吉田羊が主演し、森新太郎が演出を務めるパルコ・プロデュース2026『リチャード三世』が、5月10日よりPARCO劇場を皮切りに、大阪・愛知・福岡・岩手にて上演されることが決定した。

【写真】前作では『ハムレット』の原型『ハムレットQ1』で主演だった吉田羊、りりしい姿

 パルコがプロデュースするシェイクスピア作品を、森新太郎の演出、吉田羊の主演で上演するシリーズ。

2021年には全キャスト女性による『ジュリアス・シーザー』、2024年には『ハムレット』の原型とされる戯曲『ハムレットQ1』を上演し、物語の壮大なスケールはそのままに、登場人物の繊細な心理を丁寧に描き出した演出で好評を博した。

 そしてこのたび、満を持して上演される第3弾が『リチャード三世』だ。これまでの“ブルータス”“ハムレット”とは真逆とも言える、悪の権化が主人公となる。平和になった世を憎み、王位への野心を抱いたリチャード三世は、兄や貴族を策略によって次々と葬り、王位を奪取する。しかし、血塗られた王座を守るための暴政は、やがて破滅へと向かっていく。

 本作では、『リチャード三世』に登場するさまざまな人物たちを、リチャード三世役の吉田羊と9人の出演者によって描き出す。人類の歴史の中で繰り返されてきた権力闘争と政治的野心による悲劇を、現代にも通じる物語として立ち上げ、吉田と9人の出演者を通して、観る者を深く魅了する森の演出で届ける。

 本シリーズ『ジュリアス・シーザー』(2021)『ハムレットQ1』(2024)において、性別を越えて主人公である正義の士を凛々しく演じ、高い評価を得てきた吉田羊。『ジュリアス・シーザー』では紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞している。シリーズ第3弾にして今回が初の悪役への挑戦、憎しみと狡猾さをあわせ持つ主人公をどのように演じ切るのか、期待が高まる。

 そして、リチャードに対抗して次々と現れる多彩な登場人物たちを、愛希れいか中越典子赤澤遼太郎、増子倭文江、浅野雅博、星智也、清田智彦、篠井英介渡辺いっけいという9人の実力派俳優陣が演じ分ける。これまでにないスケールの『リチャード三世』を創出する布陣だ。


 森新太郎による圧倒的な世界観とスピード感あふれる演出、清廉潔白なイメージの強い吉田羊が体現する極悪王・リチャード、そしてそのリチャードを巡って次々と入れ替わる登場人物を演じる9人の演劇巧者たちによる、濃密な演劇バトルに注目したい。

 パルコ・プロデュース2026『リチャード三世』は、PARCO劇場にて5月10日~31日、森ノ宮ピロティホールにて6月6日~7日、東海市芸術劇場 大ホールにて6月13日~14日、久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて6月20日~21日、奥州市文化会館Zホール 大ホールにて6月27日上演。

※森新太郎、吉田羊ほかのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■森新太郎

 この史劇は中世イングランドの権力闘争を描いた作品です。しかし、我欲むき出しに繰り広げられる弱肉強食の光景は現代そのもの、まさに今進行中の歴史と重なります。そんなある種の憂鬱が、今回の演出の土台になるような気がしています。

 リチャード三世は支配することに焦がれる男です。露骨な暴力だけではなく、言葉から生まれる魔の力を彼は使いこなします。人の心の奥にひそむ「支配されたい」という願望。その昏き想いに甘い囁きで忍びよる天使のような悪党——それが私の考える、吉田羊のリチャード三世です。

 『ジュリアス・シーザー』『ハムレットQ1』で清廉な美しさを放った吉田羊だからこそ、凄まじい悪を体現できると確信しています。

■吉田羊

 森新太郎さんと挑む三度目のシェイクスピアです。
今回演じるリチャードは、狡猾で醜い「悪役」の代表格。欲にまみれ、裏切りの限りを尽くす彼は、これまで演じてきた清廉潔白なブルータスや仇討ちハムレットとは対極にあるキャラクターです。けれど今、シリーズ史上一番ワクワクしているかもしれません。劣等感や嫉妬で他人や自分を傷つけながら、憎まれ嫌われ一人の味方もなく死んでいく彼の孤独はどこか他人事でなく、いっそその闇に飛び込んで彼の本心に触れられたらと願うのです。森さんそして百戦錬磨の共演者の皆様と共に、2026年のリチャード三世を作り上げて参ります。どうぞよろしくお願い致します。

■愛希れいか

 この度、「リチャード三世」に出演させていただきます。愛希れいかです。新たな挑戦ができることにとても喜びを感じています。未知な部分も多く、今は緊張していますが、演出家の森新太郎さん、吉田羊さんをはじめとする素敵なキャストの方々とご一緒できること、とても楽しみです。シェイクスピアの面白さを自分なりに見つけて、お客様にお届けできたらと思っています。ぜひ劇場に観にいらしてください。
おまちしております!

■中越典子

 シェイクスピア作品も演出家の森さんも初めましてでして、しかも10年ぶりの本格的な舞台復帰となります。緊張、高揚、不安、期待、色々な感情に心が押し潰されそうですが、自分を追い込み、修行の様な気持ちで、新たな自分を発見したい、そしてシェイクスピア作品の魅力に取り憑かれたいです。吉田羊さんや皆さんとの共演に胸高鳴っております。…できるかなぁー。膝がまたガクガク震えるんだろうなぁー。何より森さんの演出を楽しみにしております。

■赤澤遼太郎

 この度、バッキンガム公爵を演じます赤澤遼太郎です。いつか必ず挑戦したいと心に留めていたシェイクスピア作品に、森新太郎さんの演出、主演の吉田羊さんをはじめとする錚々たる座組の皆さま、そしてPARCO劇場という、このとてつもなく恵まれた環境で向き合えることを大変嬉しく光栄に思います。冷徹な知略家でありながら、人間性を捨てきれないバッキンガム公爵という役に丁寧に向き合い、大千穐楽まで誠心誠意取り組んでまいります。

■増子倭文江

 先日のスチール撮影がまず衝撃的でした。全員悪人(?)気分はまるでアウトレイジ。確かにリチャード三世本人は極悪人のキャラクターとして有名ではありますが…。
森さんはいったい何を企んでいるのでしょうか? 何やら楽しげに目論んでいる顔が目に浮かびます。私は今回、シェイクスピアも初めてだし共演者の方々ともほとんど初めてなのですが、これはとにかく面白いことになるぞという予感に胸がいっぱいになっております。

■浅野雅博

 自分にとってもシェイクスピア歴史劇の中でダントツ大好きな悪役英雄。とことん純粋な悪にして人間的にもどこか悲哀を滲ませた物語、これを吉田羊さんが森新太郎さんとともに選んだのだから楽しみで仕方ないです。また、少ない人数でこの舞台を立ち上げるところも魅力的なひとつです。色々な役をやらせて頂きますが、一生懸命しっかりと翻弄されようと思います。何役もやるのは実は好きな私、万全を期して参りたいと思います。

■星智也

 私の初舞台が文学座本公演のリチャード三世でした。当時私は文学座所属研究所の研修科の2年生で、右も左もわからない中、先輩たちにご指導頂きながら、兵隊、従者、召使い、市民等、様々な役をやらせて頂きました。あれから23年、今度はパルコ劇場に立たせて頂けることを心から有難く思っています。今回はどのような舞台になるのか今からとても楽しみです。現状私は六役やらせて頂きますが、どの役にも真摯に向き合い、観に来て下さるお客様の為に精一杯務めさせて頂きます!

■清田智彦

 シェークスピア…『リチャード三世』…難しいしお硬いと若い方は思われるかもしれません。
いえいえ、スリリングで興味深い。殊にこの『リチャード三世』はことさらに面白い! それを演出の森新太郎さんが現代的に大胆アレンジされるからもうワクワク。出演者なのに自分がもう楽しみなのです。リチャード三世って稀代の悪人で、それを吉田羊さんが演じるなんてドキドキでしょう!? さぁ、ご期待ください!

■渡辺いっけい

 正直僕は役者として「翻訳物のお芝居」に苦手意識があります。欧米人の感覚は掴みづらく、よく分からないこともある。日本人が欧米人を演じるという「大嘘」の上に「気持ち」まで嘘はつきたくない、そう感じてしまうのです。そんな僕が今回参加を決めた理由は、吉田羊さんと森新太郎氏の創り上げてきたこのシリーズが「役者に嘘をつかせていない」と感じたからです。厳しい稽古になると予想していますが、楽しく挑戦したいと思います。

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