鈴木福とあののダブル主演で、押見修造の伝説的漫画『惡の華(あくのはな)』が実写ドラマ化され、テレビ東京ほかにて2026年4月より放送されることが決定した。鈴木、あの、押見らのコメント、キービジュアル、ドラマ化を記念した押見描き下ろしイラストも到着した。



【写真】押見修造が役に扮した鈴木福とあのを描き下ろしたイラスト

 原作は『別冊少年マガジン』(講談社)で連載され、電子コミックを含め全世界累計325万部を突破している押見修造による同名の伝説的漫画。アニメや映画、舞台など、さまざまな形でファンを魅了してきました同作が実写ドラマ化される。

 ドラマは、ディズニープラスでのアジア見放題独占配信が決定しており、配信は各話地上波放送後のタイミングから開始予定。深夜ドラマの規模を超える展開をみせる。

 テレ東ドラマ初主演となる鈴木福が演じるのは、春日高男。ボードレールの詩集『惡の華』を愛読していることで、自分は他のクラスメートとは違うと思い込んでいる少年で、良くも悪くも現実から目を背けてしまう一面があり、根拠のない自信を抱いている一方で、自分に都合の悪い状況からは逃げようとする癖がある。

 ある日、ひょんなことから憧れのクラスメート・佐伯奈々子の体操着を盗んでしまい、その光景を見ていたクラスメートの仲村佐和に翻弄され、自分も知らなかった“自分”と向き合っていくという複雑な心情を、鈴木がどう演じていくのか、期待が高まる。

 そして、そんな春日を翻弄する仲村を演じるのは、もう一人の主演、あの。テレ東のドラマ出演は初めてで、さらに今回が地上波ドラマ初主演となる。

 あのが演じる仲村は、思春期に見られる“葛藤”である、自分の生きる街や環境、社会に対する不満を持ち、自分の考え・感情・欲望に忠実であるが故に、本能や欲望を隠して生きる人間たち(クソムシたち)に苛立ちを隠せない。そんな“絶望”に似た感情を隠さずにあらわにするため、周囲からは理解不能に見え、怖がられてしまうトラブルメーカー。思春期の心の変化と葛藤している仲村の“狂気”を、あのが体現する。


 鈴木は「多くの方に愛され、学生時代のさまざまな感情の記憶を揺さぶられるこの作品の主人公を演じさせていただけること、とても嬉しく思います。僕と近い雰囲気を持ちながらも、話が進むごとにこれまで演じたことのないキャラクターへ変化していく春日高男に、ワクワクしています」とコメント。

 あのは「まさか仲村さんを演じさせてもらう人生になるとは思ってもいませんでした。このご縁を大切に体当たりで撮影に挑ませていただきました。絶対に見逃さないでほしいです」と言葉を寄せた。

 キービジュアルでは、2人の主従関係を表しながらも、春日と仲村の心の危うさを表現。思春期の不安定さと、秘密の契約を交わし主従関係となった2人の“悦(えつ)”の感情を生々しいほどに表現したビジュアルになっている。

 さらに、原作の押見修造がドラマ化を記念して、春日と仲村に扮した鈴木福とあのを特別に描き下ろしたイラストが到着。ストーリーの中の思春期の暴走と、葛藤にさいなまれた春日と仲村の2人の主従関係を表しながら、鈴木とあのの表情が入り込んでおり、押見のドラマへの期待度が垣間見える。

 このイラストについて鈴木は「まさか押見先生に、僕の演じる春日くんを描いてもらえるなんて思ってもいなかったので、とても嬉しかったです!」、あのは「『惡の華』と出会ってから、押見先生の描く漫画にたくさんの感情をもらったので、とてもとても感慨深いです…! 素敵な描き下ろしイラストをありがとうございます」と喜びの声を。

 押見は「鈴木福さんは、昨今の演技を拝見して、春日を演じて頂くのがとても楽しみです。あのさんには、以前から仲村さんのような純粋さと反逆精神を感じていました。
昔漫画を読んでくださった方も、はじめての方も、観て頂けたら嬉しいです」とコメントを寄せた。

 ドラマ『惡の華』は、テレビ東京ほかにて2026年4月放送開始。ディズニープラスにて、各話放送後からアジア見放題独占配信。

 鈴木、あの、原作・押見、スタッフのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■鈴木福(春日高男役)

 多くの方に愛され、学生時代のさまざまな感情の記憶を揺さぶられるこの作品の主人公を演じさせていただけること、とても嬉しく思います。僕と近い雰囲気を持ちながらも、話が進むごとにこれまで演じたことのないキャラクターへ変化していく春日高男に、ワクワクしています。彼の持つ悩みや葛藤は、彼と同じ年だった頃の僕も、今の僕も、形を変えながら持っているものだと思います。この作品を通して、自分の中にある「惡の華」を愛でて、観てくださる皆さんの何かに養分を届けられたら嬉しいです。

■あの(仲村佐和役)

 何かに追われている。ただ、何から逃げているのか、どこに向かって走っているのかわからないまま生きていた頃、この作品を周りの方々から幾度もお薦めされ、そして読んだ時の衝撃はよく覚えています。「出会ってしまった」という感覚。そして数年越しにまた出会いました。
まさか仲村さんを演じさせてもらう人生になるとは思ってもいませんでした。このご縁を大切に体当たりで撮影に挑ませていただきました。絶対に見逃さないでほしいです。

■原作:押見修造

 原作漫画の連載終了から十余年、また新たにドラマとして世に放っていただけることは、稀有な有り難いことだと思っております。鈴木福さんは、昨今の演技を拝見して、春日を演じて頂くのがとても楽しみです。あのさんには、以前から仲村さんのような純粋さと反逆精神を感じていました。昔漫画を読んでくださった方も、はじめての方も、観て頂けたら嬉しいです。

■テレビ東京 ドラマ制作部 漆間宏一(プロデューサー)

 「クソムシが」「変態なんかじゃ…ない」原作の表紙にあるように、思春期や性、少年少女の衝動をテーマにした押見修造先生の大人気作のドラマ化です。突飛な話のように感じますが、揺れ動く思春期の感情は多くの方に共感いただける内容となっています。福くんとあのさんが魅せる多種多様な感情表現により、春日と仲村の複雑な主従関係を体現しています。コメディーもあり、シリアスもあり、どのシーンも感情を揺さぶられます。

 ディズニープラスでの配信もあるので、テレ東深夜作品の規模を超えた内容をお届けできると思います!(4月クールはまだ先ですが、嬉しくて早めに解禁しちゃいました。
) 続報もお楽しみに!!

■C&Iエンタテインメント 涌田秀幸(プロデューサー)

「生きていくことは変化していくことだ」と、敬愛する作家から教わった言葉があります。「惡の華」は春日高男と仲村佐和が生きるために変転していく話です。周囲を巻き込みながらも葛藤と拒絶を繰り返し、前に進む話です。物語の舞台は1998年(ドラマでは)。暦が2000年に変遷する時代に私は、形容できない不安に襲われた記憶があります。その時代を生きる、少年少女のお話です。そして、誰にでも訪れる思春期の物語です。漫画、舞台、アニメ、映画に続く5回目の彼らの人生を、ぜひお楽しみください。

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