第74回ベルリン国際映画祭をはじめ、世界各地の映画祭で計41冠を達成した映画『I WAS A STRANGER』が、邦題『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』として、6月19日より日本公開されることが決定。あわせて、メインビジュアルと本予告が解禁された。



【動画】『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』予告

 アサド大統領による長期独裁政権への不満を発端に、シリア政府軍と反体制派の間で勃発したシリア内戦。2011年から2024年にわたり続いた戦禍から逃れるため、国外避難を余儀なくされた市民の数は1400万人にのぼる。

 本作はその現実に着想を得て、紛争によって引き裂かれる家族と、彼らを取り巻く人々の姿を多角的に描き出すスリリングな群像ヒューマンドラマ。国籍も職業も立場も異なる人々が、戦争という悲劇の中で交差していく様を、リアリティと手に汗握る緊迫感をもって映し出す。

 監督・脚本・制作を一手に担ったのは、『ローン・サバイバー』やマーティン・スコセッシ監督作『沈黙 -サイレンス-』などでエグゼクティブ・プロデューサーとしてキャリアを築いてきたブラント・アンダーセン。人道支援活動家でもあるアンダーセンは、本作の原点となる短編映画『Refugee』でアカデミー賞実写短編映画賞にノミネートされた。

 アンダーセンは「実話だからこそ、さまざまな視点から物語を体験してほしい」という強い意志のもと、人道支援活動の現場で実際の出来事や証言を丹念にリサーチ。シリア、トルコ、ギリシャ、アメリカの4ヵ国を舞台に、紛争下で引き裂かれる5つの家族の人生が交差する物語を、5章構成の群像劇として再構築し、待望の長編デビューを果たした。

 キャストには、国境を超えて活躍する実力派俳優が集結。初出演映画『キャラメル』で脚光を浴びたレバノン出身の国際的女優ヤスミン・アル・マスリーが、危機的状況下でも冷静さを失わない医師を熱演する。『最強のふたり』で東京国際映画祭やセザール賞の主演男優賞に輝いたフランスの俳優オマール・シーは、悪辣な密航業者でありながら愛情深い父でもある複雑な人物像を好演。2人は短編映画『Refugee』でも同役を演じており、本作で再びその役柄に挑んだ。


 さらに、沿岸警備隊の船長役で印象的な存在感を放つギリシャ人俳優コンスタンティン・マルクーラキス、過酷な現実に直面し悩むシリア人兵士を演じる『皮膚を売った男』のシリア人俳優ヤヤ・マヘイニ、家族のために希望を捨てない父親に扮したパレスチナ出身のジアド・バクリが魂の競演を見せ、本作を真にグローバルなヒューマンドラマへと昇華させた。

 このたび解禁となったメインビジュアルは、登場人物たちが円環状に配置され、紛争地を起点に物語が連鎖していく群像劇を想起させるデザインとなっている。火に包まれた廃墟や、兵士が抱えるライフル、海に浮かぶボートといったモチーフが重なり合い、ひとつの空と海の下で終わらない戦争という現実を示唆しているかのようだ。

 また本予告は、シリア・アレッポに住む家族が食卓を囲む穏やかな日常が、爆撃によって一瞬で奪われる場面から幕を開ける。国外へ逃れようと奔走する医者の母と娘の親子、民間人の命を奪うことに葛藤を抱える政府軍の兵士、病弱な息子と共にアメリカへ移住するため、難民をギリシャ行きのボートに乗せて荒稼ぎする密航業者、家族とともに密航ボートに乗り込んだ詩人の父親、そして海を渡る難民を救出する沿岸警備隊の船長――それぞれの異なる視点と運命が交錯し、極限状況を生き抜く人々の記憶を、観客自身が追体験するかのような臨場感あふれる映像に仕上がっている。

 映画『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』は、6月19日より全国順次公開。

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