國村隼が主演を務めるスペシャルドラマ『ドビュッシーが弾けるまで』が、フジテレビ系にて12月24日22時より放送されることが決定。本作で國村は、クロード・ドビュッシーのピアノ名曲「月の光」など本格的なピアノ演奏に初挑戦している。



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 本作は、最愛の妻を失い人生の時計が止まってしまった男と、ピアニストの夢を絶った青年が偶然出会い、“ピアノ”と“ウイスキー”をきっかけに心を通わせ、互いの人生を奏で直していくヒューマンドラマ。クリスマスイブの夜に、心をじんわりとあたため、挑戦する勇気をくれる珠玉の物語を届ける。

 國村が演じるのは、商店街で代々続く小さな時計店を営む職人気質の主人公・渡会喜一郎(わたらい・きいちろう)。2年前に最愛の妻・小百合を失い、人生の時間も止まってしまったような孤独な日々を送っていた。そんなある日、レストランから聞こえたピアノの演奏に足を止め、ピアノを演奏していた青年・佐々木匠(ささき・たくみ)と出会う。

 喜一郎は、「ドビュッシーの『月の光』を弾いてほしい」という小百合の生前の願いを叶えるため、匠とピアノレッスンを始める。その姿を見ていたかのようなタイミングで、亡くなったはずの小百合から手紙が届くようになり…。喜一郎は小百合の願いを叶え、無事『月の光』を弾けるようになるのか。

 國村は『ガキ帝国』(1981)で映画デビュー後、国内外で活躍。来年は海外ドラマ『SHOGUN 将軍』シーズン2への出演も決定している。硬派な役、狂気を秘めた役、あたたかな父親像まで幅広い役柄を演じ分け、長きにわたり映画・ドラマ・舞台を牽引してきた名優・國村が、自身の芸歴50周年を迎える記念すべき年の締めくくりに、本作で初めてピアノ演奏に挑戦。多忙なスケジュールの合間を縫って現在、ピアノの猛練習に励んでいる。


 脚本は、第36回ヤングシナリオ大賞で “大賞”に輝いた、新進気鋭の脚本家・石田真裕子。第36回大賞受賞作『人質は脚本家』は、“脚本家が現実のドラマに巻き込まれたら”というユニークな発想から生まれた逆転コメディドラマで、12月20日14時30分から関東ローカルにて放送予定。本作は、石田のヤングシナリオ大賞受賞後、初めて書き下ろす作品となる。

 演出は、『監察医 朝顔』(2019・2020~2021)、『PICU 小児集中治療室』、『波うららかに、めおと日和』(それぞれフジテレビ系)を手掛けた平野眞。なお國村演じる喜一郎にピアノを教え、彼の人生を再び動かすきっかけとなった「夢を絶った青年」を演じるのは誰なのか、近日発表される。

 國村は、自身が演じる主人公を「とっても不器用な人」と評し、「ピアノに触れる事でこの人の人生も少しずつ温まっていくんだろうなと思います。喜一郎はこの世代の日本の男の典型なのかもしれませんね。若い女性脚本家さんの書かれたこの男をベテランの演出家と共に手を携えて立ち上げていこうと思っています」と語る。

 脚本の石田は「伝えられなかった言葉や、叶えられなかった夢。誰しもが持つそんな小さな後悔の欠片を、つなぎ合わせるような気持ちで書かせて頂きました。喜一郎と匠の素敵な挑戦が、誰かの背中をそっと押してくれますように」とコメント。

 演出の平野は「最愛の人を亡くし、生き甲斐を見つけられずにいた70歳の男が再び立ち上がる過程を國村隼さんをはじめとする俳優が奥深いお芝居で魅了する切ないラブストーリーをお楽しみください」とメッセージを寄せている。


 スペシャルドラマ『ドビュッシーが弾けるまで』は、フジテレビ系にて12月24日22時放送。

キャスト&スタッフのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■國村隼(渡会喜一郎役)

――オファーを受けた時の感想をお聞かせください。

本を読ませていただいた時に“すごく温かでクリスマスイブにぴったりなお話だな”と思いながら読んだんです。と言いつつ“僕ピアノってやったことないけどどうしよう”というのが一番最初の印象で、「本当に大丈夫かな」という気持ちがまず最初に来ましたね。

――ピアノ練習の進捗状況はいかがですか。

今練習していますが、撮影までになんとか必要とされることができるように…本当に鍵盤ってどれがどうなのかというところから始まったので、まだ不安は残っていますけれど、先生に導かれながら、ある程度まではどうにか出来るかなと自信も少しづつ芽生えてきています。

――ご自身の50周年というタイミングで、本作で主演を務めることへの気持ちをお聞かせください。

メインもサポートも役を演ずるという事では同じなんですが、主役という役割は真ん中に立ってドラマの世界を回していくわけで、サポートする時よりも作品自体の一つ別の荷物を背負わなといけないと思います。やっぱり実際に観てくださる視聴者の皆さん、僕の感覚で言うと“お客さん”という感覚ですけど、お客さんにとって本当に楽しんでもらえるものにしなければいけないという気持ちを普段よりも強く、責任感を感じながら今ピアノの稽古をしています。

――台本を読んだ印象は?

オーソドックスなストーリーテリングですが、それがゆえに今たくさんあるドラマとは逆に新鮮なイメージでお客さんは捉えてくれるだろうなと思っています。ストレートな物語のなかから、それぞれの登場人物のキャラクターの思いがストレートに伝わってくると思います。
一年の終わり、聖夜のひと時に久しぶりに家族で、また一人で観るのも心が温まってくる、そんなドラマです。“今だからこそ新しく感じられる”ような作品になればいいし、そうなるんじゃないかなと思います。

――ご自身が演じられる渡会喜一郎という役はどういう役だと受け止めていますか。

とっても不器用な人だなって。言葉足らずというか、本当はシャイで聞きたいことも聞けないような、ものすごく引っ込み思案なところもあるだろうし。ただしこの人の場合は外からはそう見えないというか、よくいる偏屈なおじさんといわれる人ではあるだろうと(笑)。ただ奥さんへの思いを、奥さんはわかってくれているけれど、いや、分かっていてくれていただろうとの思いを持ってはいるんです。

ピアノに触れる事でこの人の人生も少しずつ温まっていくんだろうなと思います。喜一郎はこの世代の日本の男の典型なのかもしれませんね。若い女性脚本家さんの書かれたこの男をベテランの演出家と共に手を携えて立ち上げていこうと思っています。

――視聴者へメッセージをお願いします。

今回私がやらせていただくことになった『ドビュッシーが弾けるまで』。
放送もなんとクリスマスのイブだということで、クリスマスにふさわしいお話だなと思います。クリスマスは色々予定もあると思いますが、よかったらお家でこのドラマをご覧ください。あったかくなると思います。

■鈴木康平(プロデューサー)

ドラマ作品が数ある中で、このような温かな質感のドラマを、クリスマスイブの夜に、地上波でお届けできることに、深い意義を感じております。この物語を紡いでくれたのは、新人脚本家・石田真裕子さん。ほんの1年前まで、会社員として、母として、日常を生きていた石田さんが、『ヤングシナリオ大賞』をきっかけに、脚本家としての新たな人生を歩み始めました。

メガホンを取るのは平野眞監督。『監察医 朝顔』『PICU』そして今年も『波うららかに、めおと日和』など、長年にわたり人々の心を打つドラマを生み出してきました。そして、主演は國村隼さんです。国内外でキャリアを重ね、俳優生活50年かつ70歳を迎えられた節目の年に、本作の魂を担っていただけることになりました。

新人脚本家の瑞々しい感性に、監督の熟練の演出、そこに加わる円熟味のある名優の芝居。確かに心に響く贈り物のような作品を、クリスマスイブの夜にお届けします。
ご期待ください。

■平野眞(監督)

素敵な脚本、スタッフ、キャストが集まってくれました。感謝を忘れずに心してお届けします。「忘れたくない事を大事にとっておくためにその想い出と一緒にお酒を飲む」。観ている人にも置き換えられる心温まる物語です。最愛の人を亡くし、生き甲斐を見つけられずにいた70歳の男が再び立ち上がる過程を國村隼さんをはじめとする俳優が奥深いお芝居で魅了する切ないラブストーリーをお楽しみください。

■石田真裕子(脚本)

伝えられなかった言葉や、叶えられなかった夢。誰しもが持つそんな小さな後悔の欠片を、つなぎ合わせるような気持ちで書かせて頂きました。喜一郎と匠の素敵な挑戦が、誰かの背中をそっと押してくれますように。何かを始めるのに遅すぎることなんてありません!

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