<フォト>宝塚歌劇団雪組「JIN -仁-」「GOLD SPARK! -この一瞬を永遠に-」公開舞台稽古&囲み取材の様子
第1部を飾るのは、齋藤吉正脚本・演出によるミュージカル「JIN -仁-」。
幕末の江戸にタイムスリップした現代の脳外科医・南方仁(音月)と、武家の娘・橘咲(舞羽)との時空を超えた純愛と、実在の英雄・坂本龍馬との友情を中心に物語が展開。さらに、二つの時代を生きた仁の人生を通して、命の大切さをまっすぐに訴えかけるヒューマンドラマとなっている。第2部は中村暁作・演出のショー・ファンタジー「GOLD SPARK! -この一瞬を永遠に-」。「オルフェ」や「Red Bird」など物語色の強いパートを盛り込みながら、サヨナラ公演となる音月の“輝き”を見せつける。
2010年に雪組のトップスターに就任した音月は、今風の恵まれた容姿を持ち、歌、ダンス、芝居と3拍子揃ったスターとの評価を受けてきた。「この公演が最後だとあまり意識してしまうと、気持ちがブワッと来てしまってお芝居に集中できないので、まだそれほど意識しないようにしています」と心境を口にする。
とはいえ、やはりこれまでとは違った思いもあるよう。「自分が出ていない場面を袖から見ているとき、これまでは、これはこうだなとか注意やアドバイスをすることが多くありました。でも今は、ひとりひとりが命をかけて舞台に思いをぶつけている姿を見て、あ、これならこれからの雪組も大丈夫だなと頼もしく感じています。私と舞羽はそんなみんなに支えてもらっている。
そして続けた。「お芝居の中でも使命という言葉が出てきますが、私たちの使命はお客様に幸せになっていただくこと。公演を見て、楽しかったとハッピーな気持ちで帰っていただくことです。ひとりひとりが使命を持って、充実した舞台を作れるように頑張っていきたいと思っております」。
2011年にトップ娘役となり、本公演で共に退団する舞羽も「私もまだ(退団については)実感できていない部分があります。自分自身、まだ成長したいですし、お客様に喜んでいただける舞台を精一杯頑張って届けたいと思っています。そしてこの公演が宝物になるように、自分の中に刻んでいきたいと思っています」と語った。
また今を真剣に生きる仁と自身とのリンクについて音月は次のようにコメント。「原作のあるお話しですが、齋藤先生が愛を込めてセリフを書いてくださいました。歌詞もそうですけれど、15年間宝塚で走ってきた音月桂と南方仁という役はすごくリンクしています。お芝居の中でも、何回か、ほぼ全員といえるような大勢に囲まれて歌うシーンがあり、雪組のみんなに支えてもらっている気持ちが沸いてきます。
そして宝塚に初めて興味を抱いた当時のことに思いを馳せた。「最初に宝塚の舞台を観たときに、たくさんのエネルギーと幸せな気持ちをいただきました。この世界は一体何なんだろう。華やかで夢があって…。鳥肌がぶわ~っと立って、舞台が終わっても、しばらく椅子から立つことができませんでした。そんな気持ちをいただくだけでなく、発信する立場になりたいと思ったのが、私が初めて宝塚に入りたいと思った理由のひとつ、原点です。その思いを胸に今まで舞台に立ち続けてきたので、最後までその気持ちと、心身共に笑顔でみなさまに最高の舞台をお届けできるように、1日1日を大切に務めていきたいと思っています」。
また「GOLD SPARK!~」に関して「お客様に掛け声で参加していただくところもあります」と舞羽が話すと、それを受けた音月が、満面の笑みで次のようにお願いした。「3回ほどですが、ショーの中でお客様に掛け声をしていただくところがあります。“ケイ!(桂)”と言っていただけると嬉しいです!」。
「JIN -仁-」の主な配役は、ほかに阪本龍馬に早霧せいな(さぎりせいな)、勝海舟に専科の北翔海莉(ほくしょうかいり)、咲の兄・橘恭太郎に未涼亜希(みすずあき)。
宝塚歌劇団雪組公演、「JIN -仁-」、「GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-」は、11月23日(金)から12月24日(月)まで東京宝塚劇場にて上演中。