イーサン・ホークが連続誘拐犯人を演じたサイコ・スリラー映画『ブラック・フォン』(2022)の続編『ブラックフォン 2』(11月21日公開)より、死者となり<無敵の悪>と化した連続殺人鬼グラバー(イーサン)が、少女の夢に出現する本編映像が解禁された。

【動画】斧を構えた連続殺人鬼グラバーが初めてグウェンの夢の世界に現れる――『ブラックフォン 2』本編映像

 前作『ブラック・フォン』は、スティーヴン・キングの息子ジョー・ヒルの名短編「黒電話」を原作に、ホラー界を牽引するブラムハウスが製作、『エミリー・ローズ』(2006)、『フッテージ』(2012)、『ドクター・ストレンジ』(2016)のスコット・デリクソンが監督を務めたサイコスリラー。

断線した黒電話から聞こえる死者からのメッセージを頼りに、少年フィニーが連続殺人鬼からの脱出を図る姿を描いた。

 そんな傑作サイコスリラーの続編がついに完成。グラバーの死をもって惨劇は幕を閉じたかに思われたが、むしろ死は始まりに過ぎなかった。『ブラックフォン 2』では事件から4年後、兄フィニーと妹グウェンの前に<黒電話>が再び鳴り響く――。

 北米初登場1位を記録し日本公開を目前に控えた本作より、死者となり<無敵の悪>と化した連続殺人鬼グラバーが、グウェンの夢に初めて現れる本編映像が解禁。

 凍てついたおぞましい形相のマスクをつけた連続殺人鬼グラバーが、斧を構え厨房でグウェン(マデリーン・マックグロウ)に詰め寄る。その斧は、4年前の惨劇で自分の弟を死に追いやったものなのか…。むき出しの悪意を込めて斧を振り下ろし、執拗にグウェンへ襲い掛かるグラバー。

 グウェンが必死に抵抗するなか、彼女と共にウィンターキャンプを訪れた友人アーネスト(ミゲル・モラ)たちが飛び込んでくる。しかし彼らの目に映るのは、首を絞められているかのようなうめき声をあげながら、ひとり床に転がるグウェンと、何もないところで揺れる照明。異様な光景に固まるアーネストたちに気づいたグラバーは、グウェンを壁に向けて激しく投げつける。

 グウェンに降りかかるこの恐怖は、死んだことで無敵となったグラバーの復讐劇の始まりに過ぎない。
『ブラック・フォン』でグラバーを葬ったことにより、怨念を向けられた兄フィニー(メイソン・テムズ)と妹グウェンはどんな危機を迎えることになるのか。前作の恐怖は単なる《序章》に過ぎなかったことを物語る、すさまじく緊迫したシーンだ。

 続編で死者として現れた、連続殺人鬼グラバー。脚本・製作のC・ロバート・カーギルは「現世では人が死ぬと、その人間を形づくっていた“余計な部分”が消えていく。残るのは、もっとも強い核だ」と語り、「地下室の少年たちにとってそれは“恐怖”だった。フィニーの友人ロビンにとっては“道徳心”だった。だがグラバーの場合、それは“純粋な怒り”だ。彼は最後に自分の弟を殺したが、その罪を受け入れず、フィニーのせいにした。その憎悪こそが彼を死後の世界へと導いた」と、グラバーが再び兄妹の前に舞い戻った理由を明かす。

 そして、グラバーの姿を“怒りと残虐性そのもの”とし、「彼が求めているのは復讐だけではない。フィニーにも、愛する家族である妹グウェンを苦しめることで地獄を味わわせたい。その思いが、“グラバー”という怪物を構成していたすべての要素をさらに増幅させている」と、続編で深化する邪悪さの正体を解説。


 スコット・デリクソン監督もまた、グラバーについて「復讐に囚われた怨霊を演じている。ジャンルとしては定番だが、復讐霊が“語る”姿を描かれることはほとんどない」と説明し、「私は彼の動機や過去を探りたかった。なぜ彼は現れたのか?第一作で描かれなかった何を知ることができるのか?そこに興味があった」と、残虐さを増すグラバーの深層へと結びつく動機や過去が本作で描かれることを示唆した。

 単なる殺人鬼から、憎悪と怨念を核とする“怨霊”へと変貌を遂げたグラバーが、前作で描かれた恐怖をさらに引き上げ、観客に想像を絶する地獄を突きつける――。

 映画『ブラックフォン 2』は、11月21日より公開。

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