にしたりしました。撮影後にラーメンは食べましたけど(笑)、なるべく気を付けようと、グルテンフリーの生活は今も続けています。
――そうした準備を経て撮影された本著では、ドレッシーなものから大胆かつナチュラルな衣装、水着や浴衣など…さまざまな松井さんの姿が見られますが、ファッションのこだわりは?
松井:できるだけ、これまで皆さんが見たことないような服を着ようと思っていました。自分では「これはちょっと似合わないかもしれないなぁ」と思っていた服も、意外と着てみたら「いけるかも!」「これは新しいなぁ」と思えたんです。ランジェリーカットも初めて挑戦したんですが、今回は等身大の大人っぽい感じをベースに服を選びました。“脱アイドル”ではないですが、これまでの元気いっぱいの松井珠理奈という感じじゃなくて、年を重ねて大人になった自分を見せたいという想いはありました。
――そうして撮影された本著に『アイヲシル』というタイトルがつけられましたが、この言葉に込めた想いは?
松井:『アイヲシル』と漢字で書くと“愛を知る”=“愛知”になるんです。
――なるほど!(驚)
松井:私はダジャレ好きなので、ファンの方はすぐ気付くかなと思ったんですけど、結構気付いていなくて(苦笑)。
“愛を知る”というと、大人になって愛を知ってしまったのかと思われるのかなとスタッフさんたちと妄想したりもしたんですが、皆さんも日常にあふれている愛を知ってほしい気持ちが込められています。休養期間中に自分を愛してみようと向き合った結果、周りにある身近な幸せや愛に気付けるようになってよかったなと思ったので、皆さんにも自分に向き合う時間を作ってもらえたらいいなという想いが込められています。
――タイトルにも、まさにご自身の今のテーマである“自然体”とつながっていてピッタリですね。そんな松井さんの“自然体”を象徴する表紙カットも印象的です。
松井:表紙の写真は、実はもう1点、自分自身も好きだった誘っているような表情の写真が候補としてあったんです。SKE48の同期メンバーに見せたときも私と意見が一緒だったんですが、男性スタッフの方が皆さん、この表紙カットを選ばれたんです。そんなに力が入っていない、ふとした感じの表情がセクシーらしく…結局、狙ってない方がいいんだな、と(笑)。私も自然体の方がいいなって思ったので、この写真に決めました。
――ファッションもそうでしたが、考えを柔軟にしたことで、自然体でありながら新たな魅力が感じられる表紙になりましたね。
松井:自分のこだわりを尊重していただきつつ、プロの意見もしっかり取り入れたので、本当に皆さんと一緒に作った一冊だなと実感しています。
――完成した写真集をご覧になっていかがでしたか?
松井:最初は「あれ? これは本当に私?」と思うぐらい新しい表情が引き出されていると思いました。
■充電期間を経た28歳の現在地とは? 結婚観や今後のビジョンも語る
――ご自身の20代の今を収めた写真集が放たれますが、28歳の松井さんにとってどんな“20代”になっていますか?
松井:周りの皆さんに「二十歳超えたら早いよ」と言われていたんですけど、本当にそうだったので、ビビります(笑)。ビックリするぐらい時間が早く感じるので、より一日一日を大事にしようと思うようになりました。
――20代になって事務所も独立されましたが、だからこそ時間の過ごし方に対する意識も変わったんですか?
松井:確かにそれもあるかもしれないです。やれることも、やることも増えて、気づいたら時間が経っているということが、結構ありますね。
――休養中に大事にしていたことは何ですか?
松井:休んでる時に大事にしてたことは、仕事のことを一切考えないことでした。仕事が大好きだったので、何をしていても仕事のことを考えてしまうんです。グループ時代もメンバーとご飯行ったらずっと仕事の話をしちゃうし…オンオフの切り替えが下手なんですよね。けれど、SNSも止めて、普段の食事を楽しんだり、ステキな景色を見たり、同級生と会ったり…そんなふうに一旦仕事のことを忘れるようにして、タレントの松井珠理奈ではなく一人の女性として日常を過ごしていました。今でもお休みの時はそれができてるんじゃないかな。そういう“ちゃんと充電をする”という時間がないと、仕事も良い取り組みでできていなかったような気がします。
――収録されているインタビューでは、松井さんの人生の歩みを赤裸々に話されていて、結婚観にも触れられていたのが印象的でした。
松井:私は小学校1年生ぐらいの時に親が離婚して、家族での思い出があまりないので、それを取り返したいみたいな気持ちがあるんですよね(笑)。ステキな旦那さんがいて、もし子どもが生まれたら、行きたいところに連れていってあげたい。家族みんなが行きたいところに行って寄り添いあえる家庭が築けたらいいなと思います。
――ようやく写真集が発売を迎えましたが、今後、松井さんがやってみたいことは?
松井:歌ったり踊ったりすることが、やっぱりめちゃめちゃ好きなんです。それはずっと続けていきたいですね。新曲を出したり、ソロでコンサートもしたりしたいですね。『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系)に出させていただいて、たくさん反響をいただいたのがすごくうれしかったんです。もっとダンスが上手になりたいし、やっぱり踊るのは楽しいなと改めて再確認させていただいたので、そういうお仕事をちょっとずつやっていけたらうれしいですね。
それと、自分が体調を崩した時に健康が一番大事ということを改めて感じたので、皆さんも自分と向き合う時間を増やしてもらえるように発信していけたらいいなと思っています。皆さんが健康になるための何かができたら。そのためにまずは自分が健康を維持することが大事。よもぎ蒸しに行ったり、毎日ハーブティーを飲んだりしている習慣を続けたいです。
――改めて、写真集を心待ちにしている方にメッセージをお願いします。
松井:初めてのランジェリー姿を含め、自分でもビックリするぐらい新しい表情が引き出されています。それと同時に「全然変わらんじゃん!(笑)」みたいな笑顔もあって、この一冊に私の全て詰まっているかなと思います。『アイヲシル』だけじゃなくて、松井珠理奈の魅力を知る一冊になっていると思うので、ぜひたくさんの方に見ていただけたらうれしいです。
(取材・文:齊藤恵 写真:高野広美)
松井珠理奈2nd写真集『松井珠理奈写真集 アイヲシル』は、宝島社より発売中。定価3850円(税込)。