今田美桜主演の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合)の最終回を見る会が、本日9月26日、NHK高知放送局の主催により高知県立県民文化ホールで開催された。会場には登美子役の松嶋菜々子、脚本を担当した中園ミホ、チーフ演出の柳川強エグゼクティブ・ディレクターを迎え、約1300人が来場した。



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 本作は、高知県出身の漫画家やなせたかしさんとその妻の暢(のぶ)さん夫妻をモデルに描かれる物語。本日9月26日最終回を迎えた。

 最終回を見る会で、登美子役の松嶋菜々子は、主演の今田について「今田美桜さんには『1年間、本当にお疲れ様でした』という思いでいっぱいです。現場では、いつも明るく頼りがいのあるヒロインだったので、安心して見守っていました」と語った。

 自身の演じた登美子については「登美子のストレートな発言は役柄として必要なもので、どのセリフも迷わず、気持ちよく言い切ることができました。中園さんが描かれるキャラクターは、言いたいことをズバッと口にするはっきりした人物が多いので、登美子が毒舌をはかない場面では、少し物足りなさを感じることもありました(笑)。間違っていると思えばオブラートに包まず発言する点は、のぶさんとも重なる部分でしたし、嵩(北村匠海)が母親に似た人を好きになるという細やかな演出も、とても好きでした。最終週まで登美子を演じることができて、本当にうれしかったです」と振り返った。

 脚本を担当した中園ミホは「最終回についてはやなせたかしさんのエッセイの中で書かれている言葉をたくさん散りばめていて、のぶが新聞記者のインタビューに答えているシーンも、暢さんの言葉そのものです。やなせ夫妻は、本当にドラマで演じられたような夫婦だったんじゃないかなと思っています」と推測。

 その上で、「やなせたかしさんの作品は、みんなが知っている優しい言葉を使っていますが、この作品を描いてやっと言葉の奥にある深い感情が分かった気がしました。『アンパンマン』が体現するメッセージは、全てやなせ哲学だと思っています。
この作品を見てくださった多くの人たちに知ってもらえたらと願っています。そして、ひとかけらのパンを待っている子どもたちのことを考えていただけたら嬉しいです」と述べた。

 チーフ演出の柳川強エグゼクティブ・ディレクターは「高知の皆さんの熱狂を感じつつ最終回を見ることができました。いろんな想像力を最終回の最後の青空に託しました。高知で見ると、高知の空にアンパンマンが飛んでいる感じがしました」とあいさつ。

 さらに「のぶと嵩が話す8分を超えるシーンに関しては、本番1回で撮りました。芝居を固めるのが嫌で、リハーサルもしませんでしたが、今田美桜さんと北村匠海さんと相談したところ、お二人とも『リハーサルはなしでいい』ということでした。本番1発勝負の方が、緊張感もあり、2人も1年間のぶと嵩として暮らしてきた思いもでてくるので、このような撮影にしました」と明かした。

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