第36回フジテレビヤングシナリオ大賞受賞作『人質は脚本家』(脚本・石田真裕子)が、中尾明慶主演、高橋克実、内田理央の共演でドラマ化され、フジテレビ(関東ローカル)にて12月20日14時30分から放送されることが決まった。スマートフォン向けの縦型ドラマも同時に制作され、FODショートにて12月5日0時より配信される。



【写真】『人質は脚本家』で主演を務める中尾明慶

 本作は、“脚本家が現実の事件に巻き込まれたら”というユニークな発想から生まれた逆転コメディードラマ。「失敗しても、人生はやり直せるのか?」―立てこもり事件という緊迫した状況の中で、なぜか少し笑える“やけくそ感”と、人がもう一度立ち上がろうとする力強い姿を描いていく。作者の石田真裕子は本作でテレビドラマ脚本デビューを果たす。プロデュース・演出は宮木正悟。

 物語の主人公は、かつて連続ドラマ『ルーザー』の脚本を担当した元脚本家の小泉拓哉(中尾明慶)。視聴率不振で作品は“7話打ち切り”という結果に終わり、ネット上でも酷評を受けて業界から姿を消した。現在はコンビニでアルバイトをしながら、夢を諦めかけている。

 そんな中、母親からの連絡を受け実家に帰省した拓哉は、立ち寄った地元の郵便局で突然“人質”となってしまう。犯人は「娘に会いたい」と訴える中年男性・三枝誠(高橋克実)。会社の倒産、家族の離散を経て、唯一の願いである“娘との再会”をかなえたい一心で起こした、思いつきの立てこもり事件だった。

 拓哉と話すうちに三枝は、勇気をもらったドラマ『ルーザー』の脚本家が、目の前の拓哉であることに気づく。「失敗しても、やり直せばいい」あのドラマに救われたと言う三枝。
だが、その脚本を書いた拓哉自身は、まさに“ルーザー”として人生に行き詰まっていた。そんな緊迫した空気の中、三枝は拓哉に思いがけない言葉を放つ。「この事件の続き、脚本にしてください!」―。

 銃を突きつけられながら、拓哉は事件の“脚本”を書き始める。そこから始まるのは、現実と物語が交差していく不思議な時間。閉ざされた空間の中でそれぞれの“やり直したい過去”と向き合いながら、少しずつ心を通わせていく。やがてその“物語”が、彼自身と周囲の人生を変えていくことになる。

 中尾が演じるのは、かつて連続ドラマ『ルーザー』の脚本を手掛けながらも低視聴率と酷評により業界を離れた元脚本家・小泉拓哉。現在はコンビニで働きながら夢を諦めかけているが、思いがけず郵便局で“人質”となり、犯人から「この事件を脚本にしてくれ」と迫られる。やけくそで書き始めた脚本が、やがて自身や周囲の人生を変えていくという難役に挑む。

 中尾は「克実さんと僕。ヤング感やフレッシュさはないかもしれませんが、、、(笑)でも、拓哉の言葉を借りて、思いを本作にしっかりぶつけました。
ぜひご覧ください」とメッセージを寄せた。

 高橋が演じるのは、「娘にもう一度会いたい」という一心で郵便局での人質立てこもり事件を起こす中年男性・三枝誠。拳銃片手に暴走するも、どこか憎めないその姿は、さながら人生の迷路をさまようロマンチスト。やけくそな行動の裏に、切実な想いが詰まった“愛すべき犯人”を人間味あふれる演技で表現する。

 高橋は「“失敗してもまた挑戦すればいい”。この作品は、そんなまっすぐなメッセージをすごくあたたかく描いていると思います。脚本の石田さんの情熱も強く感じましたし、その熱が物語全体にしっかり息づいています。一見突拍子もないように見えて、実はとてもベーシックで心に残るお話です。“ルーザー”と呼ばれた人たちが立ち上がっていく姿を、ぜひ共感していただけたら嬉しいです」とコメント。

 内田が演じるのは、拓哉の元恋人であり、現在は郵便局員として働く鮫島音。現実的でしっかり者の性格だが、事件の行方を左右する重要な役どころ。冷静なツッコミ役として物語を引き締めつつ、ラストで見せる感情の揺れが印象的なキャラクターだ。


 内田は「誰しも一度は立ち止まってしまう瞬間があると思います。そんな時にそっと寄り添い背中を押してくれる作品です。翻弄されながらも、もう一度前に進もうとする人たちの姿が、皆さまの心にも届きますように。ぜひお楽しみください」としている。

 本作は、同一脚本から縦型ドラマ(スマートフォン向け)と横型ドラマ(テレビ放送・配信向け)を同時に制作する新たな試みを実施。これはフジテレビヤングシナリオ大賞の歴史の中ではもちろん、フジテレビとしても初の試みとなる。

 ドラマ『人質は脚本家』は、縦型ドラマがFODショートにて12月5日0時より配信、横型ドラマがフジテレビ(関東ローカル)にて12月20日14時30分放送。

※コメント全文は以下の通り

【コメント全文】

・中尾明慶
◆本作の台本を読んだ感想は?
「今回、この作品をやるにあたって脚本を書かれた石田真裕子さんにお会いしお話をさせていただきました。俳優も脚本家も明日仕事がなくなるかもしれない不安で通ずるところもあり、この作品も石田さんのリアルな思いであふれていて、感情移入ができました。ストーリーも笑って泣けて純粋に面白く、人間味あふれた拓哉を演じたいと素直に思いました」

◆小泉拓哉という売れない脚本家の人質役を、どのように演じましたか。
「脚本家として芽が出なかった拓哉は、誰にも認められなかったり、失敗する怖さみたいなものが常に彼の根っこにはあって、でも過去に大きな失敗をしたからこそ、その畏れを経験した人間にしか出せない優しさを、大切に演じるよう心がけました」

◆視聴者へのメッセージをお願いします。
「克実さんと僕。
ヤング感やフレッシュさはないかもしれませんが、、、(笑)でも、拓哉の言葉を借りて、思いを本作にしっかりぶつけました。ぜひご覧ください」

・高橋克実
◆本作の台本を読んだ感想は?
「まず、すごく面白かったです。80年代の小劇場ブームの中で芝居をしてきた自分には、 “あの頃の匂い”をどこか感じました。発想はぶっ飛んでいるのに、読んでみるととてもノスタルジックで読みやすい。全体はコメディタッチなのに、登場人物それぞれの思いや関係性がしっかり感じられて、可愛らしい脚本だなと感じました」

◆三枝誠という“生き別れた娘に会いたい”犯人役を、どのように演じましたか。
「三枝は“犯人”ではありますけど、すごく悪意のある人間ではなくて…ある種の“仕方のない暴走”。本当はやらなくてもよかったのに、娘に会いたいという強い気持ちが、ああいう行動をとらせてしまった。人生って失敗やコケることの繰り返しですよね。 “そういう人生を歩んできた人”として体現できればと思って演じました」

◆視聴者へのメッセージをお願いします。
「“失敗してもまた挑戦すればいい”。この作品は、そんなまっすぐなメッセージをすごくあたたかく描いていると思います。脚本の石田さんの情熱も強く感じましたし、その熱が物語全体にしっかり息づいています。
一見突拍子もないように見えて、実はとてもベーシックで心に残るお話です。“ルーザー”と呼ばれた人たちが立ち上がっていく姿を、ぜひ共感していただけたら嬉しいです」

・内田理央
◆本作の台本を読んだ感想は?
「素直にとても面白くて、一気に物語の世界へ引き込まれました。コミカルな部分では思わず笑ってしまい、最後にはほろっと温かい気持ちに。失敗してもまた歩き出すことができる。そんな前向きな力を読んでいる私自身貰いました」

◆鮫島音という役を、どのように演じましたか。
「鮫島音はさっぱりしていて何事にも動じない性格。でも実は、その裏には大変だった過去と本音を抱えている物語の鍵となる女性です。彼女の強さと葛藤を大切に表現できればと思っています。拓哉の元カノという、ちょっと気まずい関係性にも注目していただけたら嬉しいです(笑)」

◆視聴者へのメッセージをお願いします。
「誰しも一度は立ち止まってしまう瞬間があると思います。そんな時にそっと寄り添い背中を押してくれる作品です。翻弄されながらも、もう一度前に進もうとする人たちの姿が、皆さまの心にも届きますように。
ぜひお楽しみください」

プロデュース・演出:宮木正悟 コメント
「数々の名脚本家を生み出してきた『フジテレビヤングシナリオ大賞』。その36回目の大賞に選ばれたのは石田真裕子さんの『人質は脚本家』という作品。“夢を諦めかけた脚本家がまさかの人質に!?犯人からは「この事件の続きを書いて欲しい」と頼まれ…さあどうなる?”という笑いあり涙ありの1シチューション逆転コメディです。主人公役の中尾明慶さん、犯人役の高橋克実さんは意外にもここまでしっかりと共演されたのは今回が初だそう。そんなお二人の熱い掛け合いが作り出す“どこか憎めない…応援したくなるキャラクター”は必見!更に物語のキーパーソンとなる内田理央さんの役どころにも注目です。脚本家の石田さん自身が、どうしても脚本家になるという夢を諦めきれずに一念発起して応募されたそうで、そんな石田さんの【脚本家=夢】に対する想いが詰まった今作。“人生をもがいて頑張る全ての人”への応援歌となるようなドラマになったと思いますので、是非お楽しみにして頂ければ幸いです」

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