俳優の山田孝之が、『MIRRORLIAR FILMS』企画・プロデュースの伊藤主税、阿部進之介、『マンガ家、堀マモル』や『MIMI』、「INI THE MOVIE 『I NEED』」を手がけた映画監督の榊原有佑、『怪物』、『ゴジラ-1.0』、『ファーストキス 1ST KISS』企画・プロデュースの山田兼司らと共に、新たなプロジェクトを立ち上げることが発表された。本日、山田孝之、伊藤が登壇した記者会見で、2027年の劇場公開を目指したオリジナル映画制作に向け、俳優オーディション「THE OPEN CALL」を開催することが明らかとなった。



【写真】山田孝之「『日本でもこういうチャンスがあるべきだ』ということで、プロジェクトは始まった」 プロジェクトの会見の様子

 「THE OPEN CALL」は、山田孝之がメインパートナー(審査兼任)として参加し、オリジナル映画の主演・主要キャストを募集するオーディション。

 タイトルに掲げた「OPEN CALL(オープンコール)」とは、年齢・性別・国籍・所属事務所・演技経験の有無を問わず、やる気と条件が合えば誰でも挑戦できる公開(オープンな)オーディションのこと。本プロジェクトは、これまで挑戦の機会が限られてきた人々にも門戸を開き、「演技力」と「人間力」を選考基準に、まだ見ぬ才能と出会うことを目指す。山田孝之を中心に、伊藤、阿部、榊原(オリジナル映画 脚本・監督)、山田兼司(オリジナル映画 企画監修)ら、映画業界で実績を重ねてきたクリエイター陣によって推進される。

 本オーディションの大きな特徴は、オリジナル映画の出演者を選ぶだけではなく、オーディションを通じて、オリジナル映画を共に創っていくこと。参加した俳優たちが、オーディションの過程で実際に演じ、対話する中で浮かび上がる個性や感情を脚本に取り込み、オリジナル映画へとつなげていく。山田孝之はただ審査員としてだけでなく、オーディションに参加した俳優たちと芝居をし、演技を探求しながら、オリジナル映画を共に創りあげていくメインパートナーを務める。

 オーディションを通過した参加者は、このオリジナル脚本をもとに制作される、国内外への展開を見据えたオリジナル映画へ出演が決定。山田孝之は映画制作において、企画、脚本、プロデュース、出演を予定。主要キャストが決定するまでの全プロセスは、オーディション番組『THE OPEN CALL ‐MAIN PARTNER 山田孝之‐』として、NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」にて独占配信される。

 記者会見イベント冒頭ではオーディションの募集映像が映し出され、山田孝之がこれまで演じてきた数々の役に密着しながら「芝居が好きだからこそ、役者という職業に希望を持ってほしい」「死ぬ覚悟で、本気で役者を目指す人を探す」と語る姿が描かれる。

 デビューから約30年。
数多くの作品でさまざまな役を演じてきたからこそ感じている「俳優の役割とは?」「これから俳優に何ができるだろう?」という問いの、まだ見ぬ答えを見つけるため、信頼のおけるプロデューサーやクリエイターと、大規模なオーディションを企画、映画制作に向け始動することが明かされた。

 登壇した山田孝之は「今回のプロジェクトは、長編映画を脚本からオリジナルで作ろうと思っています。その主演を含むメインキャストを探したいと思っています。僕はそのオーディションに関しては、審査の方もやらせていただきますし、その後の長編映画は、企画・プロデュース・出演・脚本などで参加します」と自らの役割をコメント。

 「我々は『MIRRORLIAR FILMS』というプロジェクトをやっています。それを始めたきっかけも、俳優がオファーを待つということの喜びや美しさもあるのですが、自分から動く、自分から始めてみるということの大事さも知ってほしくて始めました。これは本当に多くの方々が初監督として挑戦したりする素敵な場にはなっているのですが、それをやりながら、どう次に繋げられるかなということを考えていました。そのなかで2年ほど前に、伊藤さんに『この作り方で長編映画を作りましょう』ということを話しました」と企画の発端を明かす。

 続けて山田孝之は、この日は参加できなかったが、本プロジェクトの企画・プロデュースを務める俳優の阿部進之介に触れ「(このプロジェクトの)言い出しっぺは阿部進之介なんです。今日この場にいない理由は、今『SHOGUN 将軍』シーズン2の撮影で海外に行っているからです。その役はオーディションで勝ち取ったのですが、改めてオーディションの重要性に気づき『日本でもこういうチャンスがあるべきだ』ということで、プロジェクトは始まったんです」と語る。

 共同プロデューサーである伊藤は「『MIRRORLIAR FILMS』というプロジェクトは短編映画のプロジェクトなのですが、この作り方は必ず長編映画にも応用できるなとずっと思っていたことではありました。
『MIRRORLIAR FILMS』では、企業版ふるさと納税を活用して色々な地方自治体と組んで作品を作りました。色々な地域を巡って今まで映画を作っていくなかで『本当に個性ある方だな』『素敵だな』という方に出会います。一方で、たまたま運がなかったり、縁がなかったり、合う作品がなかったりして、才能や個性があるのに埋もれてしまっている人が日本にはまだいっぱいいるなと、作品を作りながら感じていました。自分たちが今までそういう人たちを多く見逃してきたのではないか、素通りしてきたのではないかという恐怖のような感情が出てきまして。日本の才能を見逃すということは、日本の損失になる。これはまずいと思い、今回このプロジェクトを皆さんと一緒に立ち上げたというところです」と企画の理由を補足していた。

 司会より本オーディション企画とオリジナル映画の制作はどのようなプロセスで進行するのか問われた山田孝之は「オーディションなので書類選考という最初の段階があるのですがビデオも募集します。そこから対面オーディションに入っていき、一緒に演技をやってみて、その人の個性だったり、色々なものを僕も学びながら、一緒に脚本を作っていきます。ある意味“当て書き”と言いますが、その人の個性を一番よく出せるような脚本作りをしていこうという風になっています。現時点ではキャストは誰一人決まっていません」と断言。

 伊藤も「今回、当て書きを超えるというか、審査をしながら、お芝居と個性を見ながらキャラクターを生み出し、ストーリーを生み出すという、本当に何もないところから全部組み立てていくので、こうしたプロセスでオリジナル長編映画でチャレンジするというのは、これまでなかったことだと思います」とオリジナル性を強調していた。

 山田孝之は本企画に「メインパートナー」として参加する。
その役割を問われると「何なんですかね」と笑うが「このオーディションで審査員も兼任しますが、メインパートナーとして参加し、参加者の皆さんと一緒に芝居をしたり、演技を探求しながら、映画を共に作り上げていく予定です。長編映画においては、企画・脚本・プロデュース・出演とさまざまな立場で関わります。オーディションを通して出会う参加者の皆さんからインスピレーションを受け、映画の物語を一緒に作り上げていきたいです。年齢・性別関係なく色々な人とコミュニケーションを取ることによって、僕も次の代表作を作れたらいいなと思うし、参加する全員にとっての代表作を作りたいなと思っています」と意気込みを語っていた。

 また司会より、本プロジェクトの企画・プロデュースを担当する阿部進之介、オリジナル映画の脚本・監督を務める映画監督・榊原有佑、オリジナル映画の企画監修を務める山田兼司のコメントが代読された。コメントは以下の通り。

■阿部進之介

俳優は、誰にも見向きもされない時も、役と向き合い苦しい想いをしても、演技が好きだから俳優でいられる場所をずっと探しています。そんな俳優たちや俳優になりたい人たちの為に、『THE OPEN CALL』という、成長や学びの場ともなる革新的なオーディションを開催することができて、嬉しくてしかたありません。参加する俳優たちと一緒に脚本を作り上げ、それぞれの俳優たちの個性が光る映画にしたいと思っています。ご期待ください。

■榊原有佑

 俳優とは、虚構の人物を、実在する命と同じ重さで引き受ける存在だと思っています。その覚悟と仕事に触れるたびに、与えられた人生や命に誠実であることを、私自身も学び続けています。
このオーディションで出会う俳優たちの存在と、俳優という仕事を真摯に探求する姿勢の中から、確かな価値と語るべき物語が浮かび上がってくると信じています。互いに影響を受け合いながら脚本を紡ぎ、関わるすべての人の代表作となる映画を、本気で創っていきます。

■山田兼司

プロデューサー人生において、山田孝之という存在と、主演俳優として作品を一緒に作るという経験は、私にとってストーリークリエイティブの本質の扉を開くオープンコールでした。役を演じるのではなく役を生きる彼の姿から、映画やドラマを作ることは生きることと同じだと体感できたからです。このプロジェクトが掲げる『俳優とは何か』という問いは、参加する方々全員の生き方の中にたくさんのヒントが隠されているのではないかと思います。それは同時に『映画とは何か』という問いとも直結するはずです。この旅路を皆様とご一緒できることを心から楽しみにしています。

 それぞれの人物が紹介されると山田孝之は「経歴が凄いなと今思いました。強いですね。経歴って意外と説得力になるから大事なんだなということを今気づきました」と感想を述べると「賞を取りに行こうかな」と笑い「自分は、このオーディションを勝ち残った人たちが次のステップに行く。その人にとって『代表作を作る』というのは、僕らの根幹にある部分なので。そういったモノづくりをしたいと思います。
心強いメンバーですね」としみじみ語っていた。

 この日は、記者からも質疑応答が行われた。山田孝之に「オーディションには本当に多様な方がいらっしゃると思います。例えばセクシュアルマイノリティの方や、障害がある方などに魅力があるなと思った時に、そうした方の当事者性を活かすような脚本にするのか、あるいは当事者性がない俳優が当事者性のある役柄を演じることの方に意義を見出されているのか」と質問が。

 山田孝之は「どういう方が応募してくださるか分からないので、今は何とも言えないのですが。実際に以前、言葉を発することができない方と共演したことがありまして、そこにもやはり可能性を感じるというか。もちろん、言葉が喋れない方がいらっしゃった場合に、言葉が喋れる役を演じることはできないので、その方に合わせて役を作っていくということになります」と、あくまで“人物ありき”を重視し、フレキシブルに対応していくことを誓う。

 また、今回の作品に対して、山田孝之や阿部は「出演するのか?」という質問には「僕らも役があれば出たいというか。僕らも経験したいですし、一緒に高め合いたいと思っています。僕と阿部進之介もそうですし、僕はメインパートナーという役割ですが、「ゲストパートナー」という形で色々な俳優さんに来ていただく予定です。そういった方々も出演込みで、一応お話はしています」と回答していた。

 さらに伊藤には「長編映画を作る際に、資金面はand pictures一社で賄われるのか、それとも共同製作で行われるのか。
あと、劇場公開の際に配給なども含めて想定されていることがあれば教えてください」と製作周りの質問が飛ぶと「長編映画に関しては、後日発表することが多いのですが、一社で作ることはまずなくて、色々な仲間の会社を巻き込んで作っていくということになると思います。規模に関しては、いわゆる“大作”寄りの映画になるかなと思っていて、公開規模もかなりの館数で劇場公開することを目指しています」と述べていた。

 最後に山田孝之は応募者に対して「まずは“自分らしく”ですね」と個を重視していることを明かすと「最初はビデオ(セルフテープ)から始まりますが、一つ言えるのは、前半30秒の『役としての自己紹介』という課題について、あまり作り込みすぎないほうがいいと思います。とにかく楽しんでやってもらえたらと思います。今回は『この役に合った人を探す』ではないので。何か面白い、個性的、あるいは魅力的……それは内面なのか外見なのか、声なのか考え方なのか分かりませんが、本当に自分らしくやってもらいたいなと思います」とメッセージを送る。

 伊藤も「募集映像にもありましたが、山田孝之さんが最後に『何か一歩踏み出してみれば、何か変わる』という言葉を言っていました。俳優の経験がある・ないではなく『俳優をやってみたい』と思った時点で一歩だと思うので、何も気にせず、思い立ったら応募してほしいなと思います」とエールを送る。

 オーディションの過程がNTTドコモが運営する「Lemino」でも配信されるということについて「僕は本当に俳優という仕事をリスペクトしています。ただの文字から、目に見えない実像を作り上げていく。愛と誠意を持って、その見えない文字と対話して役を作っていき、その実像を自分に取り込んで、自分を駆使して表現していく。すごいお仕事だなと思っています。この“役作りのプロセス”を、番組でさらけ出して見せるということは、これまでの日本の歴史や番組でもなかったと思うんですね。それを番組として届けられることは非常に貴重なことですし、自分自身も本当に楽しみです」と期待を口にしていた。

 オーディション「THE OPEN CALL」詳細は公式サイトまで。募集は本日から3月19日17時まで受付中。

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