柿澤勇人吉沢亮がダブルキャストで主演を務めるミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』が、東京・EX THEATER ARIAKEにて2026年7月~8月上演されることが決定し、コメントが到着。本作は同年8月~9月に愛知、大阪でのツアー公演も実施される。



【写真】人気ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』が日本版演出で上演決定 公演ビジュアル

 本作は第71回トニー賞でミュージカル作品賞・ミュージカル脚本賞・オリジナル楽曲賞など6部門に輝き、第60回グラミー賞や第45回エミー賞なども受賞した話題作。

 2016年にニューヨーク・ブロードウェイで上演されるやいなや、社会現象になるほどチケットが連日完売となった大ヒットミュージカルが、日本版演出で上演。東京ドリームパーク内の新劇場・EX THEATER ARIAKEのOPENING LINEUP第3弾となる。

 主演のエヴァン・ハンセンを演じるのは、柿澤勇人と吉沢亮(ダブルキャスト)。両者ともに、ブロードウェイで本作を観劇し、日本版への出演を望んで今回の出演が決まった。

 本作の作詞・作曲は『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』を手掛けたベンジ・パセックとジャスティン・ポール、そして脚本は、名作『RENT』に大きな影響を受けたスティーヴン・レヴェンソン。日本版演出を務めるのは、第25回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞し、数々の舞台・ミュージカルの演出で注目を集める小山ゆうな。残酷で混沌としたSNS時代に、自分の居場所を切実に求める青年の孤独感や葛藤、他人の悲嘆を自分の物語として共有したがる心理、大人たちの不器用な喪失との向き合い方などを見事に描き出した本作を、豪華キャスト・スタッフとともに日本で新たに創り上げる。

 エヴァン・ハンセンは学校に友達がおらず、唯一の家族である母親ハイディにも心を開けずにいる。社交不安障害の治療のため毎日自分宛ての手紙を書いており、ある日「Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)」から始まる手紙を、学校で同級生のコナーに持ち去られてしまう。それは誰にも見られたくないエヴァンの心の声が書かれた手紙だった。

 後日、校長室に呼び出されたエヴァンは、コナーの父ラリーと母シンシアからコナーが自ら命を絶った事を知らされる。
悲しみに暮れるコナーの両親は息子が持っていた手紙を見つけ、コナーとエヴァンが親友だったと思い込み、2人の友情を詳しく知るためにエヴァンを夕食に招待する。

 夕食の席で妹のゾーイから疑いの目を向けられるものの、エヴァンはとっさの思いやりで嘘をついてしまう。さらにエヴァンは、友人のジャレッドの力を借りて、友情の証拠であるメールのやり取りをでっち上げる。コナーの両親にメールのやり取りを見せ、“コナーとの楽しかった思い出”を語り、嘘を塗り重ねてしまう。

 エヴァンとジャレッド、同級生のアラナは、コナーの存在を忘れないためにコナー・プロジェクトを学校で立ち上げる。エヴァンの感動的な作り話のスピーチがSNSで急速に拡散され、彼と周囲の人々の人生を大きく動かす。やがて〈思いやりでついた嘘〉の真実が少しずつ明らかになり、事態は思いもよらぬ方向に進んでいく―。

 社交不安障害を抱え孤独な日々を送るエヴァン・ハンセンが、クラスメイトの死ととっさについた嘘がきっかけで本当の自分に気づくまでの過程が描かれる本作。キャッチーで聞く人の心を揺さぶる名曲とともに、一人の青年の孤独と葛藤を、柿澤と吉沢が舞台上で表現する。

 エヴァンの母親であるハイディ・ハンセン役を安蘭けいと堀内敬子、エヴァンが心魅かれるゾーイ・マーフィー役を木下晴香と松岡茉優、コナー・マーフィー役を立石俊樹と廣瀬友祐、ジャレッド役を上口耕平須賀健太、アラナ役を高野菜々宮澤佐江、シンシア・マーフィー役を瀬奈じゅんマルシア、ラリー・マーフィー役を石井一孝新納慎也がそれぞれダブルキャストで演じる。

 さらに登場人物の内面を表現する“影”をダンサーが演じ、何度観ても新たな発見と高揚感をもたらしてくれる。

 現代人が抱える理想と現実のジレンマをストレートに表現し、「居場所」を求める全ての人へ贈る希望に満ちたミュージカルに期待が高まる。


 なお、東京公演チケットは来春販売予定。

 ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』は、東京・EX THEATER ARIAKEにて2026年7月~8月上演。同年8月~9月に愛知、大阪にて上演。

 翻訳・演出の小山ゆうな、柿澤、吉沢のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■小山ゆうな(翻訳・演出)

 『ディア・エヴァン・ハンセン』初演時から10年、コロナ禍を経て、SNSと人間の関係・他者とどう繋がるかといった価値観も大きく変わってきました。今上演するには、作品にどのように光をあてれば良いか、クリエイティブメンバーと打ち合わせを重ねています。

 私自身ブロードウェイ初演時には、斬新な発想、素晴らしい楽曲・演者達、全てに衝撃を受け、日本での上演を楽しみにしていたので、お話をいただいた時は驚きすぎて言葉を失いました。

 今台本に向き合い、作品の素晴らしさを改めて感じています。日本のお客様の期待に応えられるようスタッフ・キャストともに、作品に最大の敬意を払いクリエイトしていきますので応援して頂ければ幸いです。

■柿澤勇人(エヴァン・ハンセン役/Wキャスト)

 ブロードウェイでこの『ディア・エヴァン・ハンセン』が開幕した直後、すぐに音源や英字台本を取り寄せました。気付いたら貪るように今作品とエヴァンについて勉強をしていて、いつしか漠然と「この役やりたいなあ」と…。普段、滅多に我を主張する方ではないのですが、まさか自分にそのチャンスが巡ってくるとは思っていませんでした。


 そして一方的に大好きで且つファンである素敵なキャストの方々が集いました。カンパニーと共に最高の作品になるよう、そして自身も少しでも作品に貢献できるよう、実は今年の初めからトレーニングを始めています。先日誕生日を迎え38歳になったばかりですが(笑)、まだまだ悪あがきする所存でございます。

■吉沢亮(エヴァン・ハンセン役/Wキャスト)

 数年前、ブロードウェイで初めて観た時からずっと心の中に残り続けていた『ディア・エヴァン・ハンセン』。どうしようもない絶望の中で、誰かが手を差し伸べてくれるのを期待してしまう。SNSなどを通して世界と不確かな繋がりを持ちながら、常に孤独がまとわり付く現代を象徴する傑作だと思います。

 精一杯やらせていただきます。よろしくお願いします。

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