伊藤健太郎が主演を務める『連続ドラマW コンサルタント―死を執筆する男―』(WOWOW)が、今夏に放送・配信されることが決定した。

【写真】原作本『コンサルタント』、翻訳本『暗殺コンサル』書影

 伊藤が演じるのは、ミステリー小説家志望の冴えない男・伊崎耀。

謎の組織“カンパニー”に引きずり込まれ、誰にも気づかれない“完璧な暗殺シナリオ”を執筆する「暗殺」専門のコンサルタントへと転身する。しかし次第に圧倒的な巨悪に巻き込まれ、逃げ場を失っていく。「死」さえも商品となる資本主義社会の闇。その中で試され、裏切られ、翻弄されていく人々を描いたダークサスペンスだ。

 原作はイム・ソンスンによる『コンサルタント』(ウンヘンナム刊)。日本語翻訳版は『暗殺コンサル』(ハーパーコリンズ・ジャパン刊)として刊行されている。WOWOWでは初のK文学(韓国文学)作品の映像化となる。

 近年、K文学は世界的な注目を集めており、2024年にはハン・ガンが韓国人として初めてノーベル文学賞を受賞。さらに、K文学を原作とする映画『82年生まれ、キム・ジヨン』や『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』も大ヒットを記録した。そうした流れの中、『コンサルタント』は英国推理作家協会(CWA)主催の権威あるミステリー文学賞「ダガー賞」翻訳部門の最終候補作に選出されている。

 イム・ソンスンは、偶然通りかかった抗議デモの現場で「解雇は死だ」というスローガンが掲げられていたことが執筆のきっかけになったと振り返り、「誰かの悲しい声から生まれた小説が映像化されることは、まるで奇跡のように感じられます」と本作に期待を寄せる。世界から注目が集まるK文学の衝撃作に、数多くの本格ドラマを手がけてきたWOWOWが挑む。


 監督は、映画『リング』シリーズ、『事故物件』シリーズなどでジャパニーズホラーを牽引し、『連続ドラマW 正体』など他ジャンル作品でもその類まれな才能で観る者を圧倒する中田秀夫。さらに、『アンフェア』シリーズ、『駐在刑事』シリーズ、『連続ドラマW 造花の蜜』をはじめとした数多くの作品を生み出し続けているドラマの名手・小林義則が手がける。

 脚本は、『法廷のドラゴン』『ガラパゴス』『連続ドラマW トッカイ~不良債権特別回収部~』などで社会構造や人間心理を鋭い筆致で掘り下げる戸田山雅司。音楽は、『カルテット』や『ブラッシュアップライフ』の劇伴を手がけたfox capture planのメンバーであり、個人としても『人事の人見』の劇伴を担当するなど活躍中のカワイヒデヒロ。

 主人公・伊崎耀を演じるのは、『今日から俺は!!』シリーズ、映画『#真相をお話します』、そして日本アカデミー賞・優秀助演男優賞を受賞した『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』など、コミカルな役柄からシリアスな役柄まで、優れた感性で見事に演じ切る実力派俳優・伊藤健太郎。WOWOWドラマは初主演となる。

 ネット上で細々とミステリー小説を発表していた伊崎だったが、ある日、自身のファンを名乗る謎の男・黒川と出会う。黒川は伊崎に「完璧な暗殺」をテーマにした小説を執筆して欲しいと依頼するが、それは実在する人物を暗殺するためのシナリオだった…。

 伊藤は「小説家志望の冴えない男」が「『暗殺』専門のコンサルタント」に転身するという設定について、「ガラッと変えたいと思っていました」とコメントする。「服や姿勢、話し方など外から見えるものだけでなく、黒川という謎の人物と出会うことで内面も変化していく。その変化をどう表現するかについては監督とも話し合いました」とそのこだわりを明かした。


 監督の中田秀夫は、大変貌ともいえる役柄の変化を見事に演じた伊藤に感銘を受けたと述べ、本作が「彼の代表作の一つになったのでは」と語る。

 平凡な男がなぜ「暗殺」専門のコンサルタントへと変貌を遂げたのか、そして暗殺を請け負う謎の組織“カンパニー”はなぜ存在しているのか――。「死」さえも商品となる資本主義社会の闇。その中で試され、裏切られ、翻弄されていく人々を描いたダークサスペンス。今後発表される、伊崎の運命を大きく左右する登場人物たちを演じる豪華共演陣にも、ぜひ注目してほしい。

 『連続ドラマW コンサルタント―死を執筆する男―』は、WOWOWにて今夏放送・配信。

※伊藤健太郎、中田秀夫ほかのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■伊崎耀役:主演・伊藤健太郎

――ご出演が決まった際のお気持ちをお聞かせください。

 ありがたいなという、嬉しい気持ちが一番大きいです。作品のテイストも、役柄も、あまり経験したことがないものだと思います。また原作が韓国の作品であるため、どのように日本のドラマとして描いて、皆さんに受け入れて頂けるように作っていくのか、非常に楽しみな作品です。

――伊崎という役について、演じられた感想を教えてください。


 小説家志望の伊崎と、コンサルタントの伊崎の2面性をガラッと変えたいと思っていました。服や姿勢、話し方など外から見えるものだけでなく、黒川という謎の人物と出会うことで内面も変化していく。その変化をどう表現するかについては監督とも話し合いました。

 伊崎は黒川と出会ったことでダークな方へと引っ張られますが、別の人物と出会っていたら全く違った結果になっていたはずです。出会いによって自分の人生が変化していくことってありますよね。また伊崎が変化した自分自身に対して「本当にこれでいいのか?」と疑問を持ち続ける姿にも共感しました。

――改めて、視聴者の皆様、楽しみにされているファンの皆様へ向けてメッセージをお願いします。

 僕自身、ハッとさせられるセリフが本当に多い作品です。社会で生きている上で知らなかったこと、深く考えてこなかったことが盛り込まれています。 伊崎のようにモヤモヤした感情を抱えている方にとっては、共感もできる作品だと思います。もちろん「暗殺」がテーマですが、人間関係や恋愛も描いているため、いろいろな目線で楽しんでいただけるのではないでしょうか。視聴者の皆さんの予想を裏切るような演出もあるので、いろいろな発見をしていただき、何回も味わっていただけたら嬉しいです。
 

■監督:中田秀夫
                     
 衆目に晒される要人暗殺ではなく、病死、事故死、自殺等に見せかけて、人々の暗殺を請け負う“会社”が存在したら、そしてその筋書きを組み立てる天才ミステリー作家がいたら、という原作の設定に、少年時代から「完全犯罪」ものが好きだった私は胸が踊りました。


 主演の伊藤さんと撮影初日に、今回のドラマ全体の始まりとラストをまとめて撮った時、彼の役の「深化」に応じた大変貌をすんなり演じてくださり、感銘しました。伊藤さんご自身が発散する快活さとは真逆のトーンになるのですが、彼の代表作の一つになったのではと自負します。


 本作でも、現実においても、弱者は強者に「生殺与奪の権」を握られています。暗殺事件が続々と起きる夢魔的な展開ながら、現実ともかなりリンクしています。私自身も「あの人の不審死はひょっとしたら?」と妄想しました。「暗殺請負”会社”が実際に存在したら」と想像力を膨らませながらお楽しみいただければと思います。

■原作者:イム・ソンスン
                
 アメリカでサブプライム住宅ローン危機が起きた年でした。

 毎日天気予報のように構造改革のニュースが流れる時期でもありました。

 「解雇は死だ」というスローガンが掲げられている抗議デモの現場を偶然通りかかりました。その背筋が凍るようなスローガンが私の小説の始まりです。誰かの悲しい声から生まれた小説が映像化されることは、まるで奇跡のように感じられます。
素晴らしい監督や俳優たち、そしてスタッフの方々によって文字が映像に蘇る魔法のような経験を皆さんと一緒に体験できればと思います。文化や言語が違う国で映像化されますが、今も変わらない誰かの悲しい声が視聴者の皆さんに届けば幸いです。

■プロデューサー:廣瀬眞子
 
 原作を読み終えた時、いまだかつて味わったことのない感情に襲われました。「人間は誰かの死にコミットせずに生きることはできない。それがこの世界のシステムである」。謎の男・黒川が主人公に放つ劇中の台詞は、この作品の根幹となる部分を最も痛烈に表しています。

 主人公が書く小説通りに人が死んでいき、それをごく自然な死に見せかけて暗殺を遂行する会社が存在したら…、この斬新すぎる物語の映像化に共に悩みながら挑んでくださった中田監督や脚本の戸田山さんをはじめとする信頼するスタッフの皆様、そして“あり得ない”設定を確かな演技力で“あり得るかもしれない”と証明してくださった主演の伊藤健太郎さんやキャストの皆様方には心より感謝申し上げます。 

 「人が感じる“幸せ”とは、この社会においてどう成り立っているのか」と、少しだけ頭の片隅に置きながら、この一風変わったダーク・サスペンスの世界観に思い切って飛び込んでいただけますと幸いです。豪華キャスト陣の続報にも、ぜひご期待ください!

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