今年は、昔から映画やテレビを通してなじみ深かった有名人がこの世を去った。本稿では、今年2025年に訃報が伝えられた芸能人・ミュージシャン、クリエイターを季節ごとに振り返りたい。

※()内は享年

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【1~3月】映画界の鬼才が旅立つ

 ドラマ『ツイン・ピークス』シリーズや、映画『エレファント・マン』、『マルホランド・ドライブ』などで知られ、『ワイルド・アット・ハート』でカンヌ映画祭パルムドールを受賞した鬼才デヴィッド・リンチ(78)さんは1月16日に死去が伝えられた。続く28日には、経済アナリストで独特のキャラクターでテレビ番組のコメンテーターとしても活躍した森永卓郎(67)さんがすい臓がん闘病の末に死去。2024年末のがん発覚後も入院することなく、闘病に並行して仕事に情熱を注いでいた。翌日29日には、『ウルルン滞在期』(TBS系)などのナレーションで知られる下條アトム(78)さんの死去が伝えられた。

 2月26日、映画『フレンチ・コネクション』シリーズ、『ミシシッピ・バーニング』、『許されざる者』などで知られる名優ジーン・ハックマン(95)さんが、自宅で妻と愛犬と共に亡くなっているのを発見された。

 文化放送のアナウンサーとしてキャリアをスタートさせ、独立後は『クイズ$ミリオネア』(フジテレビ系)、『どうぶつ奇想天外!』(TBS系)、『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)など数多くの番組で司会を務めたみのもんた(80)さんは3月1日、死去が伝えられた。続く11日、「ブルーライトヨコハマ」「あなたならどうする」などのヒット曲で知られるほか、ドラマ『北の国から』(フジテレビ系)などへの出演でも知られるいしだあゆみ(76)さんは、妹で歌手・石田ゆりに看取られながら亡くなった。

【4~6月】『トップガン』名ライバル役が死去

 トム・クルーズ主演の『トップガン』でのアイスマン役で知られるヴァル・キルマー(65)さんは、4月1日、肺炎のため亡くなった。2017年より喉頭がんによる療養中で声が出せない状態だったが、2022年には『トップガン マーヴェリック』でアイスマン役を、AIで声を復元する技術によって再演。同作が遺作となった。

 大河ドラマ『麒麟がくる』、『花燃ゆ』、連続テレビ小説『エール』(ともにNHK総合ほか)などに出演し、これからが期待されていた俳優・板垣瑞生(24)さんが不慮の事故で死去したことが伝えられたのは同17日。親族が1月より行方不明になっていたことを発表した。


 4月23日には、2000年代に人気を博したNHK『サラリーマンNEO』に参加したほか、CMディレクターやラジオパーソナリティとして活躍した大宮エリー(49)さんの死去が伝えられた。

 6月3日、“ミスター”の愛称で親しまれた長嶋茂雄・巨人終身名誉監督が肺炎で亡くなったことが分かった。89歳だった。六大学時代から人気を博し、プロ野球入りすると、王貞治との“ON砲”の活躍で競技の人気を国民的スポーツにまで高めた。引退後も巨人の監督を務める傍ら、その唯一無二の天然キャラでバラエティ番組でも親しまれた。

 同19日には、NHKの大河ドラマ『独眼竜政宗』や連続テレビ小説『澪(みお)つくし』などで知られる脚本家のジェームス三木(91)さんが肺炎のため死去した。

大女優の早すぎる死に日本中が涙

【7~9月】海外セレブの死去相次ぐ

 7月、映画『キル・ビル』、『レザボア・ドッグス』など、クエンティン・タランティーノ監督作品の常連で、男臭い存在感で人気を博した俳優・マイケル・マドセン(67)さんは3日に死去。

 同日3日には、子役から活動し、映画『日本の黒い夏‐冤罪』やドラマ『未成年』などに出演、後年はトゲのある発言でバラエティ番組で活躍した遠野なぎこ(45)さんが、自宅で亡くなっていたことが発表された。同14日には、音楽雑誌「rockin’ on」を創刊した音楽評論家・渋谷陽一(74)さんが死去。

 22日には、ロックバンド「ブラック・サバス」メンバーで、ソロとしても活躍したオジー・オズボーン(76)さんが、さらに24日には、プロレスラーで日本のリングでもアントニオ猪木さんらと戦ったハルク・ホーガン(71)さんと、海外のスターの訃報が相次いだ。

 9月2日には女優の吉行和子(90)さん、同4日には舟木一夫・西郷輝彦さんと共に“御三家”として人気を博した橋幸夫(82)さんが死去した。16日には、世界的な名優の訃報が駆け巡った。
映画『明日に向かって撃て!』『スティング』で知られる俳優・ロバート・レッドフォード(89)さんがこの世を去った。

【10~12月】『スタンド・バイ・ミー』監督、突然の死 息子が逮捕される

 10月11日、『ゴッドファーザー』、『アニー・ホール』、『恋愛適齢期』などに出演し、晩年まで作品に出続けたダイアン・キートン(79)さんが死去した。続く12日には、プロ雀士で「Mリーグ」にも参戦した前原雄大(68)さんが死去。体調不良で9月に所属リーグの勇退を発表したばかりだった。

 11月8日には、日本映画界の重鎮の死去が伝えられた。『人間の條件』、『影武者』など昭和を代表する名画の数々に出演し、主宰する無名塾で役所広司を始めとする後進の育成にも務めた仲代達矢(92)さんだ。“第2の故郷”と親しんだ能登が被災した後は復興支援に尽力し、最期に立った舞台は石川県で上演した『肝っ玉おっ母と子供たち』だった。

 同日には日本テレビアナウンサーで、プロレス実況、バラエティ番組、報道番組と幅広く活躍した菅谷大介(53)さんが、消化管出血により死去。2022年よりすい臓がんで闘病中だった。

 12月8日、仲代さんも出演した映画『金融腐蝕列島 呪縛』や『クライマーズ・ハイ』などの社会派作品を手がけた映画監督の原田眞人(76)さんが死去した。

  青春映画の金字塔『スタンド・バイ・ミー』や、ホラー映画の傑作『ミザリー』で知られる監督のロブ・ライナー(78)さんは12月14日、自宅で妻と亡くなっているのが見つかった。この事件で息子のニック・ライナーが殺人容疑で逮捕される、というショッキングな幕切れだった。


 年末となる12月23日には、90年代に日本ゴルフ界を席巻し、ツアー歴代最多94勝を挙げたプロゴルファー、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司(78)さんの死去が伝えられた。2024年にS状結腸がんと診断され、療養中だった。

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