松山ケンイチ主演のドラマ『テミスの不確かな法廷』が、NHK総合ほかにて2026年1月6日より放送されることが決定した。

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 新聞記者である直島翔が描く異色のリーガルミステリー『テミスの不確かな法廷』。

発達障害を抱える裁判官をはじめ、裁判所職員、検事、弁護士——それぞれが真実を求めてぶつかり合う緊迫した法廷の攻防と、時にかみ合わない会話をコミカルに描いた本作品は、“普通”とは何か、“正義”とは何かを問いかける。

 主演はNHK連続テレビ小説『虎に翼』で厳しさと温かさを併せ持つ最高裁長官・桂場を、ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)では癖のある弁護士・松風を、映画『デスノート』では圧倒的な存在感で“L”を演じるなど、数々の話題作で注目を集めてきた俳優・松山ケンイチ。

 脚本は『イチケイのカラス』シリーズ、 『ブルーモーメント』『絶対零度』シリーズ(いずれもフジテレビ系)など、緻密な構成とダイナミックな展開で見る者をひきつけてきたヒットメーカー・浜田秀哉。チーフ演出はNHKドラマ10『宙わたる教室』で定時制高校の生徒たちの心の機微を丁寧に描き出し、鮮烈な印象を残した吉川久岳。

 この三者がタッグを組み、原作のスピリットを受け継ぎながら、登場人物たちの古傷や因縁、葛藤を掘り下げ、オリジナルの物語を重ねてさらなるエピソードを紡ぎ出す。法廷という枠を超え、“人が人を裁く”とは何かを見つめ直す、深い人間ドラマがここに誕生する。

 任官7年目の裁判官・安堂清春(松山ケンイチ)。東京から前橋地方裁判所第一支部へと異動してきた彼は、一見、穏やかな裁判官に見える。だが、その内側には絶対に打ち明けられない秘密が…。幼い頃、衝動性や落ち着きのなさから ASD(自閉スペクトラム症)と ADHD(注意欠如多動症)と診断された安堂。以来、彼は自らの特性を隠し、“普通”を装って生きてきた。それでも、ふとした言動が前橋地裁第一支部の面々を戸惑わせ、法廷内外で混乱を巻き起こしてしまう。
そんな安堂の元に、複雑な人間模様が絡み合う、難解な事件が舞い込んでくる。やがて、安堂の特性からくる“こだわり”が、誰も気づかなかった事件の矛盾をあぶり出す。しかし同時に、彼は自身の衝動とも格闘しながら公判に挑まなければならない。果たして安堂は、公正に事件を裁き、真実へとたどり着くことができるのか?

 主演の松山は「安堂は自分の特性を活かせる仕事として裁判官を選択しましたがそれは自分の一部分の特性で、他の部分はまだまだ未知数です。その未知数な部分が様々な人々との関わりでどう変化していくのか、それとも変化しないのか楽しみです」とコメントしている。

 ドラマ『テミスの不確かな法廷』は、NHK総合ほかにて2026年1月6日スタート。毎週火曜22時放送。

※コメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■松山ケンイチ

主人公の安堂は普段何気ない事柄からもとても繊細に沢山の情報を捉えて吸収している一方で、コミュニケーションのテンプレートに対応するのが困難だったりと、とても特徴的なキャラクターだと思いました。本作品は、このような人間が周りにどんな影響を与えていくのかをとても温かく優しい目線で描かれているように感じました。
安堂は自分の特性を活かせる仕事として裁判官を選択しましたがそれは自分の一部分の特性で、他の部分はまだまだ未知数です。その未知数な部分が様々な人々との関わりでどう変化していくのか、それとも変化しないのか楽しみです。

台本を読み進めていくと、特性の部分で違いは沢山あるけれど感性を持った人間として僕と安堂は何が違うんだろうと考えるようになりました。凸凹は誰しもがあるけれど、その裏には様々な心の傷があるように思います。その傷がどれだけ大きかったのか、安堂の鋭いきめ細かな感性にこの番組に関わる全ての人たちと一緒に寄り添っていくことで人間について新たな発見や気付きがある作品にできればと思います。

■原作:直島翔

人には不可思議な面があります。例えば大谷翔平選手はトマトが苦手です。裁判官・安堂清春は理解されがたい特性を数多く持っています。極度の偏食に毎日の忘れ物、落ち着きがなく、人の気持ちが分からない……それでも社会にまざって懸命に生きようとします。彼の名は「青春」にさんずいをふって清春としました。周囲との違いから涙に濡れる異能の裁判官を松山さんが演じると聞いて、とても安心しました。優れた脚本と演出のもと新たに誕生する清春を心待ちにしています。

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