『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングが、ハーマイオニー役で知られるエマ・ワトソンに向けて辛辣なコメントを発信した。発端となったのは、エマがポッドキャスト番組で語った「ローリングをキャンセルすることはない」という発言。

2人の複雑な関係に再び注目が集まっている。

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 ローリング(60)は9月29日、X(旧Twitter)に長文を投稿。これは、9月24日に配信されたジェイ・シェティのポッドキャスト『On Purpose with Jay Shetty(原題)』でのエマのインタビューを受けたものだった。

 ローリングはこう書き出している。

 「かつて私が生み出したキャラクターを演じた俳優が、永遠に私と意見を一致させる義務はない。そんな考えは、21歳のときの上司に“いまの私がどんな意見を持つべきか”を確認するのと同じくらい馬鹿げている」

 続けて、エマや共演者たちがジェンダー・アイデンティティを支持すること自体は自由だと認めつつも、こう記している。

 「エマ・ワトソンや共演者たちがジェンダー・アイデンティティのイデオロギーを支持するのは彼らの権利であり、その信念は法的に保護されている。彼らがそのために仕事を失ったり、暴力や死の脅威にさらされたりすることを私は望まない」

 しかしその一方で、彼女は批判を強めた。

 「だが、特にエマとダン(ダニエル・ラドクリフ)は、ここ数年、私たちのかつての職業的関係が、彼らに“私や私の考えを公に批判する権利、いや義務”を与えると考えてきたようだ。『ポッター』出演を終えて何年も経つのに、彼らはいまだに私の作り出した世界の“事実上の代弁者”を気取っている」

 さらに最も辛辣な一文も加えた。

「富や名声に守られずに大人として生きた経験のない人たちと同じく、エマには現実社会の経験が乏しい。だからこそ、自分がどれほど無知かすら無知なのだ」

 この投稿は、エマが番組で「人を排除することに正当性を与えるような風潮は間違っている。
誰一人として“使い捨て”ではない」と語り、「ローリングをキャンセルすることはない」と述べたことを受けてのものだった。

 ローリングはまた、2022年の英国アカデミー賞でのエマの発言にも触れた。当時、司会のレベル・ウィルソンが「フェミニストを自称しているが、我々はみんな彼女が魔女だと知っている」と紹介した後、エマは「私はすべての魔女のためにここに来た」と舞台で発言。これについてローリングはこう振り返る。

 「実際、あれが私にとっての転換点だった。だが、その後の“追記”のほうがはるかに傷つけられた」

 としてさらにこう明かした。

 「エマは誰かを通じて私に手書きのメモを渡そうとした。そのメモには『あなたが今経験していることについて本当に残念に思う』と一文だけが書かれていた。(彼女は私の電話番号を知っているのに)」

 「当時、私は殺害・強姦・拷問の脅迫が最高潮に達しており、厳重な警備を強いられ、家族の安全にも常に怯えていた。そんな中で、エマは公の場で火に油を注ぎながら、たった一文の“気遣い”で自分の優しさを示せると思ったようだ」

 ローリングはこれまで、子役時代から彼らを見守ってきたことでキャストへの「保護欲」を抱いていたと打ち明けつつも、今回の発言で大きな失望を表明した。

 一方、エマ側の広報は、PEOPLEからのコメント要請にすぐには応じなかった。

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