今夜21時から、日本テレビ系・金曜ロードショーにて『眠れる森の美女』が放送される。1959年に公開されたディズニーアニメ映画の名作だが、なんと地上波放送されるのは今回が初。オーロラ姫やマレフィセントは知っているけど、よく考えたらどんな話かあんまり知らないかも…という人も少なくないのでは? しかし、ディズニーマニアからの支持は非常に高い本作。なぜ『眠れる森の美女』は愛されるのか、きっと今夜見たくなる秘密を紹介したい。【写真】どこ切り取っても美しすぎる! 『眠れる森の美女』場面写真 シャルル・ペローの童話を基に製作された本作。とある国に待望の王女、オーロラ姫が生まれるところから物語は始まる。国中がお祝いに招かれる中、魔女・マレフィセントは自身が招かれなかった腹いせに、姫に“16歳の誕生日に、糸車で指を指し命を落とす”という呪いをかける。森の中で隠されて育ったオーロラ姫だが、16歳の誕生日にフィリップ王子と出会い…。運命のキスや悪い魔女との戦いなど、現代でもおとぎ話のモチーフとしてよく知られるシーンが多数登場する。【秘密①】とにかく絵が美しい! ディズニー映画史上“最も贅沢”なアニメだった 『眠れる森の美女』の1番の特徴と言えるのが、その絵の美しさ。ディズニーアニメーションはどれも美しいが、本作はちょっと特別といってもいい。冒頭シーンではオーロラ姫の誕生を祝いに国中の人々が国王と王妃のもとを訪れる。城に向かう大勢の人々や馬たちは立ち止まることなく、銘々に歩いたり談笑したりしている。一見何でもないシーンだが、画面上の“すべての生き物”が動いているのは圧巻だ。これを60年以上前に……? と思うと怖さすらある。また全編通して色彩やキャラクターの表情が活き活きしており、どこで一時停止しても絵画のように美しい。 それもそのはず、『眠れる森の美女』は当時のディズニーアニメ史上最高額の600万ドルをかけて製作された超贅沢な作品。描かれたセル画は約100万枚にものぼる。ちなみに、日本アニメ映画の雄である『千と千尋の神隠し』は約11万枚、『AKIRA』は約15万枚。100万枚という数字がいかにものすごいか感じていただけるだろう。また本作は世界で初めて70mmフィルムで製作されたアニメ映画でもある。アニメ界を一歩先に進めたレジェンド作品だったのだ。【秘密②】絵画のような世界観を作った“ディズニー伝説のアーティスト” どこを切り取っても美しい『眠れる森の美女』の世界。魔法に満ちた世界に鮮やかな色を与えたのは、“伝説”の女性だった。 その色彩設計を担当したのは、ディズニー作品を多数手がけた芸術家のメアリー・ブレアさん。1943年にアメリカ公開された『ラテンアメリカの旅』に始まり、『シンデレラ』『不思議の国のアリス』『ピーター・パン』などを手掛けた。ディズニーの鮮やかで優しいファンタジックな色彩は、メアリーさんの手によって生み出されていたのだ。 日本でも、メアリーさんの仕事を目にすることができる。東京ディズニーランドにある「イッツ・ア・スモールワールド」は、メアリーさんがそのコンセプトアートを手掛けている。カラフルなおもちゃ箱のような空間で、世界中の人や動物たちが歌う“世界一幸せな船旅”と言われるこのアトラクションは、メアリーさんが作る世界を全身で浴びられる贅沢な乗り物だ。【秘密③】オーロラ姫の声、どこかで…? 4人のヒロインの声を務めた声優 『眠れる森の美女』の大切な要素の1つが、その音楽。チャイコフスキー作曲のバレエ音楽を使用した優雅なメロディに包まれる76分は隅々まで素敵だが、その中でもやはりヒロインのオーロラが歌う「いつか夢で」は誰しも耳にしたことがある名曲。16年間自分が誰かを知らないまま森の中で育った彼女の夢見るような歌声はまさにザ・ディズニープリンセス。そんなオーロラ姫の日本語吹替声優をつとめたのが、歌手で声優のすずきまゆみ(現行版)だ。 ディズニーのヒロインといえば、その美しい歌声が大きな構成要素となる。まさに“ディズニーヒロイン”な歌声を持っているすずきはオーロラ姫だけでなく、『リトル・マーメイド』アリエル、『ムーラン』ファ・ムーラン、『ターザン』ヒロインのジェーンと、全部で4人ものヒロインに日本語の声を与えた。昨年放送された『ミュージックステーション SUPER LIVE 2024』(テレビ朝日系)では、清塚信也のピアノ演奏で『リトル・マーメイド』「パート・オブ・ユア・ワールド」を披露。その変わらない歌声が話題になった。 映画『眠れる森の美女』は『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて12日21時放送。