timeleszの寺西拓人と俳優の齋藤潤が、2026年1月1日公開のアニメ映画『迷宮のしおり』で声優デビューを果たす。『マクロス』や『アクエリオン』シリーズなどで知られる河森正治監督が手掛ける、初のオリジナル劇場長編アニメーションの本作で、寺西はスマホと人間の脳を直接つなぐ研究者であり天才起業家の架神傑役、齋藤は主人公・前澤栞(CV:SUZUKA[新しい学校のリーダーズ])のクラスメイトで彼女に想いを寄せる少年、山田健斗役を演じる。

初のアフレコは「とても難しかった」、「芝居と違う感覚があった」と話す2人に、収録時の試行錯誤やお互いの印象などを聞いた。

【写真】寺西拓人&齋藤潤の魅力あふれるソロカット

■寺西、齋藤の“お兄ちゃん”呼びに胸キュン

――本作では、どのようなことを意識しながら自分の役を演じましたか?

寺西:僕が演じた架神傑は非常にミステリアスで、さらにキャラクターもどんどん変化していく役なので、つかみどころのない雰囲気を出せたらと意識しました。見どころの1つであるバトルシーンは「とにかく頑張る!」。演じていて僕もとても楽しく、ノリノリでやらせていただきました。

齋藤:僕が演じる山田はお調子者で、栞のことが気になっている野球少年です。そういうところを意識して、なるべく落ち着きがない、少し高めの声でしゃべり続けられるように心がけました。

――お互いが演じた役の印象を教えてください。

齋藤:僕は傑さんに寺西さんの色気のある声がのったことで、キャラクター性が奥深くなったように感じました。

寺西:傑にはある意味、栞を誘惑しているところがあるので、その雰囲気を出せたらと思っていました。監督やスタッフさんとやり取りをする中で、「誘っているような話し方のお芝居がいいね」という方向になり、意識したところです。それから、声を出す時の距離感。ちょっと囁(ささや)くように話すことで、優しく導く感じを出したいと思っていました。
いろいろな場面で苦労はありましたが、自分が今できることは全部やらせてもらったと思っています。齋藤君はどんなことを意識した?

齋藤:この物語の中で、山田は栞のためにずっと一生懸命に動き続けています。年頃の男の子らしさを出すために、テンションをどんどん上げていければいいなと考えながら演じていました。

寺西:齋藤君の実年齢と近い役ということもあってか、山田はすごく等身大な感じがしたんですよね。無我夢中な感じがかわいらしく、でも頼りがいもあって、すごくステキな山田だと思いました!

――2人ともアフレコ初挑戦だったそうですが、初めてマイクの前で演じた感想を聞かせてください。

寺西:とても難しかったです。演じる仕事をするうえで「いつかは(声優を)やってみたい」という思いはあり、非常にプロフェッショナルな世界だとも分かっていましたが、想像以上でした。現場でもとにかく勉強、勉強の日々。自分のタイミングではなく、アニメーションのタイミングに合わせての芝居というのが、本当に難しくて…。ため息や呼吸などセリフにならない声の演じ方も含めて、現場でやりながら学ばせてもらいましたし、これからもまだまだ勉強したいと思いました。映像や舞台でのお芝居とは異なり、一時(いっとき)に考えることがとても多いなという印象です。

齋藤:僕は収録前に声優の方にお話を聞くチャンスがあり、「マイクに対して声を集める感じ」と教えていただき実践していたのですが、普段は人と向き合ってお芝居をしているので、その感覚の違いはありました。
アフレコが進む中で、ブースをどんどん山田の声で埋めていけるよう、爆発力のある明るさで場を支配できればという方向にシフトチェンジして…目の前にマイクがあり、モニターを見ながらアフレコをしていましたが、「自分の目の前には栞がいる」と思い浮かべて演じました。

――アフレコ現場で2人が一緒になる機会はあったのでしょうか?

寺西:いえ、残念ながら。前も、取材で少しお会いしただけだよね。

齋藤:はい、今日が“二度目まして”です。

寺西:かわいいなぁ…(しみじみ)。

齋藤:いえいえいえ(笑)。

寺西:僕からすると、映画で見ていた俳優さんですから。ご一緒できてありがたいです。

齋藤:僕の方こそ、ありがとうございます! 寺西さんは、オーディション番組から見させていただいて…。

寺西:ありがとうございます!

齋藤:常に自分の限界に挑まれている姿を目にして、僕にとってはきっとできないことだなと思いました。オーラもすごくカッコよくて、今も舞台のお仕事をされていてとてもお忙しいのに、すごいなと思っています。

寺西:(小声で)かわいい…。


齋藤:お兄ちゃん、と言ったら図々しいかもなんですが…。

寺西:うれしい、うれしい!

齋藤:今日も包容力というか、包み込んでいただいている感じがして、今、すごく胸があったかいです。

寺西:いや、マジでめちゃくちゃかわいい! かわいすぎる!!

■“理想の自分”は動物や赤ちゃんに好かれる人

――作中には、うさぎのスタンプの小森が重要なキャラクターとして登場しますが、寺西さんと齋藤さんがよくLINEで使うスタンプや機能は?

齋藤:少し前に、メッセージにリアクションスタンプを付けられるようになりましたよね。相手に通知がたまることもないですし、「(こちらが)確認したよ」というサインにもなるから、僕はその機能をとてもよく使っています。

寺西:僕は貝が好きなので、生牡蠣のスタンプを多用しています。先輩グループが出しているスタンプを使ったりもしますね。

――本作では“理想の自分”がキーワードになっていますが、2人の理想の自分というと?

齋藤:理想の自分としては、俳優のお仕事をずっと続けていきたいですし、日本、そして世界の場にも立てるような存在になりたいと思っています。もちろんまだまだですが、これから先、一生をかけてやっていきたいことです。

寺西:「こういう人間になりたい」ということで言うと、動物や赤ちゃんに好かれる人間です。動物や赤ちゃんに好かれるって本物だと思うので。

齋藤:(小さな声で)はぁ~すごい! そうかぁ…。

寺西:いやいや、感心しすぎ(笑)!

齋藤:確かに、動物や赤ちゃんには見抜かれますよね。


寺西:そんなことを考えている時点で、だいぶ邪(よこしま)だけどね(笑)。

齋藤:いえ。それに気づけている時点で、もう大丈夫だと思います!

寺西:あはは、フォローしてくれてありがとう! 俳優としての理想は、ありきたりですが、何でもやりたいなと思っています。今までもその気持ちでやらせていただいてきましたが、今後はさまざまな事情で「そうしたいけど、できない」というケースも出てくると思うんです。それでも、「(いただいたお仕事は)何でもやる」というのが理想です。

――改めて、本作の見どころを教えてください。

齋藤:僕自身も普段使っているスマートフォンから、こんなにも世界が広がって壮大な物語が生まれるんだと驚きでした。栞を演じるSUZUKAさんの歌声や音楽には迫力と中毒性があり、ぜひ劇場で聞いて体感していただきたいです。上映の約2時間はスマートフォンについて改めて考える時間になると思いますし、終わった後はあの異世界空間を「楽しかった」と振り返っていただけるような作品になっていると思うので、ぜひご覧ください。

寺西:河森監督ならではの音楽と映像の融合、SUZUKAさんの歌唱シーンが見どころです。そしてこの作品の大きなテーマである“自分は自分”、“自分を受け入れる”ということが伝わればいいなと思います。今は、「理想の自分」や「人と比べて…」というのがより目につきやすい時代だと思いますが、「自分を受け入れていいんだよ」というメッセージを受け取ってもらいたいです。


僕自身、10代の頃から悔しい思いを味わうことが多くありました。そういう経験を重ねて「人と比べて自分がだめ」、「周りと比べてできない」と落ち込むのではなく、「今回は自分のチャンスではなかったけれど、次は僕かな」という考え方をするようになり、今は比較的「自分は自分」と思えているかなと思います。皆さんにとってこの映画が、自分を受け入れる1つのきっかけになればうれしいです。

(取材・文:木下千寿 写真:上野留加)

 アニメ映画『迷宮のしおり』は全国公開中。

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