北村匠海が主演を務める内山拓也監督作『しびれ』が、第76回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品されることが決定。北村と内山監督のコメント、新ビジュアル、ベルリン国際映画祭用の本編映像が到着した。



【動画】主人公の日常に没入――『しびれ』映画祭用本編映像

 新藤兼人賞をはじめ数々の映画賞新人賞を席巻した『佐々木、イン、マイマイン』(2020)、続く『若き見知らぬ者たち』(2024)と、 現実に抗いながらも何かを掴もうとする若者の青春を見つめてきた内山拓也監督。本作は、そんな内山監督が、自身の故郷である新潟の冬を舞台に、居場所とアイデンティティを模索する少年の物語を自伝的作品として描く渾身の一作。

 本作は、先月11月に開催された第26回東京フィルメックスにて、日本作品で唯一、コンペティション部門に選出。マティアス・ピニェイロ監督ら審査員から「静寂と変化、柔らかと硬さなどが内包され、バランス感覚に満ちた映画である」と評され、審査員特別賞を受賞した。

 そしてこの度、2026年2月12日から22日まで開催される、世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品されることが決定。ベルリン国際映画祭は来年2026年で76回目を迎える歴史と伝統ある映画祭で、パノラマ部門は世界中から良質の作品を幅広いジャンルで集めた部門。

 正式出品を受けて、北村は「歴史ある映画祭で『しびれ』を評価していただけて本当に嬉しく思います。僕たちの愛情が少しでも届くことを願っています」と喜びのコメント。内山監督は「雪が降り、息を白くする2月のベルリンは、冬を実感する光景で、本作にとってまさにぴったりの舞台に選ばれたのではないかと感じています。『しびれ』の静寂と温もり、呼吸と眼差し、そして生きる歓びが、海を超えて、誰かの心をすこしでも軽くできますよう願っています」と語っている。

 さらに出品決定を記念し、新ビジュアルも完成。主人公・大地(北村)と母・亜樹(宮沢)が、柔らかな風に包まれながら、流れる雲がひとつに溶けていくように、そっと肩を寄せ合う姿が切り取られている。
居場所を探し続ける人生を歩んできた大地。母の温もりと匂いを感じながら前を見据えるそのまなざしには、幸福の実感が宿り、かすかな希望を感じさせる。

 そして、ベルリン国際映画祭用の本編映像も到着。加藤庵次演じる少年時代の大地がひとり、川で生活用水を汲む姿がフィルムカメラでドキュメンタリー風に切り取られた、ひとりぼっちでも歩みを止めない主人公の日常に没入させられるシーンとなっている。

 映画『しびれ』は2026年公開。

※北村匠海と内山拓也監督のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■北村匠海(大地役)

ベルリン国際映画祭パノラマ部門に「しびれ」が選出されました。歴史ある映画祭で「しびれ」を評価していただけて本当に嬉しく思います。僕たちの愛情が少しでも届くことを願っています。

■内山拓也(監督・原案・脚本)

雪が降り、息を白くする2月のベルリンは、冬を実感する光景で、本作にとってまさにぴったりの舞台に選ばれたのではないかと感じています。映画を祝福するようなそんな情景を、目に焼きつけたいと思います。

すべてのスタッフ、キャスト、携わってくれた方々、作品をベルリンの地へ運んでいただき心から感謝しています。
「しびれ」の静寂と温もり、呼吸と眼差し、そして生きる歓びが、海を超えて、誰かの心をすこしでも軽くできますよう願っています。

編集部おすすめ