「プリキュア×探偵×タイムスリップ」という新機軸で描かれるテレビアニメ『名探偵プリキュア!』。舞台は1999年。
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■「名探偵」の決め台詞が新鮮 1999年の空気感と“新しいプリキュア”の魅力
――「プリキュア×探偵×タイムスリップ」という要素が組み合わさった本作ですが、最初に脚本を読んだとき、どんなところにワクワクしましたか?
千賀:私がいちばん惹かれたのは、“探偵”という要素でした。変身の決め台詞に「名探偵」が入るんです。これまでのシリーズは「キュア〇〇」と名乗ることが多いと思うんですけど、今回は「名探偵キュア〇〇」と名乗る。それがすごく新鮮で。
最初は、その“名探偵”をどう言おうかな……って悩んだりもしたんですけど(笑)。タイムスリップの仕掛けも含めて、「どんな物語になるんだろう?」とワクワクしました。
本渡:私はもう、アフレコ台本を開いた瞬間から気持ちが上がりました。表紙、背表紙、裏表紙まで全部フルカラーで、台本自体が特別仕様なんです。
背表紙も探偵ものらしく、レンガの背景にふたりが背中合わせの影シルエットになっていて。見た瞬間に「あ、名探偵だ……!」と、作品の空気を感じました。
――1999年が舞台となる本作ですが、“時代の空気感”を感じた部分はありましたか?
千賀:場面に出てくるもので言うと、「チョベリバ」みたいな言葉だったり(笑)。あとは街中を通るシーンで、テレビからCMが流れてくるんですけど、たぶん当時のものをそのまま映像として入れているんですよね。そういう細かいところから、「あ、これは99年だな」って空気感をすごく感じました。
本渡:私はPHSが出てきたのが印象的でした。私たちはあまりなじみがなかった世代だと思うのですが、きっと大人の方が見たら「懐かしい!昔使ってたんだよ」って、お子さんに話したくなるのではないかなと思うんです。そうやって家族で会話が生まれるところも含めて、“みんなで楽しめる作品”にしたいという想いが、ちゃんと詰まっている気がしました。
――それぞれのキャラクターについての紹介、演じる際に心がけていることを教えてください。
千賀:私が演じる明智あんな(キュアアンサー)は、困っている人がいたら見過ごせない子で。考えるよりも先に体が動いて、自然と手を差し伸べられる、本当に優しくて真っ直ぐで素直な女の子です。
演じるうえで心がけているのは、やっぱりお子さんに広く見ていただく作品だからこそ、あんなの気持ちがまっすぐ届くこと。
本渡:小林みくる(キュアミスティック)は、もともと「名探偵プリキュア」という存在を知っていた子で、それを夢として目指してきたんです。だから、夢が叶ってキュアミスティックになった今も「事件を解決するぞ!」という熱量がすごいんですよね。
ただ、その熱さもあんなとはまたタイプが違っていて。ふたりの“タイプの違う熱量”が作品の中でお互いにとっていい関係になっていると思います。みくるは演じていて、すごくいろんな表情を見せてくれる子だと感じていて。見た目はもちろん可愛いのですが、そこに引っ張られすぎず、ひとりの人間としてみくるとしっかり向き合って声を乗せたいと思っています。
毎日を過ごしていたら、気持ちが沈んだり上がったりする瞬間もあって、声のトーンも変わるじゃないですか。私は、今回あえてそのままその音を素直にお芝居に出してみるということをしています。そうすることで、感情に幅を持たせて、より表情豊かなみくるを表現できるのではないかと思い、アニメを見てくれているみんながそんなみくるを見てもっと楽しんでくれたら嬉しいです。
■あんなとみくるの関係性そのままに 収録でも感じた“バディ感”
――千賀さんは2024年に声優デビューされて間もない中で、『プリキュア』という大作に飛び込まれたと思いますが、毎回どんな想いで収録に臨まれていますか?
千賀:私はまだ新人で現場経験も浅いので、収録中に「本当にこの表現でいいのかな……」って、不安になってしまうことがどうしても多くて。
でも現場の先輩方が、皆さん本当に優しくてあたたかくて。
役としては、あんなとみくるは相棒なんですけど……私にとっても本渡さんは、頼れる先輩であり、相棒だなって感じながら収録に臨んでいます。
――そんな千賀さんの姿を見て、本渡さんも新人の頃を思い出したり?
本渡:たくさん思い出しました。私も、初めてご縁をいただいた作品が大ベテランの方々ばかりの現場で、とても勉強になる環境だったんです。だから、あの頃の緊張感とか、プレッシャーみたいなものは今でも鮮明に覚えています。
でも、光莉さんは私のその頃より全然しっかりされていてすごいなと思っています。光莉さんは本当に作品にも役にもちゃんと向き合う方だからこそ、「こういう時ってどうしてますか?」って相談してくれるんですよね。
それが“バディ”としてすごく嬉しくて。だから私は「喜んで!なんでも聞くよ」という気持ちでいます。もうすでにできているのに、ここからさらに前へ進んでいったら、どんな役者さんになっていくんだろうって……。
――掛け合いの中で感じる、千賀さんならではのお芝居の魅力は?
本渡:いちばん感じるのは、やっぱり“フレッシュさ”ですね。でも、フレッシュだからといって不安定とか、そういう印象はまったくなくて。そこがすごく絶妙だなと思っています。そのバランスが、あんな役に本当に合っているんですよね。
あんなって「めちゃくちゃ元気な子?」と言われると、実は意外と落ち着いた一面もあるし、頭も回るし、行動力もある。それでいて、そばにいると自然と救われるというか、「この子の近くにいると元気になれるよね」という空気を持っている。そういう“一言では言い表せない魅力”があるキャラクターで。
光莉さんのお芝居も、フレッシュだけど、ちゃんと考えて演じられているし、さらに行動できる強さも感じられて……その全部がぴったり重なっているなと思いました。初めて横でお芝居を聞いたときも、「ああ、あんなだ」と、すごく腑に落ちたんです。
そのお芝居を聞けたからこそ、私が演じるみくるも「じゃあ、こっちはこういう方向性でいけるな」と思える。光莉さんのお芝居が、私にとっても“中心”になってくれています。
――あんなとみくるの“相棒感”は、収録を重ねるほど深まっていくものだと思いますが、おふたりは互いの存在をどのように感じながら、アフレコに臨まれていますか?
千賀:あんなは、考えるより先に行動できるタイプ。一方でみくるは、「やりたいけど、先にいろいろ考えてしまって、時に立ち止まってしまう」タイプだと思うんです。だからこそ、ふたりはお互いの足りないところを補い合いながら、一緒に歩みを進めていく関係性なんですよね。
それって現場でもすごく重なる部分があって。私がお芝居をしていて、「ここはこの表現でいいのかな」「ちゃんとできてるかな」って悩んだときに、本渡さんが逆に“あんな側”になってくださるんです。「もっと感情を優先していいんじゃない?」とか、「なるようになるよ。やってみよう!」「あんなだから大丈夫!」と言ってくださって。だからふたりで収録するときは、本当に安心して臨むことができて。
そういう意味でも、あんなとみくると同じように、私も本渡さんとバディを組んでやらせていただいている感覚があります。
本渡:私は自分のことを、みくると同じで「頭の中で先に考える」「慎重にシミュレーションするタイプ」だと思っていたんです。
でも今、光莉さんから「現場で本渡さんが“あんなみたいに大丈夫だよ、やってみなよ”って言ってくれるのが嬉しい」と言われたときに、ふと「あれ、私……仕事に向き合うときは、意外とまず行動を起こすタイプだったのかも」と気づいて。そんな発見ができるなんて、なんだか面白いなと思いました。
本当に私たちって、お互いがお互いの“逆側”にスイッチがある感じがするんですよね。普段はそれぞれ役に似ている部分が多いのに、仕事になると自然と立ち位置が入れ替わるというか。
だからこそきっと、私たちはお互いにないものを持ち寄りながら、一緒に進んでいける関係なんじゃないかなとあらためて強く感じました。
(取材・文・写真:吉野庫之介)
テレビアニメ『名探偵プリキュア!』は、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネットにて毎週日曜8時30分から放送。
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