映画『オデッセイ』の原作者アンディ・ウィアーによる号泣必至の世界的大ベストセラー小説を映画化した『プロジェクト・へイル・メアリー』が3月20日に公開される。本作は、滅亡の危機が迫る地球の運命を託された中学の科学教師グレース(ライアン・ゴズリング)が、宇宙の果てでたった一人さまよっていた生命体ロッキーと出会い、共に命をかけて故郷の星を救うミッションを描く。

本作の原作だけではなく、マット・デイモン主演のSFサバイバル映画『オデッセイ』の原作を執筆し、科学的知見に裏打ちされた<現実的にありえる>物語で、世界中を魅了するウィアー。本作に登場する主人公グレースのたった一人の相棒として、故郷を救うために無理難題なミッションに挑むもう一人の主人公ロッキーもまた、徹底した科学的考察が息づいており、高い知能を持つ未だかつて人類が出会ったことのない生命体ながら、原作者のウィアーは、あくまでも科学的側面から見ても“存在しうる生命体”として描いている。

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 「科学は私の趣味であり、情熱です」と語り、専門家顔負けの科学知識を持つウィアー。彼の執筆するSF小説は、できるだけ現実の科学に基づき、実際に起こりえる出来事を描いており、そのリアリティは世界中の読者を虜(とりこ)にしている。

 太陽衰弱により、滅び始めた故郷を救うために中学教師ながら“イチかバチか”のミッション<プロジェクト・ヘイル・メアリー>のメンバーとして、宇宙に送り込まれた男グレースの物語を描く本作もまた、ウィアーが「そんなに遠い未来の話でもなく、特に空想的な要素もありません。少なくとも物理的に実現可能で、できる限りもっともらしいものにしたかった」と語るように、フィクションでありながら徹底して“現実味”を追求する姿勢は揺らがない。

 その思想は、劇中に登場する小さくて勇敢な生命体ロッキーの造形にも色濃く反映されている。ウィアーは宇宙人の存在について、「宇宙はあまりに広大であり、地球以外に生命が自然発生している可能性は極めて高い」と肯定的な立場を取っており、人類が未だかつて出会ったことない岩のような見た目をし、高い知能を持つロッキーを単なる奇抜な生命体としてではなく、<進化のプロセスから自然に導かれる存在>として設計。生物がどのような環境で誕生し、どのような化学的基盤を持ち得るのか、その積み重ねの先の存在としてロッキーを描いている。

 一方でウィアーは、「これまで我々の太陽系に宇宙人が訪れたという証拠はなく、知的生命が地球にやってくるとも考えていない」と語り、地球外生命体を“侵略者”として描くつもりはなかったと明かしている。本作で出会うグレースとロッキーは、どちらかがどこかを侵す存在ではなく、それぞれが故郷を救う使命を背負い、孤独に宇宙をさまよう中で偶然出会う。

 姿も言葉も常識もまったく異なる二人は“科学”を共通言語としてコミュニケーションを取りながら“たった一人の相棒”として固い絆を築いていく。
そんな科学的リアリティーに裏打ちされた異種間の友情を体現するロッキーの活躍に注目だ。

 映画『プロジェクト・へイル・メアリー』は、3月20日より全国公開。

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