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そもそも本作の主題歌を歌うことになったきっかけは、「友人の友人から話がきたこと」だったという蛇足。話自体は一年以上前にきたものだったが、その後紆余曲折を経て3ヵ月前にレコーディングを済ませ、リリースに至ったのだという。
「曲はいくつか用意されていて、その中から自分で選びました。収録は自宅のスタジオで一人です。ニコニコ動画に作品を投稿するときと同じやり方で、いつも通りのスタイルですね。特に普段と違って困ったこともなかったです。曲によって毎回歌い方を変えていて、今回も自分なりにこれが合っているんじゃないかという歌い方をしています」。
ひょうひょうとした雰囲気で語る蛇足だが、今回は歌だけではなく声優にも挑戦。物語に登場する「D」というキャラクターのボイスを担当している。歌とはまた違った苦労があったのでは?
「お話をいただいたときに何でもやると答えたので、出演の話がきたときも煮るなり焼くなり好きにしてくれという感じでしたね。
ボイスの収録もやはり蛇足のプライベートスタジオで行われたが、こちらに関しては多少の苦労があったという。
「最初はセリフをいただいてから、一人でじっくり録ろうと思っていたんですよ。だから自宅でということにしたんですが、どうやらそうではなくて、原作者の方がいらっしゃるってことだったんですね。それがちょっと予想外で、原作者の方と打ち解けたり恥を捨てたりするまでに時間が少しかかりました」。
歌とはまた違った蛇足ボイスが楽しめる「葬除屋×LORD[クロスロード]」だが、スマートフォンではあまりゲームをしないという蛇足も本作は楽しんでプレイしているという。
「休日はゲームをしているかお酒を飲んでいるかのどっちかっていうくらいゲーム好きなんですけど、スマホではあまりゲームをしないんですよ。でもこれならタップするだけだし、何より声優さんのプロの演技がすごいなって思いましたね。僕が演じたDっていうキャラが思ったより元気でチャラい感じのキャラだったので、ちょっと驚きましたけど(笑)」。 “歌い手”として4年前にニコニコ動画デビューし、本作で主題歌を手がけるなどニコ動以外のシーンでも活躍するようになった蛇足。彼にとってニコニコ動画とは、そして歌い手とはどんな存在なのだろうか。
「ニコ動に投稿し始めた時点で30歳を回っていたので、今の若い子たちを見るとうらやましく思うこともありますよ。たとえば今10代の子が歌い手デビューしたとして、今の自分の年齢になるまでに20年あるわけじゃないですか。すごいことですよ、それ。僕もあと2、3年で表からはいなくなるだろうし……(笑)」。
冗談めかして語る蛇足だが、長きにわたって第一線で活躍してきた実績と人気は不動のもの。今後はそうした経験を活かして、若い歌い手のサポートもやっていきたいという。
「新しい歌い手が人気を得ると、そこに入ってきた悪い大人にだまされることもあるんですよ。企業が入ることでメリットもあるんだけど、単にCDを売りますっていうだけでは本人のためにならないこともいっぱいあるんです。本人の望む道に進むためにはどうしたらいいのか、自分がその"道"を作ってあげられるようなポジションにつけたらと思っています。でも“歌い手”というシーンからいなくなるつもりはないですよ。現役の歌い手としてこれからもやっていきます」。
歌い手として「歌ってみた」カルチャーを支えてきた蛇足が次に見据えるのは、後進に対して“道”を示すこと。