日本では特集上映などで限定公開され、幻の名作と噂ばかりが先行した伝説のイタリア製スリラー、『笑む窓のある家』(1976)がついに正式劇場初公開となる。監督はイタリア映画界の名匠プピ・アヴァティ。
【写真】想像を絶する“ラスト4分”が待つ 『笑む窓のある家』狂死した画家が遺したフレスコ画
【奇妙で猟奇的な実話に着想を得た“異常すぎるスリラー”】
大河のほとりに広がるのどかな田園地帯、小さな村の教会でフレスコ画修復を任された青年が奇妙な連続殺人事件に巻き込まれる。真相に迫る手がかりは不審死を遂げた友人が残した謎の言葉――“笑む窓のある家”。
『笑む窓のある家』が誕生したきっかけは、第二次大戦中に幼いアヴァティが疎開先で聞いた怖い話。村人の尊敬を集めた司祭の墓を開けたら、明らかに女性と見られる骸骨が入っていた逸話だ。実話に基づくホラー映画は多いが、そこから“異常すぎる”創作を導き出すのがアヴァティの胆力なのだ。
●『首だけの情事』(1980)ランベルト・バーヴァ監督
「事実は小説より奇なり」の精神を受け継ぎ、同じく新聞の三面記事を基にしたのが本作。ニューオリンズの古い邸宅を間借りして不倫に耽る女性が、交通事故で愛人を失い、彼の生首を冷蔵庫に保管。夜な夜な取り出しては禁断の情事に身悶える。
●『新サスペリア』(1986)カミロ・テッティ監督
こちらはイタリア犯罪史に残る未解決連続殺人事件、通称「フィレンツェのモストロ(怪物)」をベースにした実録系スリラー。暗がりに停めた車で逢瀬を楽しむカップルを銃で狙撃。犯行後の遺体損壊に異常な執着を見せた残忍な殺人鬼の正体は諸説あり、容疑者も逮捕されたが、結局は現在に至るまで謎のまま。同事件はトマス・ハリスの小説「ハンニバル」や、少女連続殺人事件を描く『フェノミナ』(1985)の着想源にもなっており、本作では犯罪学を専攻する女子大生の目線で事件を検証しつつ、終盤では犯人像を降霊会で霊視するトンデモ展開に突入する。
85年9月、実質的に最後となったモストロの犯行が発生。州検察官に被害者の遺体の一部が送りつけられ、大騒ぎになったタイミングで本作が急ごしらえされたが、遺族の訴訟で公開は延期に。フィレンツェでは上映禁止処分を受けた。
(文・山崎圭司)
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